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大人版キッザニア『仕事旅行』を体験! 眼鏡職人になる旅でオリジナルメガネを作ってみた

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こんにちは! ライターのノジーマです。
突然ですが、皆さんには憧れている仕事はありますか?

もし憧れている仕事が身近な仕事であれば、アルバイトなどを通じて実際に体験することもできますよね。
でも専門的な知識や技術が必要な仕事などは、なかなか実際に触れる機会がないもの。

そんな、普段の生活では体験できない仕事を実際に体験できる『仕事旅行』というものが注目を集めているようです。
実際に『仕事旅行』のホームページを見てみると、「漆塗り職人」「探偵」「日本語教師」などなど、確かにおもしろそうな職業体験のプランが目白押し!
子供向けの職業体験ができるテーマパーク『キッザニア』の大人版みたいな感じでしょうか。

というわけで今回は『仕事旅行』を実際に体験してみることにしました。
いったいどんな経験ができるのか非常に楽しみです!
 

眼鏡職人になる旅を体験!

そして今回選んでみたのは『眼鏡職人になる旅』というプラン。

眼鏡を作って35年という職人・佐藤八郎さんの元で1日弟子入りし、実際に自分に合った眼鏡を作ることができるという内容です。

職人さんならではのこだわりや仕事に対する姿勢を学べそうな気がしますし、しかも作った眼鏡は実際にもらえるというので一石二鳥!

ホームページから申込みをして、指定された日に西荻窪の眼鏡屋さん『glass工房602』へと向かいました。

実際に作る眼鏡の形決めからスタート!


時刻は午前10時。

まずはこの日実際に作る眼鏡の形を決めるところから『仕事旅行』がスタートしました。

眼鏡職人・佐藤さんの娘さんの説明を受けながら、どんな種類の眼鏡を作れるのかを教えてもらったのですが、結局はフレームから作るので、どんな形のものでも自由に作れてしまうのです!


たとえばこんな仮面舞踏会のような眼鏡も作れちゃうのだとか……! 自由すぎる!!

でもこれはこれでおもしろいのですが、せっかく職人さんの元で眼鏡を作れるのですから、実用性の高い眼鏡を作りたいところ。

自由すぎると悩んでしまうので、お店の中で飾られている眼鏡を参考にして決めることにしました。



それでも種類が多くてなかなか決められませんでしたが、いろいろ試着した結果、フレームの細いチタンタイプの眼鏡を作ることに決定!

こちらは本来『仕事旅行』では作れないタイプらしいのですが、「せっかくなので欲しいものを作ったほうがいい」と特別に挑戦させていただくことになりました。ヤッター!!

ただ、難易度は少々高めなので覚悟をしておいてくれとのこと。
果たして無事に仕上げることはできるのでしょうか!?
 

視力もしっかりチェック


作業に入る前に、作った眼鏡のレンズに度を入れるかどうかを決めるための視力検査も行います。

測定の結果、特に矯正をする必要はないとのことでした。

本来はこの視力検査の方法も教えていただけるようですが、今回は難易度の高い眼鏡制作をすることもあって省略となりました。
仕方ないですが、よくよく考えたら検査する側はどういう風に見えるものなのか体験できたら良かったですねえ。
 

地下の工房で作業スタート!


午前11時。
眼鏡制作に入る前の準備がすべて終わり、いよいよ工房へと足を踏み入れることになりました。

工房は店舗の地下にあり、お店の奥にある階段から入っていきます。
まるで地下の秘密基地に入っていくような感覚で、なんだか興奮しますね!


直立できないほど低い天井の工房の中は、眼鏡作りに使うと思われる工具がギッシリ!
これは圧巻の光景!

職人の世界に足を踏み入れた実感が湧き上がってきます。


そしてこちらが眼鏡を作って35年の職人・佐藤八郎さん。

ものすごく猫背に見えますが、猫背にならざるを得ないほど天井が低いだけですからね!
今日はよろしくお願いします!
 

