ブロックチェーンを活用した処方箋管理ソリューション「ScalaMed」
医師で起業家のTal Rapke(タル・ラプケ)氏を中心に、豪シドニーで開発がすすめられている。
・ブロックチェーンにより処方箋をセキュアに保持し、第三者を介さず共有できる
「ScalaMed」は、一連の履歴を暗号化し、多数の場所で同じデータベースを分散して管理するというブロックチェーンの特性を生かして、患者自身が処方箋や受療歴をセキュアに保持し、第三者を介さず、医師や薬剤師にこれらを共有できるのが特徴。患者は、専用スマホアプリを介して、処方箋の保存や閲覧、共有ができるほか、医師が発行する処方箋を直接受信したり、調剤薬局に処方箋を送信して薬を購入することができる。
一方、医師は、永続的に保持される患者の受療歴にアクセスできることで、処方管理の効率化につながるほか、薬の副作用の要因となる重複投薬や薬物相互作用を未然に防ぐことが可能。
また、薬剤師とっても、アレルギーの有無や担当医師からの特記事項など、患者の受療歴を閲覧することで、服薬指導などに生かすといった利点がある。
「ScalaMed」は、2017年12月に実施予定のパイロットプログラムを経て、2018年からグローバル規模で展開される予定だ。
・患者を中心とする適切なヘルスケアを推進
2010年6月に公開されたプライスウォーターハウスクーパース(PwC)のレポートによると、オーストラリアでは、専門家の指示に従って服薬していない患者の割合が約50%にのぼり、これによって、6億6000万豪ドル(約554億4000万円)規模の医療費がかかっているという。
「ScalaMed」は、患者を中心に医師や薬剤師をつなぎ、患者それぞれに適切な健康管理をサポートしている点が秀逸だ。(文 松岡由希子)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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