旧皇族の”皇籍復帰”と旧皇族との”養子縁組” 竹田恒泰「両方走らせればいい」

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竹田恒泰氏

 現行の皇室典範には、女性の皇族は、皇族以外の男性と結婚をすると民間人になるという規定がある(第12条「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」)。政府は、これを改正し、女性皇族が結婚した後も皇族に留まることを可能にする「女性宮家(みやけ)」の創設を視野に、2月にも有識者からのヒアリングを始める。

 現在の天皇陛下の孫世代で皇位を継ぐことができるのは秋篠宮家の悠仁親王のみで、将来、悠仁親王が天皇に即位する際には、その他の宮家が断絶してしまうことが問題になっている。2012年1月20日の「ニコ生×Voice」では、「激論!どうなる?!日本の皇室」と題して議論がおこなわれ、自身、旧皇族・竹田家出身である作家の竹田恒泰氏は、女性宮家の創設には反対する一方、戦後にGHQの指令によって皇籍離脱となった”旧皇族の皇籍復帰”と”旧皇族との養子縁組”の2つの解決策を「両方走らせて摸索すればいい」と語った。

■新聞社・通信社の世論調査 6割超が「女性宮家」に賛成

 現在、皇位を継ぐことができる男系男子は、天皇陛下の次の世代には皇太子と秋篠宮文仁親王がいるが、孫の世代では秋篠宮家の悠仁親王のみ。現状のままであれば、悠仁親王が天皇に即位する際には宮家が一つのみになってしまい、皇族の減少防止が課題となっている。

 この解決策の一つとされる「女性宮家」の創設については、来月にも政府が有識者ヒアリングを開始する予定。読売新聞の世論調査(昨年12月)では、この女性宮家の創設について賛成派が64%、時事通信の世論調査(今年1月)では71.5%、共同通信の世論調査(今年1月)でも6割以上が賛成と、いずれも反対派を上回った。これに対し竹田氏は、女性宮家とは「一言で言うと『民間から婿を取る』という話」であると解説。もしも「皇族が民間の男子を婿に取っていいか?」と質問すれば、上記の世論調査は異なる結果となっただろうと指摘した。

■戦後、皇籍離脱になった「旧皇族の活用」

 そこで別の解決策として「旧皇族の活用」も考えられる。竹田氏によると、具体的には(1)旧皇族の皇籍復帰か、(2)現皇族が旧皇族から養子を取ることを認めることが挙げられる。この背景には、戦後の1947年にGHQの方針により、14あった宮家のうち11宮家が皇籍離脱となった歴史があり、竹田氏自身もその旧宮家の子孫だ。竹田氏は皇籍復帰について、政治的発言を繰り返していることなどを理由に自身は「不適切」であると語ったが、他にも数人いるとされる男系の未婚男性を「活用」することで、伝統的な皇位継承を維持することに価値があると説いた。

 これらを実現する手順として、竹田氏は、

「(旧皇族の皇籍)復帰であれば、時限立法でしょう。もちろん皇室典範は、皇族の範囲を規定している条文を変えなくてはいけない。また予算法案を先に通さないといけないので、けっこう面倒」

とする一方で、

「旧皇族から養子を取るのであれば、皇室典範の第9条(養子の禁止規定)に但し書きをつけければいいだけですから、非常に早い。『但し、昭和22年に皇籍を離れた11宮家のうちの男系の男子の中から養子を取ることができる』と。『皇室会議の議を経る』という条件を付けるべきでしょうけど」

と比較的早く実現できる方法にも踏み込み、これら異なる2つを「両方走らせて模索すればいい」と提案した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 「旧皇族の活用」実際の手順部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv77717497?po=news&ref=news#1:17:50

丸山紀一朗

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