その1 チタンをフレームの形に整える



まずは今回作る眼鏡の素材となるチタンをフレームの形に整える作業からスタート。

最初はまっすぐの棒状になっていますが、中央にあるペンチのような機材を使い丸く変形させていきます。
こちらでチタンを挟んで力を入れると、チタンが少しずつ丸く変形していくのですね。


そして、紙に印刷された“型”に合わせて形を整えていくのですが、いきなりなかなかの難易度でした。

そもそも素材のチタンが硬いので、なかなか思い通りに曲がってくれません。
しかもただ曲げるだけでなく、ゆるやかな曲線を描いて形を整えなければならないのですから。

ところが、この作業は最初に佐藤さんが少しお手本を見せてくれただけで、技術的な指導はほとんどありませんでした
お手本を思い出しながら作業を進め、自分で感覚を掴んでいくしかないのです。

職人さんに弟子入りすると、師匠の背中を見て技術を盗むとはよくいいますが、きっとこんな感じなのだろうと思いましたね。


気がつくと1時間以上作業に没頭してしまい、あっという間にお昼休憩の時間になってしまいました。

どうにかこうにかそれっぽい形にすることはできましたが、よく見るとまだまだ歪んでいます。

こんな状態の眼鏡ではとても街を出歩けません

午後の部も長い戦いになりそうですが、西荻窪の街でおいしいランチを食べて英気を養うことにしました。
 

午後の部スタート! 難易度はさらにアップ!

ランチタイムを終えて工房に戻ると、作業机の上がとんでもないことになっていました……!


なんと、左側のフレームが完璧に整えられているのです…!

食事をしてたらフレームが完成しているなんて、まるで小人の靴屋状態ですよ。

こちらを作業してくれたのはもちろん佐藤さん。
左右のフレームを比べてみるとその仕上がりの精度は歴然!
自分で作業をしたあとだけに、その凄さが余計に感じられますね。

本当に同じ機材を使って作業したのか疑いたくなるレベルです!


佐藤さんが仕上げてくれた左側のフレームをお手本に、引き続き右側の形を整えていきます。
できる限りやり切ったところで、佐藤さんのチェックが入りました。

佐藤さん「うん、だいたいこんなものかな。難しかったでしょう?」
ノジーマ「ありがとうございます! 久々に本気で集中したので疲れましたね……」

どうにかOKをいただき、ようやく次の作業に移ることとなりました!
 

その2 フレームの“鼻”の部分を制作


続いてはフレームの中心部分、鼻にかかる部分のパーツを制作していきます。
短く切断したチタンを金槌で叩き、自分の鼻にフィットするように曲げていくのです。


パーツがかなり小さいので叩くのが大変です!



しかも今度はレンズの部分と異なり、型がありません。

自分の鼻にフィットする形になることがゴールであって、非常に感覚的な作業になります。
パーツを少し曲げては鼻にあてがい、直感を信じて作業を進めました。

今回は自分に合う眼鏡制作なので、いくらでも自分の鼻と形を合わせることができましたが、お客さんの眼鏡を作るときは当然そんなことはできません。
経験がものすごく重要になる作業だなと感じましたね。
 

その3 レーザー光線で縁と鼻のフレームを合体!


次はここまで作ってきたフレームのレンズ部分と鼻部分のパーツをくっつける作業になります。

どのようにしてくっつけるのかというと、レーザー光線を照射してチタンを溶かして融合させるという、話を聞くだけでもとんでもなく高い難易度なのがわかる作業なのです。

最初は佐藤さんがお手本を見せてくれますが、レーザーがチタンに照射されるたびにバチンバチンと音を立てながら激しい火花が飛び散っています……!

ノジーマ「これ、スゴいですね……」
佐藤さん「このレーザーね、当たるとすっごく痛いんですよ
ノジーマ「うええぇっ!? どんな風に痛いんですか!?」
佐藤さん「それは言葉では言い表せないなぁ。まぁ、とりあえずやってみて!

