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タバコは吸った方が良いか、禁煙運動かのトリック(解説編)

武田邦彦(中部大学)

今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

タバコは吸った方が良いか、禁煙運動かのトリック(解説編)

タバコについて書くのも長い旅になりましたが、なにか終着駅がみえてきたような気もします *1。というのは“タバコを吸うと肺がんになりにくい”という統計的データと、“肺がんの原因はタバコ”という臨床医師のデータが矛盾しているように感じられたからです(ここで言う肺がんとは喉頭ガンなどの関連のガンも若干含みます)。

*1:「まとめシリーズ」
http://takedanet.com/cat5408026/

このように科学の世界で、相反するデータがある場合、自分の価値観などでどちらが正しいかを決めることはできません。あくまでも、事実→解析→意見→感情、と進まなければならないからです。タバコの煙が嫌いでも、自分がタバコを吸わなくても、感情→事実、と進むのは魔女狩りと同じだからです。

タバコは肺がん以外に、脳疾患、心臓疾患の原因にもなるので、よくお考えのうえ、お読みください。この記事はタバコと肺がんに絞っています。

* * * * *

【わかってきたこと】おおざっぱにまずは事実をつかむ(およそ1990年ぐらいの男性に焦点を当てる)
1) タバコを吸う人は3000万人を超えるが、健康な人の調査はほとんどない。
2) 臨床医師の印象は病院に訪れる肺がんの患者のものである。
3) タバコを吸う3000万人に対して、肺がん死の数は5万人にも満たず(1990年)、その結果、肺がんではタバコを吸う人の0.1%程度の集団を問題にしている。
4) タバコ以外に肺がんの原因は、ディーゼルエンジン排ガス、レントゲン検診、核実験フォールアウトなどがあり、それらは個別には“肺がん発生率”が明らかにされているが、禁煙運動の陰に隠れている。
5) 煙に対する人間の嫌悪感、タバコのにおい、就業時間中に堂々とタバコを吸う人への反感、火災の危険性に対するいらだち、人の顔にタバコの煙を吹きかける人への憎しみ……などの感情が科学的解析を難しくしている。
6) 自分の好き嫌いで他人の行動を制約して良いという文化や、人間は楽しみが要らないという利権が働いている。
7) 禁煙活動で名誉を得たり、利権を取ることができる人がいる。
などです。

どうも、タバコの問題は次のようにまとめられると思います(最終結論ではない)。

1)20世紀の後半、戦争が終わって世界が落ち着いてくると、健康への関心があつまり、その中でWHOの事務局長が特別な人でもあり、またアングロサクソン・北方系の国(アメリカ、イギリス、ノルウェーなど)を中心に肺がんが多かったので、注目を浴びた。

2)肺がんの原因の多くがタバコであることもあり、またアングロサクソン・北方系の人は“煙”に対する文化的嫌悪感が強く(歴史的にはタバコが有色人種の好むものであることが原因している)、“肺がんの原因がタバコ”ということと“タバコを吸うと肺がんになる”という論理的には関係のないことが社会的に結びつけられた。

3)タバコを吸うと肺がんになる可能性は民族(もしくは生活環境や生活様式)によって大きく異なる。一般的に北方の白人に肺がんが多く、ヨーロッパでもフランスを始めラテン系・南方系の民族は肺がんがすくない。黄色人種は煙に強い。

4)“肺がんの原因がタバコ”ということと“タバコを吸うと肺がんになる”ということとは、論理的にまったく関係がないので、この2つが関係しているというためにはもう一つか二つのデータが必要となる。また、“肺がんになる人は必ずタバコを吸っているとしても、それだけでは直ちにタバコが肺がんの原因とは特定できない”。

5) 数字を入れて考えると、“肺がんの原因が100%タバコだけとしても肺がんになる人が1万人で、タバコを吸っている人が1億人であれば、タバコを吸って肺がんになる人は1万人に1人ということになる”、“何かをして1万人に1人が病気や被害を受けるとすると、この社会は行動が難しい”ということになる。
(たとえば、交通事故は1万人に1人ぐらいの確率なので、「外を歩くと交通事故に遭うので、外を歩くのを止めましょう(外出禁止令と禁煙が同じ)」というような奇妙なことになる)

6)現実は、3000万人がタバコを吸い、5万人以下の肺がん死が認められるので、“タバコを吸うと肺がんになる”というのは間違いである。

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