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習近平で中国が衰退する理由

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 日本による尖閣諸島の国有化、それに対する反日暴動など、緊張する日中関係ですが、そんな中、中国共産党の総書記に習近平氏が選出されたことは記憶に新しいところ。
 一党独裁の中国における中国共産党総書記とは、事実上国の最高指導者にあたります。このポストについた習氏が、今後日中関係をどういった方向に向かわせるかに注目が集まっていますが、『「中国の終わり」のはじまり』(徳間書店/刊)の著者である黄文雄氏と石平氏は、この政権が前任の胡錦濤や江沢民のように2期10年を全うできないとみています。

■正当性がない習近平政権
 歴史的に中国の歴代皇帝は、天命によって地上の支配を託されたという「天命論」で自らの権威を正当化してきたという背景があるため、現代でも政権にはその政権なりの正当性が必要となってきます。
 例えば、文化大革命までの毛沢東政権には、「革命」という理想があり、その大義名分によって人民を統治できました。また、この時代は外部からの情報を遮断したうえで、「中国国民は一番幸せ、資本主義の日本やアメリカは毎日食うや食わずの生活をしている」とアナウンスすることで、政権の正当性を国民に信じさせることができたのです。
 しかし、習政権にはその正当性がありません。
 天安門事件以降、経済発展こそが政権の、ひいては一党独裁の大義名分でしたが、その経済発展にも今では陰りが見えているのです。

■進行する中国経済の全面的衰退
 石氏によると、好況とされている中国では、すでに経済の全面的衰退がはじまっているそう。もともと中国経済は内需が伸びず、輸出依存度が高いという特徴があります。この状態は外国の状況に左右されやすいというリスクがあり、現に今の中国はヨーロッパの債務危機が直撃し、輸出産業を圧迫しているのです。
 中国国内の輸出向け製造業の一大生産基地である温州市では、4000社ある民間製造業のうち60%が操業を停止、倒産したか倒産寸前に追い込まれているそう。
 また、不動産開発も、投資額こそ増えていますが、その伸び率は前年同期と比較すると大幅に落ちており、それに支えられてきた鉄鋼・家具・内装などの諸産業も停滞。経済全体を見ても、政府が強く訴える「成長率8%」を割り込もうとしているのです。
 もし、このまま経済成長が止まれば、中国共産党も習近平政権ももたず、失脚するか、中国共産党の一党独裁が崩れると黄氏はいいます。
 経済の停滞によって政権の正当性が希薄になり、正当性が希薄な政権下では経済は衰退する。習氏の総書記就任の背景には、中国のそんな事情があるのです。

 本書には、中国が抱える問題や中国人特有の思想など、中国をよく知る著者ならではの“中国の真の姿”が語られています。
 学校教育や報道ではあまり語られない内容も多く、読みものとしてだけでなく、中国という国を考えるうえで貴重な資料となるはずです。
(新刊JP編集部)



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