ケータイからもニコニコさせたい!『ニコニコ動画』モバイル開発インタビュー 前編

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本日8月3日より、『ニコニコ動画モバイル』(以下ニコモバ)にて、NTTドコモ(以下ドコモ)公式ページにおける月額課金がスタートしました。また、ドコモ版の『ニコモバ』で配信されている『ニコニコ生放送』のケータイ版『ニコ生モバイル(仮)』においても新たな機能が発表されました。そこで今回の変更にて具体的に何が変わったのかを開発のニワンゴ様に直接インタビューしてきました。

<ニコニコ動画スタッフ>
齋藤光ニ ニコニコ事業本部 副本部長
宮本卓 研究開発部 研究開発セクション
野田明日香 事業推進部 第二セクション
河原聖也 研究開発部 第二企画開発部

<用語解説>
『ニコニコ動画』…… 動画に直接コメントができる動画コミュニティサービス
『ニコニコ生放送』…… インターネット経由で生放送をすることができるサービス
『ニコニコ動画モバイル』…… ケータイでも『ニコニコ動画』を楽しめるサービス
『ニコ生モバイル(仮)』…… ケータイでも『ニコニコ生放送』を楽しめるサービス

~コンビニ弁当一個分で30日間ニコニコ~
ガジェット通信(以下ガジェ): まずは、このたびのドコモ月額課金についてお聞かせください。

ニコニコ動画様(以下ニコ動): 『ニコニコ動画』のプレミアム会員になる方法は3種類あります。

・各種クレジットカードでの月額課金(30日分で税込525円)
・ドコモ、Softbank、auケータイでの月額課金(1ヶ月分で税込525円)
・WebMoneyを使ったチケット課金(90日分で税込み1680円)

これまでのドコモケータイ払いを使ったチケット課金は30日分にすると~560円となり、月額課金に比べて少々割高となっていました。『ニコモバ』はドコモ、Softbank、auの3キャリアともキャリア認定のケータイ公式サイトであったわけですが、他の2社が月額課金可能な中、ドコモのみが90日チケットを購入して使用という少々不便な状態が続いていました。それがついに本日より月額課金可能になったことで3キャリアとも525円での月額課金が可能になったわけです。

もちろんドコモケータイ払いだった頃と同様にケータイ電話料金と一緒に支払うことができるため、すごく容易です。90日となると抵抗があった一般ユーザーの方もニワンゴが掲げる「コンビニ弁当一個分で30日間ニコニコ出来ます」に気軽に参加する事ができます。

~生放送の楽しさをケータイで体験してほしい~
ガジェ: なるほど、月額課金のみの公式メニューになったというわけではなく、支払い方法が簡潔で容易になったということだったのですね。次に『ニコモバ』についてお聞きします。今回の機能追加はどのようなものでしょうか?

ニコ動: 『ニコ生モバイル』は6月からテストを初めて7月からスタートしました、現状ではNTTドコモ版でのみのサービスです。これはパソコン版の『ニコニコ生放送』をそのままケータイで閲覧することができるもので、これまでは放送されている映像と、パソコン版でユーザーが打ち込んだコメントを閲覧することのみが可能でした。リアルタイムで映像を携帯用に変換しているため、30~40秒程度のズレはありますがほぼリアルタイムで楽しむ事ができます。

これが、今回の機能追加により携帯から直接コメントができるようになりました。放送に少々のズレがあるためモバイルから投稿されると、パソコン側ではコメントが遅れて見えるのでパソコンから見た場合、それがケータイからの投稿だとわかるようにしました。生放送はコメントが命なので、そのズレすらも楽しんでいただけると期待しています。

ガジェ: いつかできるようになるだろうと期待していましたが、ケータイから直接コメントができるというのはやっぱり嬉しいですね。例えば生放送主(放送を主催しているユーザー)が家にいて、視聴者が外の様子をケータイから書き込む事もできるわけですね。『ニコニコ生放送』といえば主にプレミアム会員向けのサービスという印象がありますが、一般会員向けには提供されていくのでしょうか?

