≠ME、“樂園”を目指した冒険の最終章──〈#ME 全国ツアー2025「We want to find "カフェ樂園"」〉
アイドルグループ≠MEが、全国ツアー〈#ME 全国ツアー2025「We want to find “カフェ樂園”」〉のファイナル公演を、2025年7月21日(月・祝)に東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催した。OTOTOYでは、この夜公演の模様をレポートする。
今年2月、さいたまスーパーアリーナで行われた6周年記念公演を成功に収め、ミュージックビデオ「モブノデレラ」は1,100万回再生を突破。いま勢いをつけている≠MEがこの夏に届けたのは、“カフェ樂園”を探す海の冒険をコンセプトに掲げた、全13公演のツアー。その最終目的地となった代々木第一体育館には、航海のクライマックスを見届けようと、大勢の観客が詰めかけた。
ステージには全長12メートルにも及ぶ巨大な船のセットが設置され、スタッフも“乗組員”さながらの衣装に身を包むなど、演出は世界観への没入できるようになっていた。開演とともに幕を開けたのは「賭博場となっていた船を奪還する」というストーリー仕立てのオープニング映像。メンバーたちのアクション映画さながらの映像演技に、早くも会場のテンションは最高潮へと跳ね上がっていく。
オープニングナンバー“神様の言うとーり!”では、客席に設置された木箱からメンバーが登場し、ファンタジックな船旅の幕が上がる。キュートさを前面に押し出したパフォーマンスの後は、ロックチューン“最強のラブソング”へと流れ込み、ビートの波に乗って巨大な船がついに“出航”。“夏が来たから”、“きっとこの夏、恋をする”では、シャボン玉が舞い、最後には花火が打ち上がるなど、夏の情景が鮮やかに描かれた。その直後、雷鳴が轟き響くと、ダンスチューン“P.I.C”がスタート。冨田の「お前ら! 声出せー!!」の煽りに、客席の熱量も一気に爆発する。
自己紹介コーナーは、ツアー仕様のスペシャル・ラップバージョン。荒波を越えるような雄々しいトラックと、ラブリーなポップトラックの2種を織り交ぜ、≠MEの持つ多面性が光った。そして、「圧圧の愛にご注意ください!」というアナウンスとともに、メンバーが客席にサプライズ登場。「ちゅー、しよ?」という甘い合図で始まった「想わせぶりっこ」から「好きだ‼︎!」へと続き、観客を文字通り“メロメロ”にしていく。
続くコーナーは、「The ≠ME’s Show」。この日は冨田、蟹沢、永田の3人が登場し、ステッキや椅子、パラソル、ハットなど多彩なギミックを使ったダンスで観客の視線を一身に集めた。そこからは、ツアーを総括するようなメドレー・ブロックへと突入。メンバーシャッフルで繰り出されるユニット曲の連打は、ファイナルならではの贅沢な時間となった。
落合、川中子、櫻井、河口、谷崎による“フロアキラー”では、タイトル通りの攻撃力で会場を一気に沸かせると、尾木と鈴木が“偶然シンフォニー”でキュートなパフォーマンスを披露。その後も“超絶ヒロイン”、“ポニーテールキュルン”、“こちらハッピー探検隊”と、メンバーの組み合わせを変えながら、≠MEらしさを余すところなく届けていく。なかでも圧巻だったのは、“誰もいない森の奥で一本の木が倒れたら音はするか?”。落合、本田、尾木、櫻井、菅波によるこのナンバーでは、櫻井ももによるロングトーンが代々木第一体育館に美しく響き渡り、深い余韻を残した。そして“デート前レクイエム”では、本田、鈴木、谷崎が会場に力強いエネルギーを注ぎ込み、情熱的な歌声を届けた。
ライブも中盤を過ぎ、ついにノイミーたちの船は旅の目的地、“カフェ樂園”へと到着する。そこからのステージは、胸躍る夢のような時間の連続だった。
まず登場したのは、永田、蟹沢、冨田の3人。ディスコチューン“カフェ樂園”で観客を“歓迎”するように軽やかなグルーヴを響かせ、華やかな時間のはじまりを告げた。シックなブラックの制服姿で“カフェ樂園”の従業員に扮したメンバーが次々と登場すると、会場はたちまち非日常の世界に。さらに、“サマーチョコレート”、“ウルトラレアキッス”、“マシュマロフロート”といったスペシャル仕様の楽曲が続けざまに披露され、まるでスイーツのフルコースのような甘さときらめきでファンを虜にしていく。
空気が少し和んだところで、ピラミッド鈴木とネッシー永田が司会進行を務める、VTRコーナー「あったら怖い≠ME都市伝説」へ。ここでは、「櫻井ももは本当に桃の国のプリンセスだった!?」をテーマにトークを展開。ツインテールに見える桃のイラストや、櫻井の誕生日である4月13日に2025年は“ピンクムーン”が重なっていたことなど、偶然とは思えないエピソードが次々と紹介された。「信じるか信じないかはあなたの匙加減」という決まり文句で締めくくられるころには、会場全体がすっかり都市伝説の虜になっていた。
