RAM RIDERとラム肉を食べながらインタビューをしてみた!
今年アーティスト活動10周年を迎えるRAM RIDERが、4月11日に2枚のアルバムを同時リリースした。中川翔子、ORANGE RANGE、野宮真貴、MEGなど豪華ボーカリストが参加するフィーチャリングボーカルアルバムと自身がボーカルをとるオリジナルアルバムを発表し、話題となっている。
更に5月からはライブツアーをスタートさせ、日本のエレクトロポップ、ハウスミュージックを盛り上げる。そんなRAM RIDERの魅力を掘り下げるべく、ラム肉を食べながらRAM RIDERにインタビューしてみた。アルバムジャケットの撮影を行った関和亮氏も聞き手として参加し、PC遍歴から、映像へのこだわりまで多くを語ってくれた。
-アルバムリリースおめでとうございます。今回のアルバムは2枚同時リリースとのことですが、そもそものいきさつを聞かせてください。
RAM RIDER(以下、ラム):元々自分のアルバムでは自分で歌っていたんですよ。以前から普通に曲を作ってライブをやってと活動していたのですが、ただ自分のアルバムを出した後の期間って、プロデュースとかリミックスとか、他のアーティストの方の仕事を結構長くやっていました。ありがたいことに、そちらの楽曲もいい評価をいただいていて、今回自分のアルバムを出そうっていうときに、周りの人にフィーチャリングアルバムで、普段プロデュースでやってるようなものを自分のコンセプトで固めて出したほうがいいんじゃないかと言われたんですよ。
個人的には、また自分で歌うアルバムを作りたかったし、プロデュース業は個人のアーティスト活動とは別で切り替えてやってきていたので、どっちにするか自分の中では決めきれなくなってかなり悩んだあげく、もうそれだったら2枚同時にやらせてくださいということで、自分の歌う方とボーカルフィーチャリングのと同時に出させていただくことになりました。
関和亮(以下、関):すごいことですよね。
ラム:嫌なことを我慢していれば、いつか自分のやりたいことができるっていう考え方はちょっと違うなって思っていて、あとやりたいことだけを貫くっていうのも、今の時代にはちょっと合わないなって。それだったら、自分のやりたいことと、まわりの要求することを両方いっぺんに、ダーッっとやっていくしかもうないんじゃないかなって思って。
実際それがやりたくなかったわけではないんで、両方楽しみながら作りました。
関:すんなりと2枚同時リリースが決まっていったわけですね。
ラム:そうですね。2枚同時にだからこそやりましょうと言ってもらえて。そこで僕もスイッチ入って、せっかくなら僕がホント好きな人に参加してもらいたいと、割と無茶なボーカル参加者の希望リストを出したんですね。この人達が参加してくれなきゃ嫌だ! くらいの勢いで(笑)。
そうしたらですね、スタッフの皆さんが全部交渉して頑張ってくれて、ほとんど全員の方からOKをもらったんですよ!これはもう手は抜けないぞ(笑)ということで、がんばって作りました。
−結構歌入れのディレクションは細かくやりましたか?
ラム:そうですね。今回歌録りも全部自分でやったのでそういう意味ではもう、イメージしたままを直接ディレクションしました。
僕も自分で歌っているので、なかには僕の歌い方を、トレースするように歌って頂いた方もいましたし、野宮真貴さんみたいに野宮さんの歌でお願いしますっていうお任せの人も結構いました。
-こだわりをもった作品作りですね、ここでRAM RIDERさんの音楽遍歴に触れていきたいと思います。元々バンドとかやってたんですか?
ラム:いや、どこまでさかのぼるかによるんですけど、元々音楽に触れたきっかけっていうのは、小学校6年生の時にMSXをお年玉で買って、それはテレビにつなぐパソコンだったんですけど、それで色々ベーシックとかプログラムとかで遊んでるうちに、たまたま、お絵かきのプログラムがあるから、絵を書いてみるみたいな感じで、MMLっていう音楽のプログラムに出会って、そこで打ち込みを始めたのが最初のきっかけですね。その後にギターとかピアノの練習をはじめたわけなんですけど、一番最初はパソコンで打ち込みでした。
-かなり珍しいですよね!
ラム:そうですね、今の子は結構いるかもしれないですけど、僕らの世代ではバンドの全盛期だったんで、みんな楽器といえばギターとかでしたね。それに当時は打ち込みというと、根暗で友達がいないみたいなイメージを持たれてましたね。
でもぼくは、TMネットワークが好きで、ステージの上にコンピューターが乗ってるっていうのがかっこいい! と思って、ショルダーキーボードのビジュアルにやられて、そういう部分に憧れて好きになりました。それでコンピューターで音楽を始めたっていうのもあります。それが最初のキッカケです。
-それではRAM RIDERさんにとっての楽器とも言える、PC遍歴を聞かせてください。
ラム:MSXからエプソンのコンパチ機に移行して、98と88のゲームを色々遊んで高校生でパワーマック7100AVを手に入れて、そこで初めてMacですね。そこからはWindowsと Mac両方使いですね。
関:高校生でMacintoshってすごいですね。7100って白い筐体のやつですね。
-常にPCで曲作りをしてきたんですか?