ニコ動: 将来的な事なのでまだハッキリした事は言えないのですが、今プレミアム会員でしかできない機能を一般会員の方にも楽しんで頂けるよう開発を続けています。今回の機能追加では一般会員向けに『お試し生放送』を追加しました。これは一般会員でも1日3分間だけ生放送を見る事ができる機能です。公式生放送、チャンネルの『ニコニコ生放送』、ユーザーの『ニコニコ生放送』と、変換済みの動画を3分間だけ”チラ見”することができます。コメントをする事はできませんが、『ニコニコ生放送』の楽しさをケータイでも体験していただければ幸いです。

~12時間連続『ニコニコ生放送』はケータイ視聴者多数~
ガジェ: ザッピングして別の番組を見る事もできるのでしょうか?

ニコ動: 可能です。何番組でも合計で3分間見る事ができます。放送を開いたときだけタイマーが表示されますので確認も容易です。

ガジェ: なるほど、それはとても親切ですね。そもそもどうして携帯でも『ニコニコ生放送』を見られるようになったのでしょうか?

ニコ動: 『ニコニコ動画』をパソコンで楽しむ人も、ケータイで楽しむ人も、その両方で楽しむ人もプレミアムの課金価格は一緒なんですよね。それなら『ニコモバ』でもパソコンに合わせた機能を増やしていきたいと思うんです。『ニコ生モバイル』もその流れで開発スタートしました。公式生放送のケータイでの視聴数も増え、6月10日に行われたGACKTさんの生放送や7月22日の日食生放送、そして7月30日の12時間生放送では大変多くの方にケータイからもご覧いただけました。今後もできるだけパソコンに近い機能を増やしていきたいですね。

~~
ガジェ: 日食生放送なんてまさに外で自分の頭上の太陽を見つつ、ケータイで生放送をチェックできてしまうわけですもんね。12時間生放送についても、なかなか12時間ずっとパソコンの前にいるわけにはいかないですが、ケータイなら法に触れたり周りの迷惑にならない限りはいつでも見る事ができます。これはすごく嬉しいですね。ただ、リアルタイムで変換していたり視聴者数が多いとなると、ケータイのスペックも最新の物が必要なのではないかと心配してしまうのですが・・・

ニコ動: 開発は『ニコモバ』が発表している基準ケータイに合わせる事が前提ですので、今『ニコモバ』で発表しているケータイならばほぼ全て視聴することが可能です。今後も開発を続けて、ケータイでの閲覧もさらにスムーズに行えるようにしていきます。

ガジェ: 『ニコ生モバイル(仮)』は今のところドコモのみのサービスとなっていますが、他社携帯でのサービスも考えているのでしょうか?

ニコ動: ドコモでの開発に合わせて現在鋭意開発準備中です。キャリアによっては1回のアプリ起動につき動画が数分間しか扱えない仕様があり、そこへの対応は『ニコ生モバイル(仮)』だけではなく『ニコモバ』全体の課題となっています。『ニコニコ生放送』も基本的には30分間行われるものなので、数分間経ったらアプリを終了させては再開し、その放送を改めて開くという面倒な作業が必要になります。これはキャリア側の対応により、今後広げていければと考えています。

ガジェ: なるほど、まずは対応しているドコモから開発を進めていくということですね。今後『ニコモバ』から直接『ニコニコ生放送』配信ができる、みたいなことは考えていますでしょうか?

ニコ動: 配信する側の帯域などデータ量の問題があったり受け取り側のシステムも研究が必要だったりと、結構大変な作業になりますが、ケータイから直接生放送ができることもサービスとして展開できないか検討中です。これができれば色々なことが広がっていくとは思います。

ガジェ: そうですね、ガジェット通信も時々やっていますが、外出先から生放送をするのに今はノートパソコンなどが必要で、ネットブックを使った生放送をしているユーザーもいます。これがケータイから片手で生放送ができるようになると『ニコニコ生放送』全体がさらに大きく変化していくのではないかと思いますね。配信方法が増え、新しい放送を見る事ができるようになるのを楽しみにしています。

ニコ動: さらに使いやすくなり、楽しめる機能が追加された『ニコモバ』と『ニコ生モバイル』を今後もよろしくお願いします。

今回は本日8月3日からスタートした『ニコ生モバイル』の新機能についてお聞かせ頂きました。ニワンゴ様へのインタビューはさらに続きます。次回は今後の『ニコ生モバイル』の展望をお聞きしたいと思います。

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