ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

移動できる家[前編] 固定もできるトレーラーハウス、750万円~!

DATE:
  • ガジェット通信を≫

気ままに旅する人のための住まいというイメージがあるトレーラーハウス。自由に移動できるのは魅力だけど、夏は暑そうだし、冬は寒そう。家としての快適性はイマイチなのでは? そんな先入観をくつがえすのが、北海道を拠点にユニット住宅を手がけるアーキビジョン21が開発した「スマートモデューロ」だ。性能は? 永住もできるの? どんな風に使われているの? 前編では、同社の代表取締役・丹野正則さんに話を聞いた。

工場で生産される高性能な「家」が、最短2週間で届く

海へ、山へ、日本国内での移動はもちろん、海上コンテナと同規格なので世界各地に輸送することができる「スマートモデューロ」は、トレーラーハウスの枠を超えた、新しい発想の「移動できる家」だ。

本体は工場生産。北海道の厳しい自然環境でも快適に暮らせる家を30年以上つくり続けてきたノウハウを活かして、夏の暑さも冬の寒さも気にしなくていい、快適な住空間ができあがる。なんと、オーダーから最短2週間で納品が可能なのだとか。

「トレーラーハウスとして移動しながらの使用もできますが、土地を確保して、基礎工事をした上にユニット(スマートモデューロの本体)を施工することもできます。基礎の上にユニットをクレーンで移動させ、給排水管などの連結を行うだけなので外観は1日で完成。現場で内装工事を行った場合でも、約1カ月で入居できます」(丹野さん)

つまり、永住するための「家」に、オーダーから最短1カ月半で入居できるということだ。

【画像1】「スマートモデューロ」本体は自社工場で製造。北海道の厳しい自然のなか、快適に暮らせる住宅をつくってきたノウハウが、そのまま活かされている(写真撮影/田方みき)

【画像2】全体を厚い断熱材でくるむ魔法瓶のような外断熱。精度の高い工場生産と外断熱で、高気密・高断熱の空間になる(写真撮影/田方みき)

【画像3】スウェーデンから直輸入の三層窓は、遮音性、断熱性に優れている(写真撮影/田方みき)

住宅、オフィス、カフェetc.使い方も場所も自由自在

高性能で工期も短い「スマートモデューロ」だが、住空間としての広さはどうなのだろう。一般公道を移動できる大きさだ。暮らすには狭くて息苦しい……と感じないだろうか。

ひとつのユニットのサイズは幅2.4m、長さ12m、高さ2.89m。延床面積は28.80m2。住宅としては小さなサイズだが、空間を効率的に使うことで、2つの寝室とダイニングキッチン、トイレ、シャワー室、洗面室を確保することができる。実際にモデル棟を見学してみたが、外観の印象よりも、中は広々としていた。

【画像4】意外に広い「スマートモデューロ」の中。窓が多く、天井が高いせいか圧迫感はない。木の良い香りにホッとする(画像提供/アーキビジョン21)

【画像5】寝室にはシングルサイズのベッドが2台。2段ベッドにして、片面に机を置けば2人用の子ども部屋にもできる(画像提供/アーキビジョン21)

延床面積28.80m2のユニットでは、家族で暮らすにはちょっと狭いが、「スマートモデューロ」は複数のユニットを連結して床面積を広げていくことができる。ニーズに合った広さにでき、移動が可能ということは、住宅だけでなく、さまざまな使い方ができるということだ。また、「床面積などの条件をクリアすれば住宅ローンを利用できますし、住宅ローン控除も適用になります」(丹野さん)

【画像6】2つのユニットを連結したタイプ。3ユニット、4ユニット……と好きなだけ伸ばすことが可能。ほかにも通路タイプの短いユニットをつけてH型にするなど、組み合わせでさまざまな形にできる(写真撮影/田方みき)

「1ユニットは本体価格750万円。基礎工事や給排水管工事の費用を合わせても900万円+消費税です。設置後、ほかの場所に移動することもできますし、3年〜10年のリース契約で利用することも可能。機動性の高い建物といえます。ですから、2015年9月から本格的に販売を始めて以来、住宅はもちろんですが、これまでにカフェや美容院、従業員のための寮、歯科医院、オフィスなどさまざまな用途でオーダーをいただいてきました。今後は、内装をしていないスケルトンタイプも提供して、DIYで楽しみながら空間づくりをしたいというニーズにも応えていきたいですね」(丹野さん)

【画像7】1〜8名程度までのオフィスとしても活用できる(画像提供/アーキビジョン21)

外国人向け宿泊施設や震災時の仮設住宅としても期待される

「スマートモデューロ」誕生のきっかけは東日本大震災だ。2011年5月上旬、同社の住宅商品で移動可能なユニット住宅「モデューロ」6棟を宮城県の被災地に移設したところ、一日で設置が完了し、上下水道と電気の接続が終わればその日から生活ができる住宅は被災者の方々に喜ばれた。

「被災地で使われている仮設住宅は使い捨て。建設費や補修費、解体費、廃棄処分費などで多くのコストがかかります。それなのに住み心地は決して良くありません。『モデューロ』なら高気密・高断熱で快適なうえに、再利用も可能。ただ、工期に2カ月程度かかること、輸送費がかかることがネックでした。そこで試行錯誤を繰り返し、工期が短く、コストも既存の仮設住宅より安く、トレーラーハウスとして輸送もしやすい『スマートモデューロ』を開発したのです」(丹野さん)

丹野さんは、全国各地に「スマートモデューロ」の生産・販売パートナーを増やすことで、災害時の住宅支援に役立てたいという構想ももっている。

「全国のパートナー会社や自治体が汎用ユニットを備蓄することで、平常時には急増している外国人向けの宿泊施設や、工事現場などの宿泊棟、イベント管理棟などに利用することができます。そして、緊急時には近隣や全国から『スマートモデューロ』を輸送し、快適で低コストな仮設住宅として被災した方々に使っていただく。その実現をめざしています」

後編では、「スマートモデューロ」を民泊に活用しているケースを紹介する。●取材協力

アーキビジョン21
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/09/117369_main.jpg
住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

関連記事リンク(外部サイト)

移動できる家[後編]トレーラーハウスで「民泊」をスタート!
マッサンとリタが暮らした夫婦愛あふれる旧竹鶴邸見学
省エネ大賞・さっぽろホワイトイルミネーションのエコな仕組み

カテゴリー : 生活・趣味 タグ :
SUUMOジャーナルの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP