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不便は手間だが役に立つ!? いま話題の『不便益』って知ってる?

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『不便益(ふべんえき)』を存知ですか? テレビの情報番組でも取り上げられている、いま話題のキーワードです。

『不便益』とは、現代社会のものさしからは「不便」と思われがちなことに、「益」を見出す発想のこと。どんどん便利に、効率化していく世の中にあって、敢えて「不便」な方を選ぶことで、新たな「益」を見つけようという考え方に注目が集まっています。

そんな注目を集める『不便益』ですが、具体的にはどういったものを差すのでしょうか。いくつか事例をご紹介します。

詳細なルートを提供しない観光ナビ
立命館大学の研究室が提供している、敢えて詳細なルートを提供しない観光ナビがあります。ルートもぼやっとしていて、通常の観光ナビに比べて不便なものです。けれども不便であることで利用者はいつもより周囲の情報に気を配るようになります。新たな道や店を見つけたり、地元の人に道を尋ねたりと、ナビにしたがって歩くだけでは得られない体験をすることができます。

園庭がデコボコで転びやすい幼稚園
都内にある幼稚園では、園内の施設に敢えて「不便」な部分を取り入れています。園内のドアはすべて引き戸で、さらに最後に力を入れなければきちんと閉まらない設計です。園児はどうしたらきちんと閉まるかを、ドアの開閉を繰り返すことで学んでいきます。また、芝生の中庭はでこぼこにしていて、転びやすくなっています。園児は転んで痛い思いをしたことで、次はどうすれば転ばないかを自分で学習していくのです。不便な面を子どもの体験や自らの行動と思考の成長につなげている例です。

段差(バリア)があるデイケアセンター
身体能力が低下した高齢者が快適に暮らせるよう、今では当たり前に導入されているバリアフリー。とあるデイサービスセンターでは、このバリアを敢えて取り入れています。段差や障害があることで、高齢者は不便ながらも日常的に体を動かすことになります。この運動が結果として、身体能力のさらなる低下を抑止することにつながっているのです。

なぜいま『不便益』?

なぜいま「不便」が注目されているのでしょうか。ひとつは世の中すべてが便利になりすぎて、逆に窮屈に感じてしまうからではないでしょうか。何でも自動化されてしまうと、便利な半面、自分の能力が低下してしまったり、自分でやることの楽しみが奪われたりすることもあります。便利なのは楽だけれど、本当にこれでいいのかと感じる人が増えたことが、「不便益」への関心を高めているのかもしれません。

『不便益』をまとめた書籍も発売

2017年3月16日に、『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか? ~不便益という発想(しごとのわ)』という書籍が発売されました。著者はこの不便益を研究する第一人者である京都大学デザイン学ユニット教授の川上浩司氏。『不便益』を取り入れた事例がいくつも紹介されています。

ちなみにこの書籍のタイトルも「長くて」「覚えにくくて」「読みづらい」タイトルです。けれどもそのことで数ある書籍の中から目に留まる可能性があります。これも立派な『不便益』。あなたもいつもと違う「不便」な方を選んで、新たな「益」を探してみてはいかがですか?

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不便益という発想~ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、 不便をとり入れてみてはどうですか?』(しごとのわ)
著者:川上浩司
定価:(本体1,500円+税)
ISBN:9784295000921

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