【ここは法廷だゼ!】自称DJのDV裁判! 逮捕当時の風貌からはかけ離れ……
ある日の東京地裁。罪名は傷害。この事件は大きく報道されている。
「放射能危ないからおいで」福島の女性にDV&風俗強要
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/06/14/kiji/K20120614003461340.html
自称DJが自宅で女性の顔を殴り鼻の骨を折ったのだという。自称DJ……肩書きが気になる。しかも、テレビやネットで見た被告人の髪型は、とにかく膨張率がすさまじかったが、勾留生活でもそのヘアスタイルを維持しているのか?これも気になる。法廷へ。
現れた被告人は傍聴人の期待を裏切る坊主頭で登場した。それもかなりの短さだ。法廷を間違えたかと思った。スーツ姿で、なぜか右足をひきずり、証言台の前へとなんとかたどり着く。ふと見ると、右の鼻の穴になにか詰められているようだ……鼻血か?疑問は膨らむがナゾのまま終わった。
裁判官や検察官とのやりとりで、被告人には追起訴があり、今回の審理はその追起訴分である事が分かった。被害者名は伏せられているが「Aさん」から「Cさん」までおり、どうやら報道されている1名の女性以外にも、暴力をふるっていたようだ。
昨年12月付の起訴状が今回の審理分。Cさんに対する傷害罪である。2009年の10月上旬、自宅でCさん(29歳)の左耳をゲンコツで多数回殴るなどし、加療約1か月の傷害を負わせたほか、翌年2月下旬頃、Cさんに対して暴力をふるい、加療約7日の全身打撲を負わせたというものである。
これに対して被告人は言い分があるようで、フラフラしながら長々としゃべりだした。声もうわずっており、たまに倒れそうになるため、職員数名があわてて駆け寄るというハプニングもありつつ、こう述べる。
「10月は本人の誕生日であったため、10月はやっておりませんので……9月の終わり頃……あとゲンコツで殴っておりません。2月中旬はバレンタイン、本人と仲良くしてたんで2月下旬に直して下さい。またゲンコツのパンチはないですが、怪我は大変なご迷惑をおかけしました……」
いずれもゲンコツでは殴っていないと、ソフトな暴力だったといったような主張をしていた。
しかしCさんの調書によれば、同棲し始めてまもなく、思い通りにならない事があると足や拳で、Cさんの頭を殴るようになり、そのうちほぼ毎日殴るようになっていったという。医師も、加療1か月という診断を下している。ゲンコツで殴ってないという主張はさすがに通らないのではないか?
さて、追起訴分はこれで終わりで、被告人質問が行われるかと思いきや、まだ追起訴があるとのこと! そのため、この日の裁判はあっけなく終わり、次回に続行となった。一体何人の女性に暴力を振るったのだろうか? 報道では震災をダシに女性を招き入れ、暴力を振るっただけでなく風俗で働かせて金を巻き上げていたそうだが……。まだまだ長引きそうな雰囲気である。
画像引用元:flickr from YAHOO
http://www.flickr.com/photos/greencolander/18678000/
傍聴人。近著『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)ほか古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』(扶桑社)など。好きな食べ物は氷。
ウェブサイト: http://tk84.cocolog-nifty.com/
TwitterID: tk84yuki
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