[真剣に作ってる]伝統工芸の職人が作った「初音ミク」のお雛様がなんかスゴイ
木目込み人形発祥の地、上賀茂神社から唯一の正統伝統者として認定を受け、270年受け継がれてきた伝統工芸品である木目込み雛人形を制作している、東京・上野の真多呂人形が「初音ミク」をモデルにした雛人形を制作。
熟練の職人たちが試行錯誤を重ね、伝統工芸とポップカルチャーが融合した、明るく躍動感がありながらも独自性あふれる「初音ミク雛」(非売品)を作り上げたそうなのですが……。
緑色のツインテールの髪型は、遠目から見れば初音ミク。でもこれが初音ミクかと言われると、初音ミクなのか……?
これ、ちゃんとクリプトン・フューチャー・メディア監修してます。
ミクらしさの表現
初音ミクの躍動感のあるダンスをイメージした立ち姿、ツインテールの髪型とエメラルドグリーンの髪色、初音ミクをイメージした十二単の色合わせ。
本来の雛人形は時代考証を踏まえ意匠を決定するものですが 「初音ミク雛」は伝統的な意匠の中に、初音ミクらしさを随所に取り入れ表現をしているのだそう。
伝統的なお雛様の顔になったミクさん「3分間見つめてください」
そんな磨き上げられた伝統技法で制作した「初音ミク雛」。
「プロジェクト開始当初、頭部はフィギュアで作成し、木目込み人形のボディにしつらえるという計画もありました。しかし、クリプトン・フューチャー・メディアとの打ち合わせを重ね、最終的に真多呂らしい伝統的な木目込み人形をベースに初音ミクを表現することとなりました。
初音ミクをよくご存じの方は、 イラストやフィギュアとは異なるお顔に一瞬たじろいでしまうかもせれません。それこそ、まさに今回のミクの狙いでした」
「これミクさんなの!?」と、みんなが戸惑うことも狙いだったのか! でも福々しい表情はしてらっしゃいますね。
「まずは、3分間見つめてください。長い時間をかけて研究・洗練されてきた伝統工芸品の表情には、 眺めれば眺めるほど引きこまれる、 不思議な趣深さがあることに気づくはずです」とのこと。
見つめていれば、何かミクさんの想いを感じ取れる……?
ちなみに、お雛様なのに男雛がいないことについては、「価値観が変わり幸福のカタチが多様化した今、 真多呂人形は『女雛のみの雛人形があっても良いのではないか』と考えました。現代芸能のアイコンとも言える初音ミクを表現した雛人形は、あえて男雛をおかないことで、自立した女性が夢を叶える姿を象徴したともいえます」と説明。
「初音ミク雛」は非売品ですが、3月9日までの期間限定で、真多呂人形会館(東京都台東区上野5-15-13)にて展示を行っています。
真多呂人形は、大正8年創立。
270年受け継がれてきた伝統工芸品である木目込み雛人形・五月人形などを制作しております。
木目込人形とは、今から約270年前の江戸元文年間に京都の上賀茂神社に仕えていた高橋忠重という人が、神具の柳筥をつくった余材で、木彫の人形を作り、表面に溝を彫って、神官の衣束の端裂を木目込んだのが、その始まりと言われています。桐塑でつくられた人形に、ひとつひとつ手作業で衣裳や模様の筋彫りを入れ、そこに目打ちなどで布地を入れ込んで(木目込み)着せ付けいく、大変手の込んだ人形です。
真多呂は、上賀茂神社から木目込み人形の正統伝承者として唯一認定を受けています。
真多呂人形(江戸木目込人形)は昭和53年に、伝統工芸品に認定されました。
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