いろいろと”固く”なった!? レノボから『ThinkPad Tablet2』が発表
11/16(金)、レノボ『ThinkPad Tablet2』の発表会が行われた。いったいどんな製品なのか、発表会の内容をもとにレポートしてみたい。
いきなりだが『ThinkPad Tablet2』のスペック、ハードウェアから。
ディスプレイ: 10.1″ IPS HD解像度(1366×768)
旭硝子製 Dragontrail(ドラゴントレイル)強化ガラス搭載
OS: Wiondows8 32bit、Windows8 Pro 32bit
CPU: Intel Atom Z2760
ストレージ/メモリー: 64GB/2GB、または 32GB/2GB
サイズ: 約9.8mm、約570g(WiFiモデル、ペンなしモデル)
スピーカー: ステレオスピーカー&デュアルノイズキャンセリングマイク
カメラ: 8メガピクセルカメラ(外側)、2メガピクセルカメラ(内側)
インターフェース: フルサイズUSB 2.0×1、マイクロSDカードスロット
セキュリティ: TPM(オプション)等
バッテリ駆動: 10時間以上のバッテリー駆動時間
ワイヤレス: 802.11 abgn
オプション: デジタイザーペン
オプション類: NFC, Bluetooth Keyboard, ドック等
高まった堅牢性
今回の『ThinkPad Tablet2』では、ディスプレイに旭硝子による高強度ガラスが用いられている。このことにより、レノボではおなじみの「高さを変えて鉄球を落とす」耐久テストにおいて前モデルに勝るとも劣らない好成績を叩きだしている。数値などは公表できないが、他社製品と同条件の比較を行った場合、2倍、3倍以上の強度を示す結果が出たとの報告があった。
さらにマグネシウム合金製インナーフレームの採用によって、32%の薄型化、23%の軽量化を実現している。
実際に持った感触としては確かに薄く、程よい重量感があるものの重いという感じはしなかった。
タッチパネルとLCDの構成についても本モデルでは改良が加えられている。初代『ThinkPad Tablet』では、タッチパネルとLCDの間に隙間ができる構造であった。そのため実際の見た目とペン入力における「視差」が生じる原因となっていた。またこれは2層構造による光線反射の複雑化にもつながっていたという。
ところが『ThinkPad Tablet2』ではタッチパネルをLCDに直接貼り付けることにより隙間がなくなった。結果、ペン入力視差や乱反射を防ぐという改良に成功している。もちろんタッチパネルへの指での操作においても同様のメリットは受けることができるだろう。画面の見やすさについては「特に太陽の下などでの見やすさが向上している」という。
また、『ThinkPad Tablet2』のペンは「電磁界共振方式」の採用により、小さい文字を書くことも可能とした。一般的な静電ペンは指として検出するのに対して、『ThinkPad Tablet2』ペンでは、ワコム製デジタイザーが高精度の検出を行ってくれる。このことにより書き込める一文字の大きさは5mm×5mm程度までが可能となっている(一般的な静電ペンだと一文字約20mm四方)
丈夫で高精度なディスプレイとタッチパネルだが、ペンつきのモデルが選べるようになっているのははなぜだろうか。
レノボとしては、『ThinkPad Tablet2』は法人向けモデルという位置づけを想定しているのだ。たとえば「医療、建設現場」では、グローブなどをして作業する場面や素手で画面を触れない場面などが想像できる。その場合にペンつきモデルが活用される。また教育現場におけるデジタル教科書の普及でもペンは活躍するのではないだろうか。
ちなみにペンは初代モデルが電池内蔵だったのに対し、本モデルでは電池不要となった。
UEFI BIOSの採用やプリインストールされたウィルス対策ソフトなど、セキュリティ面についても強い配慮がなされている。またAndroidやiOSとは異なり(Windows8であることにより)今までのWindowsPCと同等レベルのセキュリティを確保できるというのは大きな強みかもしれない。他にも共通のBIOS設定を複数のタブレットに展開する『SRSetup』やドライバインストールを一括管理するSCCMなど、複数導入における総合管理が簡易になるようなツールが提供されている。
バッテリー駆動時間も大幅に改善
本モデルでは初代と比較してかなりの省エネ設計となっている。
実際にどのくらい違うのかというと、スタンバイ状態ではなんと600時間(25日)持続する。これは初代の2.2倍に相当する。ビデオ再生(オンラインの720p動画再生)でも10時間(1.4倍)の駆動を実現。バッテリ駆動時間では従来の9時間から16.4時間(1.8倍)と非常に高い省電力化に成功しているのだ。これはタブレットそしてWindows8に最適化された消費電力測定環境による試行錯誤のたまものであると言えそうだ。※当初の記事公開時に数値の誤りがございましたことをお詫びします(11/19)
他にも専用のBluetoothキーボードやRGB出力コネクタなど周辺機器の充実、WiFiモデルでも高精度のGPSを搭載するなど、細かな部分のチューンにも余念がないという印象を受けた。
法人向けモデルだからこその作りこみ
先にも述べたように、『ThinkPad Tablet2』は法人向けとしての活用を想定されたタブレットPCである。それだけにセキュリティや運用管理に強い配慮がなされているバランスの優れたモデルであるという印象を受けた。
これらの技術は個人ユーザーにも無関係ではない。こうしたテクノロジーが素地となり、安全で使いやすいモデルの登場にも貢献していると言えよう。派手さを押し出してはいなかったものの、改めて『ThinkPad』ブランドの底力を感じた発表会だった。
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