地震から命を守る! 25万円で買える「耐震シェルター」とは?

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地震から命を守る! 耐震シェルターってどんなものがある?

地震大国といわれる日本。南海トラフ地震などの大地震も不安視されるなか、どの地域でも備えは万全にするに越したことはありません。そうした備えのひとつで、自宅で被災した際に役立つとされるのが「耐震シェルター」です。どのような製品があるのか、メーカーに取材しました。

置き型シェルターが緊急時の避難場所に

30年にわたり防災用品の研究開発を行っているエヌ・アイ・ピーでは、身体をガードしてくれるベッド型やテーブル型など、置き型タイプの耐震シェルターをメインに販売しています。代表の宇尾野俊明さんは、もともと建築と不動産の会社を経営していたそうですが、住まいに頼らない防災のかたちを模索するなかで、耐震シェルターの開発に行きついたそう。なかでも売れ筋だという2製品を見ていきましょう。【画像1】ベッド型シェルター(税込54万円)。ベッドや布団を中に敷くことができるこちらの製品は、約10トンまでの耐圧性能があるため、就寝時や寝たきりの場合も地震による家屋倒壊から身を守ってくれる。衝撃を吸収するため穴が開いたスチール板を使用。低重心設計のため、巨大地震でもまず倒れることはないとか。特許を取得しており、各自治体で10万円から50万円の補助金の対象商品になっている(写真提供/エヌ・アイ・ピー) 【画像1】ベッド型シェルター(税込54万円)。ベッドや布団を中に敷くことができるこちらの製品は、約10トンまでの耐圧性能があるため、就寝時や寝たきりの場合も地震による家屋倒壊から身を守ってくれる。衝撃を吸収するため穴が開いたスチール板を使用。低重心設計のため、巨大地震でもまず倒れることはないとか。特許を取得しており、各自治体で10万円から50万円の補助金の対象商品になっている(写真提供/エヌ・アイ・ピー)【画像2】テーブル型シェルター(28万800円)。現在までに3000台以上売れている人気の製品。30トンの圧力に耐えられる特殊天板を使用している。また5本脚のため安定性も抜群。ふだんはダイニングテーブルとして利用できる(写真提供/エヌ・アイ・ピー)

【画像2】テーブル型シェルター(28万800円)。現在までに3000台以上売れている人気の製品。30トンの圧力に耐えられる特殊天板を使用している。また5本脚のため安定性も抜群。ふだんはダイニングテーブルとして利用できる(写真提供/エヌ・アイ・ピー)

こうした製品を開発してきた背景について、宇尾野さんは次のように話します。

「耐震工事ができればそれに越したことはないですが、とくに高齢者の方などはいくら家が老朽化していても、いつ起こるか分からない地震に備えて工事をする、という決断までいたらないことも多いと思います。また、賃貸に住んでいる人も、自分が住んでいるアパートやマンションは本当に大丈夫なのかと漠然とした不安を抱えている人が多いのではないでしょうか。部屋を補強しようにも、大がかりな工事となれば大家さんの許可が必要ですし。そうした煩わしさを感じずに、自分の命を守る。そのためにこの製品を開発しました」(宇尾野さん)

木造建築の場合は耐震改修工事に掛かる費用は100万円から150万円が最も多いといわれています(日本建築防災協会の公表による)。国や地方公共団体の助成制度を利用することもできますが、決して安いとはいえない出費だけに、検討はしても断念する人も多いのかもしれません。

部屋一室をまるごと耐震シェルターに

また、部屋そのものを耐震シェルターに変えてしまう製品もあります。例えば、一条工務店から販売されている「木質耐震シェルター」。1階の4.5 畳以上の部屋に設置ができるもので、床や壁、天井に沿って木質のパネルを組み立てることで、部屋全体をシェルターに変えることができる製品です。本体と施工費あわせて25万円(税別)という価格設定で、費用負担軽減と安全性の両方を確保できます。【画像3】木質耐震シェルター(25万円※税別)。設置にあたっては担当者が必ず下見を行い、補強が必要な場合を除けば2日間で設置することができる。家屋の倒壊実験をはじめ5mのところから落とす、3mの高さから3トンもの瓦を落とすといった実験も含めて構造の強度は実証済み(写真提供/一条工務店)

【画像3】木質耐震シェルター(25万円※税別)。設置にあたっては担当者が必ず下見を行い、補強が必要な場合を除けば2日間で設置することができる。家屋の倒壊実験をはじめ5mのところから落とす、3mの高さから3トンもの瓦を落とすといった実験も含めて構造の強度は実証済み(写真提供/一条工務店)

こちらの「木質耐震シェルター」を開発するにいたった経緯について、一条工務店グループの広報担当者は「耐震工事のハードルの高さを感じている人が多いことを知った」といいます。

「きっかけになったのは、弊社役員が老朽化した木造住宅に住む旧知の友人を心配し、建て替えを勧めたときに返ってきた『私はこの家と一緒に潰されるのであれば、それもいいのではないかと思っている』という言葉でした。地震の不安は抱えていても家の建て替えまではできない。そうした方はほかに多くいらっしゃるのではないか、であるならば我々に何かできることはないだろうかと考えました」(広報担当者)

そこで、もともともっていた頑丈な木造建築のノウハウを活かして、木質パネルの組み立て式シェルターを開発したそう。

「購入者の多くは高齢の方が多く、設置後は安心して寝ることができるというお声をいただいています」(広報担当者)

賃貸はもちろん、一戸建ての持ち家であっても、いますぐに耐震工事ができるとは限りません。しかし、もし家屋が倒壊しても自分をはじめ家族の命を守ることを考えたとき、こうしたシェルターを検討することも候補のひとつになり得るのではないでしょうか。●取材協力

一条工務店

エヌ・アイ・ピー
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