なんと、この作業も技術的な説明はほとんどないままにバトンタッチ!
レーザーが当たると痛いということは念入りに教わりましたが、チタンが溶けるレーザーですから当たれば危ないことくらい誰でもわかります!


「うわぁ……怖えぇぇぇ……」

言われるがままに佐藤さんとバトンタッチをすると、佐藤さんはそのまま自分の仕事場に戻ってしまいました。
完全に自分の力だけでやり切るしかありません。

見よう見まねで機械をいじってみても、なかなかレーザーが発射されずに悪戦苦闘。
しばらくして足元のスイッチの踏みが甘かったことが原因だとわかったのですが、その辺も含めてすべて手探りで進めていきます。
 

その4 ついにパーツ結合完了!


どうにか無事にレーザーを発射できるようになったのですが、どのくらい溶かせばいいのかとか、まっすぐにくっつけるコツとかも一切わかりません。

それでもどうにかこうにか作業を続け、レーザー直撃の痛みを感じることもなく、なんとかすべてのパーツを融合させることに成功しました!


融合したフレームを片手に佐藤さんの元へと戻り、仕上がりをチェックしてもらいます。

ノジーマ「少しナナメについてしまった感じですが、大丈夫でしょうか?」
佐藤さん「あー……これ、そもそも鼻の部分が逆向きについちゃってるね
ノジーマ「マジっすかぁぁぁーーーっ!!」

なんとまさかの大失態!
しかもこの時点で時刻はすでに終了30分前となってしまっていたため、残念ながらここで打ち切り。
修復と仕上げは佐藤さんにお願いすることとなりました。無念……。
 

佐藤さん「眼鏡の良さを広めていきたい」


最後は佐藤さんとのディスカッションタイム。
僕が体験で感じたことを伝えたり、佐藤さんの眼鏡に対する想いなどを聞かせていただきました。

佐藤さんはリーズナブルな眼鏡屋さんが流行している昨今を憂いていて、ひとつひとつ手作りで自分に合った眼鏡を作ることの大切さを伝えていきたいと熱く語ってくれました。
『仕事旅行』に参加しているのもその想いからで、少しでも多くの人に眼鏡作りの楽しさや、自分に合った眼鏡を作る良さを感じてほしいとのこと

今回僕は残念ながら最後まで仕上げることができませんでしたが、すでに完成している眼鏡を買うのではなく、自分の好きな形の眼鏡をゼロから作れるというのはとても貴重で刺激的な体験でした。

普通では絶対に買えないようなデザインの眼鏡を作ることもできますし、なにより自分の顔の形に合った眼鏡を作ることができれば、眼鏡をかけているときの疲れやストレスも減らせそうな気がします。

眼鏡を使っている人に向けて、オリジナルの眼鏡を作ることの良さをすごくオススメしたくなりましたね。
 

職人の世界に触れることができた!


最後は眼鏡の受取日の約束をして、今回の『仕事旅行・眼鏡職人になる旅』は幕を閉じました。

今回得た経験で特に大きかったものは、やはり職人さんとの仕事を体験できたことですね。
職人さんの仕事は自分の感覚や経験がすべて。
もちろん最低限の手順はありますがマニュアルに沿って仕事をするわけではなく、自分でやってみて、自分で感じて、自分で工夫をしながら仕事を覚えていくのです。

この手の仕事を一度でも経験すれば、それだけでも視野が広がりそうな、そのくらい貴重な経験ができた気がします。

『仕事旅行』のホームページにはまだまだたくさんの職業体験プランが紹介されていました。

仕事を通じて普段できない体験をしてみたいという方にはぜひオススメしたいですね!

※この記事はタウンワークマガジンとガジェット通信で共同制作しました。

取材・文:ノジーマ 企画:ガジェット通信
●glass工房602
東京都杉並区西荻北3-17-8
TEL:03-5382-1062

●仕事旅行
見たことない仕事場を、旅するように訪問。大人の職業体験ができるサービスです。
http://www.shigoto-ryokou.com/

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