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『ファインディング・ドリー』海洋生物監修さかなクンインタビュー「お魚は私たちの大先輩」

さかなクン

現在大ヒット中の映画『ファインディング・ドリー』。2003年に公開された『ファインディング・ニモ』の続編として、物忘れの激しい「ドリー」を主人公に描いた物語は、ハラハラドキドキと笑い、そして感動が混ざりあった冒険ファンタジーとなっています。

本作で字幕・吹き替え版の海洋生物の監修を行っているのが、国立大学法人 東京海洋大学名誉博士/客員准教授のさかなクン。お魚の事を語らせたら右に出るものはいない、お魚博士、歩くお魚辞典のさかなクン! 本作の魅力や、私たちがお魚と仲良く暮らしていく為に大切な事とは? など色々とお話を伺ってきました。ちなみに、最初は「さかなクンさん」と言っていましたが、ご本人が「さんはいらないんですよ、さかなクンでお願いします!」とおっしゃったので、さかなクンと呼ばせていただきました。

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http://getnews.jp/archives/1493453 [リンク]

(撮影:wosa)

さかなクン

―今日は色々とお話を伺わせていただきます。「ガジェット通信」の藤本と申します!

さかなクン:よろしくお願いします! バジェット……、あっ「ガジェット」通信さんですね! 失礼しました、「バジェットガエル」というカエルちゃんがいるもので、勘違いしてしまいました!

―いえいえ、とんでもありません! まず、『ファインディング・ドリー』の日本版海洋生物監修に抜擢された時のお気持ちをお聞かせいただけますか? 

さかなクン:ギョギョッと! ワオ! と、こんな嬉しいことは無いというほど、卒倒しそうなほど嬉しかったです。

―具体的にはどんな事をされたのでしょうか。

さかなクン:出て来るお魚を見せていただいて、日本名がある物は日本名をお伝えしたり、生物学的な動きを重点的に見させていただきました。。

―本作では、ドリーの相棒として7本足のタコの「ハンク」が大活躍しますが、さかなクンがお魚の世界に興味を持ったきっかけがタコだったそうですね。

さかなクン:小学生の時にクラスメイトがノートにタコを描いていて、それが今にも飛び出してきそうな迫力だったんですね。それで、なんだこりゃ?! と興味を持ち始めたので、クラスメイトがタコを描いていなかったら、もしかしてお魚に興味を持っていなかったかもしれません。

タコを見る為に、まずはお魚屋さん、そして水族館に通うわけですが、タコちゃんに会いに行けばそこには必ず色々なお魚がいて「あの四角いお魚はなんだ?! あれはハコフグっていうのか……」と言った感じで、だんだんお魚も好きになっていったんです。

―映画で「ハンク」の活躍をご覧になっていかがでしたか? 

さかなクン:本当に素晴らしかったです! ハンクさんがいなかったら、ドリーちゃんが両親を探す旅は成り立たなかったわけです。ハンクさんは一見、強面のタコさんですが、明るいドリーちゃんと“意気投ギョウ”して、物語が進んでいくのがとっても面白いんですよね。そして、ハンクさんは「頑固なタコオヤジ」と言ったお顔が、近所に似ている人がいるなあ〜、という親近感が沸きますよね。他にもアシカちゃんもとってもユーモラスですし、鳥のベッキーちゃんとか、どのキャラも、周りにこんな人いるなあ、と思える愛らしさです。まるで人間の様な、でもお魚の習性を崩しすぎてはいないという所がステキだと思います。

―映画の中で、色々なものに化けてとっても面白い「ハンク」ですが、実際のタコの生態も活かされているのでしょうか。

さかなクン:いかされていますね! タコは壁にくっつくとその色になりますし、変幻自在に色や模様を変える事が出来ます。そして、8本の足を駆使して、色々な動きをします。映画の中でも、その動きを活かして大活躍するので、本当に面白いんです!

―その他にも映画に活かされている魚の生態はありますか?

さかなクン:ドリーちゃんのモデルになった「ナンヨウハギ」が忘れっぽいかというと、それはちょっと分からないんです……。猫ちゃんとかワンちゃんが、人間と比べるとどれだけ物覚えが良いかという、知能実験があると思うのですが、お家の猫ちゃんが悪い事をして「コラー!」と怒ったとしても、しばらくしたら忘れちゃう事ってありますよね。それと一緒で、お魚も一度覚えた事をいつまで覚えているかは定かでは無いんですね。でも、今回映画の中でドリーちゃんの赤ちゃんの頃が出てきますが、危険な目にあった場所や時間というのは覚えていると思うんです。「この海流は気をつけよう」とか「この魚の近くには近寄らないでおこう」というのは、考えて、というよりはお魚達の本能であるかもしれませんけどね。

―映画の世界では、カクレクマノミ(ニモ&マーリーン)とナンヨウハギ(ドリー)が一緒に生活していますが、実際の海の中でも、違う種類同士が行動を共にする事はあるのでしょうか?

さかなクン:あります! 「ムロアジ」の群れの中に「ゴマサバ」が混じって行動したり。水族館なんかで見ていると「あれっ、色は似ているけど形が違うお魚がいるぞ?」って気付くと思います。そうしてムロアジちゃんの中に混ざって生活をしていると、ゴマサバちゃんも自分がサバである事を忘れてしまうのか、背中の特徴的な模様がだんだん消えてきてしまったりもするんですよ。

自分もよく海に潜るんですけど、違う種類のお魚同士が一緒に行動している所をよく見ます。例えば「ヘラヤガラ」という細いお魚がいるんですが、そのまま泳ぐとエサとする小魚が逃げていってしまうので、「ハタ」等の大きな魚にもたれかかる様にして、隠れて一緒に行動するんですね。夜になって、小魚ちゃん達が油断した時に、そ〜っと飛び出してきて、バクっと食べちゃうんです。

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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