ラム:はい、そうですね。いっぱいやりましたね。リミックスも。
-好きな音楽の遍歴をお聞かせください。
ラム:電気グルーブから入って、そこから電気の周りのナゴムレコードの人たちとか、イカ天や、JUN SKY WALKER(S)、GO-BANG’Sとかそういう色んな日本のバンドを聴いて、で、その電気グルーヴのオールナイトニッポンで卓球さんが色々テクノかけてた頃に、ドイツとかのレコード買うようになって、そっからは結構ドンドン広がっていくんですけど、中学三年生とか、高校一年生の時には渋谷系にハマってフリッパーズギターとか、スチャダラパー、コーネリアスとか聞きながら一方で普通のオリコンの上位に入る音楽も聴いてるみたいな状況でしたね。
-洋楽とかは?
ラム:洋楽も一杯聞いてるけど、何から入ったんだろうな、関さんは洋楽って何から入ったんですか?
関:僕マイケルジャクソンとニルヴァーナですね。
ラム:あー!!マイケルジャクソン!!僕もすごいハマリましたね。”Bad Japan Tour 1987″の後楽園球場から全部行ってるんですよ。
関:コンサートを観に行ってたってことですか?
ラム:はい。”HIStory World Tour 1996″まで全部行きましたね。そうだマイケルが一番大事だった。マイケルとTMネットワークですね。やっぱりミュージックビデオもメチャクチャはまりましたし、ライブのツアーのビデオもすごく見てましたね。
-曲作りはずっと続けていて、ライブとかはやってたんですか?
ラム:そうですね、DJをはじめた90年代後半ってテクノとかってなんとなくツマミをいじってるみたいなライブが多かったんで、パフォーマンスも皆まだ確立してなくて、なんとなく何やってるかわかんないけどツマミをウネウネやってるっていうので、みんなプロの方からアマチュアの方までそういう感じだったので、しばらく何やったらいいかわからなかったんですけど、他の人とは違うパフォーマンスを考えたら、僕は自分で歌おうっていうのに切り替わったんですよ。
完全に僕はパフォーマンス重視に走っているので、自分で歌って衣装も有機ELワイヤーとか特殊なものを使って、VJも、その日その場にいた人になんとなく合わせてもらうんじゃなくて、もうVJもメンバーに入れてっていうスタイルを90年代の終わりくらいに作りましたね。全然まだまだ考えていかなきゃですけど。
関:やってることがすごい早いですよね、ホントに。昔でいうとこのNinja Tuneみたいな。
ラム:Ninja Tuneもめっちゃハマりました。CDにVJツールみたいなんも入ってて、結構影響うけましたね。
関:なんかやってることがVJ、映像と音楽みたいなことを割と早いうちからやってましたよね。
ラム:最初に始めたのが自分のトラックの上でツマミいじってるんじゃツマンないから、外国人のラップをサンプリングしてきて、のせるんですけど、それをどうにかその映像でしゃべってるように見せたいってアイデアが出て、それ面白いんじゃないってとこから考えてやってましたね。
関:かなり、今はツールがそろってるけど、当時はそれどうやったらいいんだろうって感じですよね。
ラム:どこどこのVJソフトが音と映像一緒に出せるらしいって買ってくるんですけど、やっぱどうしても遅れる、色々調べて見てると、映像はちょっと遅れても気にならないけど、音が合ってないとダメだから音はサンプラーから出して、映像は最初の頭を少し切っておいて、遅れるのに合わせればいけるんじゃないかとか、なんかそういう細かいことをやってましたね。
スポーツ選手がクラップしてる絵を合わせて出すんですけど、どうやっても合わないから、映像のスタートポイントをここにして、再生すると合うんじゃないかとか、そういうことを延々やってました。なんとなくわかります?
関:わかりますよ。プロとやってること一緒ですよね。
当時それはなかなか個人ではできることじゃなくて、やっぱりコンサートとか、大きい舞台でやっている事を個人レベルでやってたとか、すごいですね。
ラム:今一緒に活動してるVJもその頃から一緒にやってる友達なんですけど、ほんと悔しくてしょうがなかったんですよ、お金さえあれば機材さえあればできるのにと思って。そこの越えられないものはもうアイデアで勝負するしかない。でもアンダワールドが出たときにはもう、ド肝をぬかれるわけですよ。ホントに。なんだこれはって。
-映像は自身にとって重要なポイントなんですね。
ラム:そうですね、映像は僕にとって相当重要なポイントです。
-最後にこのアルバム、どういった人たちに聴いて欲しいですか?
ラム:クラブとかにまだこれない未成年とか若い人たちに聴いてもらいたいですね。
普段僕が接している、20〜30代の男性女性でクラブ来る人は、正直現場っていうかクラブに来て聴いてくれれば別にいいので、子供達に聴いてほしいです。
以前、子供のいる女性から、僕の曲をかけながら日曜日掃除してたら、子供が踊ってて、すごく掃除がはかどるっていうメールいただいて、それがものすごく僕は嬉しかったんですよ。元々前の作品から、週末の夜しかイメージできない楽曲はやめようとしていて、平日通勤で聴けるとか、休みの日にちょっと家でも踊れるようなものを、意識してそういう人たちのために曲を作っていければいいなって思っています。
-ありがとうございました!
【6月】
・2日(土)AUDIO GALAXY
会場 / 渋谷 clubasia
開演 / 23:00
・16日
会場 / 北海道alife
周二郎だよ! フリーランスのカメラマン 様々な人生に出会い撮り続けています。 写真の撮影依頼承ります。 instagram: https://www.instagram.com/shu_ut/
ウェブサイト: http://unrealtribe.com
TwitterID: shu_UT
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。