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「ラジオにボカロの波が来た」 TBSラジオ、局の告知に『初音ミク』採用

TBSラジオ&コミュニケーションズ番組プロデューサーの橋本吉史さん

 TBSラジオ開局60周年を記念し、昨年一般公募されたステーションジングル(放送中に流れる短い告知)。その最優秀作に、音声合成ソフト「VOCALOID」の『初音ミク』と『がくっぽいど』を使用した作品が選ばれた。このボーカロイド楽曲は2012年内にTBSラジオで放送予定。民放のAMラジオ局がステーションジングルにボーカロイドを採用し、運用するのは初の試みである。

 「ステーションジングル」とは、テレビやラジオ番組でCMの前後やコーナー開始時に使われる短い歌や音楽などを言い、放送局のブランド要素の一つだ。TBSラジオは2012年、開局60周年となることから昨年ステーションジングルを一般公募し、最終選考に残った8作品の中から神奈川県のhiro’さんの作品を選ばれた。ジングルは、「今までも、これからも、TBSラジオ」というキャッチコピーで、「今までも」のフレーズを『初音ミク』が、「これからも」のフレーズを『がくっぽいど』がそれぞれ歌い、「TBSラジオ」部分を両者が合唱するという構成だ。

 今回、「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」内で行われた最終選考で、審査委員長を務めた橋本吉史さん(TBSラジオ&コミュニケーションズ番組プロデューサー)に、ボーカロイド曲を最優秀作に選んだ理由や、ジングルにかける想いを聞いた。

【ニコニコ動画】『初音ミク』『がくっぽいど』を採用 TBSラジオ開局60周年記念ステーションジングル

■「ラジオまでボーカロイドの波が来た」

――橋本さんは、『初音ミク』などといったボーカロイドソフトはご存知でしたか?

 実際に使ったことはないんですが、世に出てきたくらいから知っていました。「ボーカロイド」というものが出てきて、動画とか音源を投稿する文化が生まれていることについても、数年前から知っていました。去年、『初音ミク』のライブがあって、かなり身近になっているということも感じていました。

――実際、投稿されたジングルを聞いて、どんな感想を持ちましたか?

 聴く前にボーカロイド曲であると教えられたとき、クオリティがあまり高くないんじゃ・・・と思っていたんです。でも聴いてみたら『ミク』だけじゃなくて、『がくっぽいど』のコーラス2つを組み合わせているというのもあって、ちゃんと手間をかけて作っているのわかったし、メロディもちゃんとつけている。内容も60周年というのを意識して、何度も繰り返し使えるジングル機能を果たしていた。その辺り、僕は面白いなと思いましたよね。

――どのような経緯でボーカロイド曲が最優秀作に選ばれたのでしょうか?

 今はコンピューターで簡単に打ち込み音楽が作れるような時代で、(応募作品の中でも)多かったのは、やっぱりコンピューターで打ち込むものなんです。それはそれで面白いバリエーションがいっぱいあって、クオリティも高かったんですけれども、今回の優秀作を選んでいく中では、生音にこだわったものが上がってくると思っていたんですよ。実際、僕がプッシュしたのも生音のものでしたし。ただ、応募作の中に一つだけボーカロイド曲があったんです。

 現在、音楽を作るツールの一つとして、ボーカロイドは認め始められていて、実際、たくさんの曲が生まれています。だからラジオまでこういう波が来たんだな、と感じました。そうした経緯があったので、最終選考に残したところ、番組パーソナリティーの宇多丸さんがボーカロイドのジングルを高く評価してくださったんです。歌詞を含めたアプローチの面白さを評価するというか、新しさとか、今までにない作り方をしたというところで評価しているというのは、僕も大いに納得するところでした。大げさに言えば、このジングルで「俺達は閉塞した時代を救うぞ」という気持ちが出てきたというか。それでhiro’さんのジングルを最優秀作選んだというわけです。

■「時代感」を象徴するジングルに

TBSラジオのロゴ

――ボーカロイド曲が選ばれたことで、ラジオのリスナーからはどのような反応がありましたか?

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