【実戦レビュー】見た目が本気すぎる『ペットボトルランチャー』を撃ってみた
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原理は簡単だが、本気だ
『ペットボトルランチャーRPG-7』(以下『ペットボトルランチャー』)は“ペットボトルロケット”の原理を利用した大人向けの玩具だ。
一般的なペットボトルロケットは、炭酸飲料水のペットボトルに少量の水と圧縮した空気を入れて飛ばす、というもの。この『ペットボトルランチャー』も原理は全く一緒なのだが……小学生の工作とは違い、“見た目”や性能もかなり本格的なのだ。

外観はソ連の開発した歩兵用・対戦車兵器『RPG-7』がモデルとなっている。
ステンレスとアルミ、塩ビと耐久性に優れた素材で構成されており、発射性能は「20m~35m」とされている(公式射撃データより)。また、上空へ向けて撃つ場合は航空法の規制を受けるなど、大人の配慮が必要な“玩具”なのだ。
そのため本品は、18歳以上が対象となっている。
……とまあ堅苦しい書き方になったが、作って撃つのはものすごく爽快だった。「実射」も含め、追々紹介していきたいと思う。
組み立てに必要なもの
『ペットボトルランチャー』の製造販売は新潟県三条市の「有限会社マルダイ」。三条市は包丁や工具などの金物の工業が盛んな地域としても知られている。ものづくりが盛んな都市ならではの製品と言えよう。
完成品の全長は約950mm、重量は約3.0kg(弾頭除く)となっている。なかなか大きいぞ……。
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パッケージサイズからして(610*420*145mmと)もう既に大きい。ガンプラでいうとMG(マスターグレード)『アッガイ』(1/100)の箱2つ分に近い大きさだろうか。わかりづらかったらすまない。
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ボックスアートは、しずまよしのり氏によるもの。ポップだが全体に高級感があり、メーカーの本気度やこだわりが伝わってくる。
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このキット、制作に必要なものがいくつかある。
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・多目的用途接着剤(コニシ『G17』、『ウルトラ多用途』など硬質プラスチックと金属の接着ができるもの)
・塩ビパイプ用接着剤
・空のペットボトル(炭酸飲料、1.5リットル)
・ビニールテープ
・両面テープ
・カッター、カッターマット
・プラスドライバー、マイナスドライバー
あと、必要に応じて紙ヤスリ(400番程度)やゴムハンマーなどがあるとより便利かもしれない。
今回は行わなかったが、作例に準じて塗装すると、かなり見栄えが変わってくる。その際は塩ビパイプや金属への“食いつき”が良い塗料を選ぼう。
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制作のポイント
説明書が写真付きで親切なため、基本的に迷う場面は少ない。ただしキットの性質上、エッジが鋭い部品などもあるので取扱いは注意してほしい。
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
本記事での制作では「12.尾部の組み立て」におけるアルミ部品(ジョイント)と塩ビパイプの接着が少々キツかったため、結果的に一番の難所となった。今回は塩ビパイプ内側にも塩ビ用接着剤を塗りたくり、表面を溶かしたあとにアルミ部品をねじ込んで事なきを得た。
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また、木製部品の「グリップ」は左右の形が微妙に異なるので、よく見て取り付けよう。

実際にうまく飛ぶようにするコツの一つとして、トリガーユニットのワイヤーの張り方がある。
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ゆるすぎると、引き金を引いても飛ばないことがあるので、仕上がった後に調節をしながら程々のテンションを保つのが良い。
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今回ペットボトルは、超大手ドリンクメーカーのコーラ(1.5リットル)のものを使用した。注意したいのは『弾頭パッキン』を必ず取り付けること!これを入れ忘れると「空気が漏れて全く飛ばない」という悲しい事態におちいる。
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また、ペットボトルに取り付ける「樹脂シート」はパイプに沿って丸める関係上、テープでしっかりと固定してほしい。切断面が鋭利になりがちなので、角は紙ヤスリや耐水ペーパーで丸めておくと安心だ。
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完成したブツを手にしてみる
完成した『ペットボトルランチャー』を実際に手にしてみると、想像よりもずっとゴツく、いい意味で重い。と同時に「これは安易に外には持ち出せないよな……」という気持ちになる。本格的過ぎる“出で立ち”なので、むき出しのままで持ち出すのは避けた方がいいだろう。
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また、発射には他の人の迷惑にならない場所選びも重要になってきそうだ。
いざ、発射へ
今回実射レビューにあたり、横山緑記者をむりやり連れ出して関東某所の河川近くへと出向いた。ランチャーはあらかじめ試射を行い、空気漏れがないことを確認することをおすすめする。また、水と空気入れ(圧力計付き)が必要なのでこれらも忘れないように。
試射当日は少々風があったものの、天気も良くコンディションは上々だった。説明書にもあった「前方50m以上、左右各30度以上の安全な射界」を選び、セッティングを行う。
まず、ペットボトルに水を入れ「弾頭パイプ」に取り付ける。やってみるとわかるが、水量は飛距離に大きく影響する。説明書では400cc~600ccが良いとしているが、量を変えて何度か試すのが良いだろう。
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次は本体に弾頭パイプを差込み「カチッ」と音がするまではめこむ。そのあとはいよいよ、空気の充填となる。
自転車用の空気入れ(空気圧計付き)を用いて空気を圧縮する。推奨値は500kPa以内だ。
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あとは、尾部のパーツをはめて発射準備完了となる。ただし、発射口を誤って押してしまうと暴発するので、緊張を伴う作業となる。

パーツを付け終ったらいよいよ発射準備完了だ。
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構える横山記者。「3、2、1……発射!」トリガーを引くと、勢い良く水を吹き出しながら、ペットボトルが……地面を這っていった!!どうやら、水が多すぎたようだ。
撃った横山記者は、上半身に水を浴びる結果となった。この『ペットボトルランチャー』は、その構造上、打ち手が必ず水を浴びることになる。「まあ……いいんですけどね」。憮然(ぶぜん)としながらも、彼は次の発射準備に取り掛かった。
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先ほどよりも水を少なめにして、再度空気を充填する。
「では……いきます」
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発射したペットボトル、いや弾頭は大きな弧を描いて発射された。これはなかなか気持ちがいい!!
何度か発射を繰り返す。ずぶぬれの横山記者の表情も、心なしか表情が和らいできたようにみえる。実に楽しそうだ。
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見た目こそイカツい『ペットボトルランチャー』ではあるが、楽しいオモチャだと実感したレビューだった。
実際に撃った様子は、下記の動画からも確認可能だ。
【ニコニコ動画】見た目が本気すぎる『ペットボトルランチャー』を撃ってみた
公式世界大会も
2012年10月6日(土)には、「ペットボトルランチャー世界大会 第0回大会」が越後湯沢にて行われるという。
ペットボトルランチャー世界大会第0会大会 概要 有限会社マルダイ
http://www.marudai-corp.com/pbl/info-meeting-2012.html [リンク]
本気すぎる玩具『ペットボトルランチャー RPG-7』は、販売価格:28,350円(税込・送料別)にて発売中だ。
製品ページ
ペットボトルランチャー RPG-7 有限会社マルダイ
http://www.marudai-corp.com/pbl/index.html [リンク]
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