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「参加型」「ライブ感」投稿サイトが示す新しい小説の形 出身作家に聞く

「参加型」「ライブ感」投稿サイトが示す新しい小説の形 出身作家に聞く

「小説家になろう」や「カクヨム」など、人気を博す小説投稿サイトは、もはや出版業界において、新たな作家発掘の核になりつつあるのかもしれない。

だからこそ、「小説家になろう」への投稿をきっかけに『火刑戦旗を掲げよ!』でMFブックスからデビューしたライトノベル作家・かすがまるさんの話は興味深かった。

最初から「プロの作家」を志すのではなく、本当に楽しんで書く、最初から読者を楽しませることを念頭におき、それを実践しながら小説を書いていると言うからだ。

第3回:ラノベ作家同士はいつもどんな話をしているの?

第2回:人気小説は「ライブ感」から生まれる

第1回:「ライトノベル作家」に夢はありますか?

かすがまるさんへのインタビュー、最終回では「副業化する作家」についてお話を聞いた。彼自身も「塾の経営者と講師」という本業がある。その中で、「作家」とは春日丸さんの中でどういう位置づけになるのだろうか。

(取材・文/金井元貴)

■兼業作家は体調管理が万全?

――かすがまるさんのお話をうかがっていると、一言に作家と言っても幅広いバックボーンをお持ちなんですね。

かすがまる:そうですね。医師をされている方もいますし、電車の車掌、医学部の学生もいます。工場で働いている人もいますね。私の本業もかなり珍しがられます。

――「塾の経営者・講師」ですからね。

かすがまる:でも、私を含めて、皆さん自分の私生活とは全く関係のないネタで小説を書いています(笑)。自分をベースにして書くということは今のところないですね…。

――これは先入観だと思いますが、作家さんって不摂生な生活をおくっているイメージがあります。かすがまるさんが知る限りのライトノベル作家の体調管理方法についてお聞かせ願えますか?

かすがまる:まず私の話をすると、体調管理は第一です。というか、社会人ですからね(笑)兼業作家で社会人をしながらデビューをしている方はそこに気をつけます。体調を崩したら元も子もないですから。

逆に専業作家さんは体調管理が大変かもしれません。書き始めると夢中になってその世界に埋没してしまうこともありますから、もし作家一本でやっていたら、生活が荒む可能性はあるだろうなと想像することはできます。何も食べなかったり、ストレスを抱えたり。

大きな病気やガンは、どう暮らしていてもなるときはなるという考え方をしていますが、風邪や体調不良レベルであれば、それを管理するのは仕事のうちと考えます。兼業作家さんはだいたいそういう認識だと思います。

■作家は新しい副業の形になるのか?

――ストレスの発散はどのようにしていらっしゃるのでしょうか。

かすがまる:それは書くことですね。書くことが楽しい。その書いた物語を「小説家になろう」に投稿をして、反応があって、そのサイクルが私は好きです。

作家として商業的に売れることは一つの指標ですし、それを目標としてやっている作家さんもいますが、私はその部分のプライオリティは高くありません。

これまでの作家のデビューの仕方は、その賞にもよると思いますが膨大な文字数の一つの作品を書き上げて、賞に出すという形が最も一般的だったわけですよね。

ただ、一つの作品を仕上げるのに、おそらくは2、3ヶ月くらいはかかるでしょうし、溜めの期間が長い。だからその間、テンションを保ったり、書くモードに入っていないといけないという意味で大変なのだと思います。ようはマラソンの状態です。

「小説家になろう」は短距離走のようなところがあって、3000文字から4000文字程度でまとめて1話分としてアップしていく感じで、読者の反応を見ながら少しずつ変化を加えることがあります。

だから、一つの大きなプロットがなくても書いていけるし、ライブ感があるので書いていて楽しいんです。

――なるほど、作家と読者のコミュニケーションのようなものが存在しているわけですね。

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