続いてメンバーは、キラキラのドレスのような衣装に身を包んで登場。披露されたのは、≠MEの最新曲“モブノデレラ”。童話『シンデレラ』をモチーフにした切ないアナザーストーリーを描いたこの楽曲を、メンバー全員がそれぞれの思いを乗せて丁寧に歌い上げる。会場は静かに、しかし深く感情の波に揺られていた。
そこからは、一気にクライマックスへ“秘密インシデント”“す、好きじゃない!”、“はにかみショート”、“初恋カムバック”、“まほろばアスタリスク”とエモーショナルさとキュートさが交錯する≠MEならではの楽曲群が立て続けに届けられ、本編最後の“ごめん、マジで”まで、熱量は衰えることなく駆け抜けた。
アンコールは、“ヒロインとオオカミ”からスタート。永田&本田の“しおみる”コンビが客席から登場するというサプライズに、会場は驚きと歓声に包まれる。続いては“君はスパークル”。川中子のまっすぐな歌声が夜の代々木に響き、ライブの余韻をさらに美しく深めた。
MCパートでは、さらなるサプライズが。9月20日・21日に千葉県・LaLa arena TOKYO-BAYにて、ツアーの追加公演が決定したことが発表されると、観客からは大歓声が巻き起こった。蟹沢は「私たちの終わりたくない気持ちが届いてしまったかのように、ありがたいことに追加公演が決定しました!」と笑顔で語りかけ、「“カフェ樂園”の秘密、解明してくれますかー!?」とファンとの再会を早くも待ちきれない様子だった。
アンコールラストは“ラストチャンス、ラストダンス”。会場全体がひとつになって踊り、歌い、手を振り合い、ライブは最高潮のまま終幕──かと思いきや、観客の止まない拍手と声援に応えるかたちで、≠MEは再びステージへ。ダブルアンコールでは、グループ名を冠した楽曲「≠ME」を動画撮影OKでパフォーマンス。終演後の挨拶では、このツアーで全てのエネルギーを完全燃焼したような蟹沢の姿が印象的だった。
そして最後に、冨田が一人ステージに残り、マイクを握ってひと言。「次の場所まで……出航――!」その声は、まるでこの航海が終わりではなく、未来へ続いていく始まりなのだと告げる号令のようだった。夢を見せてくれるグループ≠ME。その旅路は、まだ誰も知らない“樂園”へと、確かに続いている。この夜、代々木第一体育館でともに過ごした時間は、メンバーとファンが共有したかけがえのない奇跡──。心からのありがとうを胸に、彼女たちはまた、新たな物語を紡ぎに出発した。
取材・文:ニシダケン
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ライヴ情報
≠ME 全国ツアー2025「We want to find “カフェ樂園”」
2025年7月21日(月・祝) @東京都・国立代々木競技場 第一体育館
セットリスト<夜公演>
M-1 神様の言うとーり!
M-2 最強のラブソング
M-3 夏が来たから
M-4 君はこの夏、恋をする
M-5 P.I.C.
M-6 想わせぶりっこ
M-7 好きだ!!!
<ユニットシャッフル楽曲>
M-8 フロアキラー
M-9 偶然シンフォニー
M-10 超絶ヒロイン
M-11 ポニーテール キュルン
M-12 こちらハッピー探検隊
M-13 誰もいない森の奥で一本の木が倒れたら音はするか?
M-14 デート前夜レクイエム
M-15 カフェ樂園
M-16 サマーチョコレート
M-17 ウルトラレアキッス
M-18 マシュマロフロート
M-19 モブノデレラ
M-20 秘密インシデント
M-21 す、好きじゃない!
M-22 はにかみショート
M-23 初恋カムバック
M-24 まほろばアスタリスク
M-25 ごめん、マジで
<ENCORE>
EN-1 ヒロインとオオカミ
EN-2 君はスパークル
EN-3 ラストチャンス、ラストダンス
<W ENCORE>
EN-4 ≠ME
ライヴ情報
≠ME 全国ツアー2025「We want to find “カフェ樂園”」追加公演開催決定!
日程:2025年9月20日(土)、21日(日)
場所:千葉県・LaLa arena TOKYO-BAY
アーティスト情報
【公式HP】https://not-equal-me.jp/
【公式X】https://twitter.com/Notequal_ME
【公式Instagram】 ※4月7日より開設 https://www.instagram.com/notequal_me.official/
【公式TikTok】https://www.tiktok.com/@notequal_me
【公式YouTubeチャンネル】https://www.youtube.com/channel/UCBmvHfXdGCvi_b6lFeU-E1Q

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