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婚約者の秘密!あなたは“彼女の過去” どこまで許せますか?

どうもどうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行でっす!

商売柄、都市伝説にも似たようなお話をよく聞くことがあります。今回は、そんな中でも、「自分ならどうするだろう……」というような、思わず頭を抱えてしまうようなお話です。

動画などが世間に氾濫しているネット社会の今、あなたも彼のような経験をして、人には言えない悩みを抱え込んでしまうかもしれません。あってもおかしな話ではないのです。

前置きが長くなってしまいました。それでは、苦悩する男の話をお聞きください。どうぞ。

愛する恋人と結婚を考える

リポート/三谷定彰(仮名・30歳・商社勤務)

ごく普通に2流大学を卒業し、ごく普通に食品卸の会社に就職したオレ。

彼女の1人でもできずにただ過ぎるだけだった社会人数年目の春。万年女日照りのオレを見かねて、悪友はコンパ開いてくれた。

小洒落たダイニングバーで出逢ったのは、誰もが一番狙いに的を絞る結衣(仮名・26才)だった。

コンパが進むにつれ、いい雰囲気になっていくオレと4つ下の結衣。友人たちも遠慮してくれたのか、邪魔も入らずに、2人っきりで別の店で飲み直し。それから、3度目のデートで彼女と付き合うことになった。

正直惚れていた、惚れまくっていた。彼女のおしとやかな振る舞いや吸い込まれるような笑顔。これ以上いないいい女だった。

運命の彼女に出逢うことができたオレは、交際も順調に進めた。そろそろ適齢期も過ぎた頃、いつしか結婚の話までお互いにするようになる。

中古DVDワゴンに愛する彼女の顔が……

しかし、歯車が狂ったのは、偶然通りがかったセルDVD屋に立ち寄ったときだった。

会社帰り、何の気なしに飛び込んだ店には今どきのキャバ嬢っぽい女優たちの巨乳がパッケージを飾る棚。そいつを尻目に、オレは一昔前の中古DVDのワゴンセールを物色しはじめた。

古めかしいルーズソックスと黒ギャル女が溢れるワゴンの中を引っ掻き回していると、どこかで見かけた顔。はて、AV女優に似た女友達などいないはず…。

女優の名前は、“〇村○お”。タイトルは、企画モノで『制服だけ放課後編』という女子校生もののAVだった。これって結衣に似てないか? というよりも激似じゃないか。

他人の空似と思いながら、なんとなく気になったオレはそのDVDを買って帰り、家路に着いた。

即パッケージをはがしてプレイヤーにDVDを突っ込む。再生。女優の顔を凝視して確認するも、なんとそこに映っていたのは、自分が誰よりも愛している彼女の姿だった。監督との会話、男優との会話、普通に話している声は間違いなく彼女のもの。

見たこともない姿がそこに……

そして、彼女の服に男たちの手が伸びる。恥ずかしそうに胸を隠す姿から、脚を開かれ、責められる。

さらに、彼女は男優にベッドへ連れていかれ、くんずほぐれつのプレイをはじめる。胸の大きさも、紛れもなく結衣のものだった。でも、信じたくない気持ちがどうしても納得しない。そうだ、太ももの下辺りに小さなキズがあるはず。何度も何度も、巻き戻しては再生して、確認した。

答えはやはりクロ。見覚えのある位置にブランコから落ちて付いた一生キズを見つけてオレは落胆した。マ、マジかよぉ…。

ネットでも検索してみる。

無料の動画サイトでアップされているだけでも出るわ出るわ。コスプレ、若妻、ギャルもの、なんとマジックミラーが付いたトラックにまで乗り込んでいやがる。出演作は多数じゃないか。

と、と、とりあえず、ど、どうにか落ち着こう……。震える手でビールを呷るとすぐ傍のテレビ画面では、気持ちよさそうに顔をゆがめる愛する彼女が微笑んでいた。

実物よりも彼女のDVDがいい

それからというもの、デートで彼女と会っても、なんだかギクシャクしていた。

「ねぇ、なんか怒ってるの?」
「べ、別に…」

過去のこととはわかっていながら、口元を見るたびに男優とキスしていた光景が……胸元を見れば汚されるシーンが目に浮かぶ。なぜ、あんな仕事をしていたのか。確かに結衣の両親とは会ったこともないし、話が出たことすらない。

複雑な境遇なのだろうか。どんなことを訊こうとしても、結局はAV出演のことに結びついてしまうのでダメだ。それに、これ以上想定外な今までの生き様など聞かされた場合、器が“お猪口ほどの極小”であるオレがドン引きしてしまう可能性もある。

しかもオレとの営みといえば、DVDのような激しいものではなく、オーソドックスなおとなしめのもの

自宅といえば、買い集めた彼女の“〇村○お”名義のDVDやネットで落とした動画が積みあげてある。ちょこっと出演した企画モノに至るまですべて集めた。お気に入りの結衣はやはり単体ものの主演作だ。

「こ、これはエグい!!」と心の中は哀しいというのに、観れば観るほど興奮する。仕事から帰れば、彼女の出演作を眺める日々だった。

真相を確かめようとした

「定彰、ちょっとコレってなに?」
「ダメ! ダメダメ!!」
「どうせ、エッチなDVDでしょ! 私がいるのに!」

彼女が自宅に泊まりにきたときなどは積み上げた作品群の存在がバレそうになる始末。もう、彼女との営みに心底興奮することはなくなっていた。

そろそろ、問いただすべきか、そっとしておくべきか、結論を出すことだろう。それに“結婚”という人生の大切な選択を迫られている時期に起こった一大事だ。事実を認めさせて、付き合ったままか、別れるのか…。

まず、本人に確認しようかとも思うが正直怖い。真剣に付き合っている彼女にだけに、過去も身辺もキレイな存在であってほしいと願いから、事実を知るもの怖い。

元AV女優に、小心者のオレは人生を託すことはできない。よし、理由があろうと何人もの男に抱かれた女を許すわけにはいかん。しかも、父上はお堅い仕事だったはず。

でも、きっと派手な生活をしていたはずだし、きっと男優とも付き合っていたり、変態的なプレイは日常茶飯事だったはずだ。絶対に別れるとオレは決心した。

言う。今日こそ言う。今日こそは、AV出演の話をしよう。

意外な告白?

そう考えていると、彼女は神妙な顔つきになって「大切な話がある」と言い出しはじめた。ついに結衣の方から告白してくれるようだ。安心しきったオレは彼女の話に耳を傾けた。

「ワタシね、赤ちゃんができたから……。しかも双子だよ。すごく幸せ……」

へ、へへぇ? 意外な告白。え、このタイミングで?!

「どうしようか、結婚式場のこと。お父さん、自衛官だから、デキ婚だと怒られるかもね」
「う、うん……」

卒倒しそうになるオレ。ふ、双子。オレの下半身のスペックってそんなに強かったっけ?
一体これからどうすればいいというんだろうか。

みなさん、愛する彼女がAV出演していたなんて許せますか?

―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: 丸野裕行) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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