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映画『こどもつかい』清水崇監督インタビュー 「大人をおちょくる“こどもつかい”のキャラクターは僕自身まんまなんです」

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言わずと知れたJホラーの傑作『呪怨』シリーズの清水崇監督がおくる最新ホラー『こどもつかい』が6/17よりいよいよ公開となります。

子どもが失踪した3日後に、その子に怨まれていた大人が子どもの歌う“謎の歌”を聴き、無残な死を遂げるという連続不審死事件を描く今作。事件を追う新聞記者・駿也をHey!Say!JUMPの有岡大貴、子どもから怨みを買ったことで事件に巻き込まれてしまう駿也の恋人・尚美を門脇麦が演じます。そして、今作のキーキャラクターでもある、子供の霊をあやつる謎の男“こどもつかい”を映画初主演となる滝沢秀明が演じることでも話題となりました。

長編映画の監督作として久しぶりにJホラーに回帰し、ホラーファンにとっても待望の作品となった『こどもつかい』について、清水崇監督ご本人にお話を伺いました。

――大人が子どもに殺される映画というと『ザ・チャイルド』や『光る眼』を思い起こしますが、今作のヒントは意外にも『ロスト・チルドレン』(1995/ジャン=ピエール・ジュネ監督作)だったと聞きました。

清水:ジュネ監督の作品が好きなんです。『アメリ』もそうだけど、『ロスト・チルドレン』や『デリカテッセン』のような、可愛いだけでは済まない、“可愛いけど怖い”、男にとっては「女性」でもあるし〝魅かれてしまうからこそ怪しい〟という世界観ですね。すべては表裏一体なんです。今作はホラーとは言いつつもファンタジックな要素もある。毎回、自分の中で“人魚姫”とか“アリス”とか、裏テーマを決めているんです。今回の滝沢さん演じるこどもつかいは“ハーメルンの笛吹き男”ですね。そういった裏のモチーフも感じてもらえれば。

――以前『ホラー通信』のインタビューで、「子どもって何を考えてるか分からないところが怖い」とおっしゃっていて。これもまさしく“可愛いけど怖い”ですよね。

清水:そうですね。世の中の人はみんな子ども時代を経てきてるわけだから、同じ目線に立ってあげたり、気持ちを汲んであげたりってことができるはずなのに、大人になるといつの間にかその目線を失っている。そして、自分もかつては子どもだったはずなのに、「子ども苦手~」とか言っちゃう大人もいる。なんだかそういう、同じ人間なのに不思議なポジションにいますよね。そしてすごく純粋無垢で、「どうしてお星様は手に取れないの?」「どうして月は僕を追いかけてくるの?」みたいな、大人はもう忘れている感受性を持っている。そういうところがたまらなく好きなんですよね。

――“こどもつかい”は結構ぶっ飛んだキャラクターになりましたね。滝沢さんもかなりノリノリで演じてらっしゃるように見えました。ちょっと暴走してしまったり、人をおちょくっている感じというか。

清水:実は本編に入ってない部分でもっとぶっ飛んだシーンがいっぱいあります(笑)。滝沢さんとは話していたんですけど、実はこどもつかいのあの感じって監督の僕自身まんまなんです。大人をおちょくってみたり、俯瞰した顔して全部分かってるようなプライドかざしてみたり。でも、本当は寂しがりやで恥ずかしがりな感じ。そういう要素を、大人の外見をしたキャラクターに委ねたのは初めてなんです。そこが今回は新しい挑戦ではありました。

で、こどもつかいのキャラクターについては滝沢さんとしか話していなかったんだけど、今日分かったんですが門脇麦ちゃんにもバレてたみたいで、「こどもつかいって、監督ですよね?」って。「わ! 恥ずかしい!」と(笑)。

こどもつかいもそうですが、子どもに不意に怨まれてしまう尚美だったり、まだ大人になりきれなかったけれど恋人を守るためにしっかりしていく駿也だったり、中高年の方が見たときにもどこか自分に思い当たるフシがあるような、そんな映画に出来ればと思って臨んでいます。

――今回の『こどもつかい』は、出演者に惹かれて観に行く人と、清水監督に惹かれて観に行く人と結構層が別れそうだなと思いますが、そのあたりは意識されましたか。

清水:出演者、監督の知名度なんかは、どっちも一歩外へ出れば、また映画史的に見れば、観てくれる方にはどうでもいい事で、映画そのものが勝負なので。やはり基本的に“ホラーは怖くなくちゃ”というのは前提にあるんですけど、ホラーが苦手だったり、若い人向けと思い込んでいる方にも何か感じ入ってもらえたり…は意識してます。でも、もちろん見てもらえて何ぼ?なので、好きな俳優さんを見たいという人にも観てもらって、ホラーへの抵抗感を払拭して楽しんでもらえるといいなと思ってますね。そしていつも、何かしら“おみやげ”を持ち帰ってもらえるといいなと。それは『呪怨』を観たあとに帰宅してから“後を引く怖さ”でもいいし、今回だったら親御さんが子どもへの接し方が変わったり、見方が変わったり、人それぞれにそういう何かしらの“おみやげ”を持ち帰ってもらえたらと。

――おみやげというと、私は今作では子どもの歌う歌がすごく印象に残っていて。本編を観てから時間が経っても、完全にソラで歌えるくらい詩もメロディも頭に残りました。

清水:それは狙い通りなので嬉しいですね! あの歌は僕自身のトラウマ映画『鬼畜』(1978/野村芳太郎監督・松本清張原作)から受けた印象なども参考にしているのですが……イメージから具体にするのがかなり大変でした。音楽を担当した羽深由理さんに脈絡のないような手書きの歌詞を渡して、色々リクエストをしながら作っていって。懐かしい感じも出したいし、どこかで聞いたような、こういう童謡があったような気にさせるものを作りたくて。この映画を観てくれた大人も子どもも、帰って鼻歌で歌ってゾッとなってほしいです(笑)。

映画『こどもつかい』は6/17より公開。子どもの心を忘れつつあるあなたも、大人になりきれないあなたも、是非スクリーンでお楽しみください。ただし、お子さんが“あの歌”を歌いだしたら要注意ですよ……。

『こどもつかい』
公式サイト:http://kodomo-tsukai.jp/

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記者:

デザイナーと記者の二足のわらじ。ふだんはホラー通信(http://horror2.jp/)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。好きなバンドはビートルズ、好きな食べ物はラーメンと角煮、好きな怪人はガマボイラーです。

TwitterID: _reinus

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