「主夫の友」のみなさんに聞いた 家事がしやすい理想の住まいとは

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「秘密結社主夫の友」をご存じだろうか。秘密結社とつくと、何やらあやしげな雰囲気だが、その正体はというと「主体的に家事・育児をする夫」たちのグループだ。主夫が主体的に家事/育児をするとき、その活動場所である「住まい」に、どんな不満や不便があるのだろうか。家事分担の方法や主夫目線での「理想の住まい」とあわせて聞いてみた。

シンクの高さから動線まで。主夫が見ると家はカイゼンの余地だらけ

先日、都内某所で開かれた、「秘密結社主夫の友」の定例ミーティングに参加した筆者。そもそもこの「秘密結社主夫の友」は、日本ではまだまだ少数派の「主夫」を増やし、もっと男女ともに生きやすい社会&家庭を、というのが活動目的だ。ただ、主夫といっても、専業主夫はお1人だけで、あとは兼業主夫。つまり、それぞれ仕事をしながら、家事を主体的に行う「ワーパパ」のみなさんというわけ。まずは、現在の住まいへの不満点などを聞いてみた。

「地味にキツイのが、シンクの高さ。女性が使いやすい高さになっているから、お皿洗いをするときは、腰が痛い」という男性ならではのものから、

「生活動線が考えられていないので、買い物してきた荷物を運び込むのが大変」という男女ともに感じる不便さもあるよう。さらに

家を借りるときや買うとき、建てる際にも、不動産担当者が「住まいの中のことは奥様に」と女性にばかり聞いてしまい、男性の意見が反映されないという点を指摘。

「それで妻の意見が色濃く反映された家になってしまい、特にキッチンがママの聖域化してしまう」ことが、「男性を家事、ひいては家そのものから遠ざけてしまう」と話す。

「女性が家事をする前提になっているので、モノの収納・ルールを考えるのが女性の役割になっている。でも、収納や片付けは三次元的な要素が強く、実は男性のほうが得意かもしれない。そうした二人三脚の要素を抜きにして家ができあがってしまっている」とも。

もしかしたらこうした「女性が家事をするという前提に基づいた考え方」が家事分担を阻む、負のスパイラルの原因なのかもしれない。

さらに、「家に長くいるほうの人間に聞いてくれていたら、こんなことにならないのに…」というコメントを聞いていると、夫婦共働きが当たり前の時代、もしかしたら、住まいが家族のかたちに追い付いていないのかもと思う。

主夫が考える理想の住まいは「合宿所?」

日常の家事についても突っ込んで聞いてみると、家事をするときは、洗濯の仕方から食器洗い、掃除や片付けまで、「ライフハック」の要素をかなり盛り込んでいたように思う。

例えば洗濯は外干し派もいたが、半分が「部屋干し派」「洗濯乾燥機におまかせ派」だった。

はじまりは花粉症対策などだったというが、「夜、洗濯して乾燥までしてしまうほうがウチは早い」「室内干しであれば、そのまましまえて省力化できる」などと常に最適化/家事の最小化を考えているよう。夜家事派が増えているともいうが、ココまでとは! 既存の枠にとらわれない、家事のススメ方、考え方にも驚いた。

また、理想の住まいについても聞いてみた。

すると返ってきたのが「合宿所のような家、女性は嫌がるだろうけど(笑)」との返事。

合宿所といっても、雑魚寝をするという意味ではなく、「キッチンにしてもリビングにしても、パブリック化して、初めてきた人でもどこに何があるか、モノの置き場がきっちり分かる住まい」ということだそう。

なるほど、モノの場所が明確であれば、「お母さん、アレどこにあるの〜?」という不毛なやりとりはなくなり、時間のロス・ストレスも軽減される。また、子どもも成長とともに、家事能力を身につけることができ、結果的に主夫の家事負担が減るようになる、というわけ。

驚くのは「我が家では中学生になったら、洗濯は子どもの担当になった」という声も。

主夫のみなさんは、「いかに自分たちがラクするかを考えているからね(笑)」というが、家族全員、誰もが家事をできるようにするというのは、人を育てるマネジメント職にも相通じるものがあるのかもしれない。

女性から見ると、よくある「ウチの旦那は家事してくれない」という愚痴になりがちだが、もしかしたら住まいのあり方に問題があるのかも。「キッチンや洗濯まわりが聖域化していないか」「自分以外の人間も家事しやすいか」、一度、夫婦で話し合ってみてもいいかもしれない。●取材協力

秘密結社主夫の友
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