【Interview】思い出をアナログレコードに残して!オンラインレコード作成サービス「CUT&REC」に大接近

今、アナログレコードがちょっとしたブームになっている。大手レーベルが再生産に着手したり、有名アーティストの名盤が再販されるなど、消費者のみならず、業界全体が盛り上がっているようだ。ストリーミングによって、手軽な音楽視聴に慣れ親しんだ若い世代の興味が、自分の手元に“財産”として残せるレコードへと、移行していることも大きいだろう。

そうした動きに対応したITサービスも、ちらほら登場している。先月リリースされた「CUT&REC」も、その1つ。世界でただ1つのオリジナルレコードを、オーダーメイドできるオンラインサービスで、音源のデータさえあれば簡単に注文できるシステムだ。これまで試験運用してきたが、この度満を持して、正式にウェブでのサービスを開始した。

運営元は、合同会社サウンドロープ。創業者で代表社員の諸富 栄治(もろとみ えいじ)氏が、取材に応じてくれた。(写真:向かって左が諸冨氏、右が共同創業者の橋本氏)

・アナログレコードが持つモノとしての価値を再発見

Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。

日常的に、ストリーミングで音楽を聞くようになったと同時に、どこか物足りなさを感じていました。そんな折、久々にレコード屋を訪れ、アナログレコードが持つモノとしての価値に気付いたのです。そこから、「想い出をレコードに記録(Record)する」体験を提供する、ジャケット付きレコードのオーダーメイドサービスを、考えるようになりました。

(サービス構築にあたって)1枚ずつレコードを作るダブプレートマシンを購入し、市販レコードの音質まで、クオリティを高めました。ジャケットやレーベルの製造と、オンラインシステムに関しては、独自開発を行い、3年の月日を経て実現しました。

Q2:どのような工程を経て、アナログレコードができあがるのでしょうか。

まず、「CUT&REC」のウェブサイトから、デスクトップ環境で、ご自身の音源や画像をアップロードし、レコードをデザインしていただきます。レコードの完成イメージは、3Dプレビューで、確認できるようになっています。問題なければ、入稿・注文します。

その後、弊社で入稿データを確認し、注文内容に応じてジャケットとレコードを1枚ずつ製作します。レコードの発送準備ができ次第、お客さまのもとへお届けします。

・渋谷で出張イベントも開催

Q3:オンラインとはいえ、ほぼオーダーメイドに近く、アナログ作業の要素が、かなり含まれているサービスかと思われます。作業過程で一番大変なのは、どんなところでしょうか。

最も大変な工程は、アナログレコードの製作作業となります。CDとは異なり、レコード製作における音源確認とカッティング作業は、少なくとも音源の長さの2倍以上の時間がかかります。

ある一定の音域が、過大入力された音源がある場合、カッティングを失敗してしまう可能性もあります。失敗したときは、最初からやり直しとなります。非常に繊細で、神経を使う作業です。

Q4:正式リリース以降の展開について、教えてください。

ウェブサービスに関しては、来年早々にはグローバライズして海外展開を行う予定です。その際、再生確認機能と、デザイン機能のアップデートを行います。

この他、直接音響エンジニアと相談して、ご自身の音源が目の前でアナログレコードになる様子を見られる、出張イベントも開催します。開催日は、11月26日。場所は渋谷のダイニングカフェ「Reseau(レゾー)」で、10名完全予約制となります。

オーダーは、1枚からOK。ジャケット付きアナログレコードや、画像を全面にプリントできるピクチャー盤など、幅広く対応している。家族や友人との思い出作り、記念日のメッセージ盤など、用途もさまざま。最高の1枚を、作ってみてはいかがだろうか。(取材・文 乾 雅美)

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Techable

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