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そうだ京都に住もう[上] 人とつながれる街のコンパクトさが魅力

そうだ京都に住もう[上] 人とつながれる街のコンパクトさが魅力

10年ほど前から、たびたび京都を訪れている東京在住の筆者。ところがここ数年、簡単に宿が取れない。ふらっと「そうだ京都に行こう」なんてことはできない状況だ。というのも米大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」で、京都市が世界の人気観光都市ランキングに2年連続で1位に選出されるなど、世界中から人気を集めているからだろう。いっそ京都で家を借りて二地域居住ができないかと考え始めた。私の周りでも京都に移住する人が増えている。その京都の持つ求心力はどこにあるか、今回「京都移住計画」代表の田村篤史さんに聞いてみた。

いざ地元に帰ろうと思ったら、住む場所や仕事などの情報がなかった

現在、全国的に広まっている「◯◯移住計画」という活動。以前、当サイトで「福岡移住計画」を紹介したが、実は「京都移住計画」が始まりだ。東日本大震災後の2011年5月、当時東京でシェアハウスを運営していた田村篤史さんが仲間とつくったフェイスブックの情報交換が始まりだそうだ。

京都府長岡京市生まれの田村さんは、大学在学中にAPU(立命館アジア太平洋大学)へ交換留学をし、その後NPO出資のカフェ経営に携わったり、京都のベンチャーを経験したりした。卒業後は海外放浪の末、東京の人材系企業に就職した。当初から「5年後には京都に帰る」という目標で上京したそうだ。というのも海外滞在中に多くの人から京都のよさを聞き、あらためて自分の故郷の魅力に気づかされた経験があったからだ。

また人材関連の仕事をしていたので、自然と自分自身のキャリアについて向き合うことになる。仕事選びの相談に乗る機会も多かった。「人によっては農業が向いている人もいるし、親の仕事を継いだ方がいい人もいる。人材会社としての立場では、求人票にある仕事を紹介することしかできません。本当にそれが正解なのか、自分でも納得できなくなっていました」と田村さん。「東京は経済の中心で人を引き付ける引力も強い。それが向いている人もいれば向いていない人もいる。まず自分が京都に戻ろうと考えました」

当時東京で住んでいたシェアハウスには関西出身の仲間が多く、「みんな『いつかは帰る』と考えていたが、その『いつか』が具体的にならない。どうやったら帰ることができるかを考えると、移住(Uターン)するための情報が少ないことに気が付きました」。移住しようと思っていても「どこに住めばいいか分からない」、「仕事を探すにはどうしたらいいか分からない」等々、不安もある。だから情報を提供して、移住するきっかけになるような場所をつくれないかと考えるようになったそうだ。

「Uターンの自分でもそうだからIターンの人はもっと不安があるはず。そこで同じように京都に住みたいという仲間と移り住むための情報を集めようと2011年に『京都移住計画』をつくったんです。最初は非公開のフェイスブックで仕事・コミュニティ・住まいの情報を発信していました。何とかなるめどが付いて翌年に京都に戻り、8月に京都移住計画の公式フェイスブックページを公開しました」

Uターンした実感、京都は「住」のコストが低い

田村さんが東京から京都に移住してから気づいたことは、家賃や物価といった生活に必要なコストの低さだった。京都の中心地でも東京より4~5万円くらい安い。「東京では高い家賃を払っても家に帰るのは眠るときだけ。朝になったらまた働きに行く、そんな生活なのにコストだけはかかることに納得できませんでした」

京都での暮らしは固定費が少ないため、余裕が生まれた。満員電車に乗る必要もなくなり、人と会う時間も取れるようになった。そういった体験の中で、移住してきた人や移住を検討している人、さらに京都に以前から住んでいる人が参加でき、京都の生活情報などを教え合うことができる場をつくりたいと考え始めた。

「移住を検討する人の助けになるには、まず移住した人が快適だと思えることが大切。既に移住した人が直接自分の言葉で京都での良い暮らしを伝えてくれたらそれが何よりの情報発信になります」。そのために京都移住計画の一環として「京都移住茶論(きょうといじゅうさろん)」という京都に移住した人・したい人が交流できるイベントも開催している。

最近では関西だけではなく首都圏でも開催している。筆者が初めて参加したのは、昨年、東京で開催された移住茶論だ。満席の会場は年代や性別も幅広く、熱気にあふれていた。こんなに京都に住みたいと思っている人がいると気づかされた。【画像1】東京で開催された京都移住茶論。ワークショップなど意見の交換が活発だ(写真撮影:四宮朱美)
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