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日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない

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技術を極めていけば、生き残れるというのは短絡的な発想か。日本の中から見るだけでは分からないことがあります。今回はMadeleine Sophieさんのブログ『フランスの日々』からご寄稿いただきました。

日本色の付いた技術ではもう世界で勝てない

「日本の失敗産業と成功産業は間もなく融合する(通信と自動車)」で述べた自動車ネットワークの分野で日本が、通信産業に引き続き無惨に敗北することのないように、考えていこうと思います。人々が使いこなす技術が世界より先に進んでいる日本も、このままでは世界で負けると断言できます。その理由を以下に見ていこうと思います。

「日本の失敗産業と成功産業は間もなく融合する(通信と自動車)」
http://mesetudesenfrance.blogspot.com/2009/08/blog-post_18.html

まず、通信産業の敗因は「ガラパゴス化」と名付けられて、技術水準の高い日本発の技術が世界標準で敗北するメカニズムは以下に述べられています。
————–
未来ナビ「ガラパゴス化」する日本
 1. 高度なニーズに基づいた製品・サービスの市場が日本国内に存在する
 2. 一方、海外では、日本国内とは異なる品質や機能要求水準の低い市場が存在する
 3. 日本国内の市場が高い要求に基づいた独自の進化をとげている間に、海外では要求水準の低いレベルで事実上の標準的な仕様が決まり、拡大発展していく
 4. 気がついた時には、日本は世界の動き(世界標準)から大きく取り残されている
————–
※株式会社野村総合研究所 NRI未来ナビ 『「ガラパゴス化」する日本』より引用
http://www.nri.co.jp/navi/2008/080213_1.html

標準化組織については、以下の記事にまとめました。ご参照ください。
『高度交通システム(ITS)技術のための標準化組織』
http://mesetudesenfrance.blogspot.com/2009/05/blog-post_21.html

世界に先駆けて市場が拡大する日本の利点
4項目挙げられた世界市場で日本の技術が負ける過程ですが、最初の2つは日本の利点とも言えるものです。日本市場は、世界に先駆けて先進技術が導入される土壌があるのです。企業は世界に先駆けて新技術の普及によるノウハウを蓄積できます。さらに日本人は海外の人たちより新技術に対する好奇心が高い点も利点です。

例えば、デジタルカメラや写真メールは日本人が最初に関心を持った技術でした。デジタルカメラはアナログのカメラより画像が荒いと言われるころにも、その場で写真を確認できるデジカメの利点に興味を持ったわずかな日本人がいたために、生産者はその利益によって開発投資を続けることができました。継続的な投資によって性能が上がったデジタルカメラは世界でも成功しました。フランスは新しいタイプのカメラが古いカメラより画質が荒ければ、だれも買いません。だれもが性能が上がるまで待つはずです。ケータイのカメラも登場したころはモザイクかと思うほどに画質が荒かったのに、新しいコンセプトに好奇心を持った日本人が買い始めたことによって、開発投資のサイクルが回ったことが普及の要因に挙げられると思います。現在ではフランスのケータイにすらカメラが付いていますが、初期の性能ではフランスの人はだれも買わなかったと思われます。

同じことが高度交通システム(ITS)にも言えます。日本では普及が始まったカーナビも、フランスではほとんど見かけません。日本でカーナビを売っている会社は、フランスでは性能を落とした何世代か前のものを売っているそうです。ユーザが好奇心を持たず、高度化した機能を使いたがらないからでしょう。人々が使いこなす技術が進んでいる日本が世界でなぜ負けるのでしょうか?

外国人は日本の技術が嫌いと知るべし
「嫌い」というのは外国人が日本の技術を憎悪しているという意味ではありません。世界の人は(もし仮に日本の技術に感心したとしても)、日本の技術が嫌いだというように見える行動をとる理由があると言うことです。これには3コの理由があります。

まず、世界の人々は、「世界に最初にビジネスが立ち上がった日本に世界のビジネスのおいしいところを取られたくない」と考えます。これが日本の技術を世界標準技術にしたくないというモチベーションになります。

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