将来成功したいならやっておくべき「タダ働き」のすすめ

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将来成功したいならやっておくべき「タダ働き」のすすめ

 「お金が欲しい」「お金に困る生活はしたくない」という金銭欲は誰もが多かれ少なかれ持っているもの。
 しかし、その希望通りにお金を掴む人もいれば、変わらず貧乏なままの人もいる。

 『世界最強! 華僑のお金術 お金を増やす「使い方」の極意』(集英社刊)は、端的に両者の違いについての本だ。

 自然にお金が集まってくる人は、お金についてどんな考えを持っているのか。
 今回は本書の著者、大城太氏が、『面接の達人』など数多くのベストセラーを持つ作家、中谷彰宏氏とこのテーマについて対談を行った。

■「上司からの無理なお願いをこなすことで絆ができたし、工夫して解決する力をつけさせてもらえた」

大城:「お金に対する意識」については、日本人の中にも意識の差はあるのかもしれません。たとえば、関西と関東でも違っていて、関西では買い物をする時に値切るのが一つのコミュニケーションのようになっているのですが、東京の人はあまり値切らないですよね。

中谷:関西はその意味では海外に感覚が近い。会社員時代、ロケでニューヨークに行ったことがあって、その時に先輩が、日本より安いからということで一眼レフのカメラを買おうとしたんです。で、僕に値切り交渉をやってくれないかと頼まれました。

ニューヨークの店で、大体日本円で6万円くらいだったんだけど、先輩にいくらくらいで手を打ちますか、と聞いたら「2万円」と。

「さすがに2万はきついだろう」と思いつつ交渉に行って、店員が「ディスカウントするよ、いくらなら買う?」と言うものだから「2万円」といったら「冗談じゃない、帰れ」と。それはそうだよね。6万円のものを2万円で売れと言っているんだから。

でもね、こちらが帰ろうとすると今度は引き留めて「5万5000円でどうだ」と言ってくる。で、こっちは変わらずに「2万」と言うと、また「帰れ」とくるわけです。また帰ろうとすると引き留められる。

こっちも楽しくなってきちゃって、交渉を続けたら2万近くまで値切れたの。で、ついに2万でどうかとなった時に、店員が上司に相談しに行ったんだけど、上司がその店員のことをすごく怒るわけですよ。「そんな値段で売るんじゃない」と。で、戻ってきて「上司がダメだと言った」と言ってくる。結局、最初から最後まで、上司が叱るのも含めて全部芝居なんだよね。

ここまでくると「値切り交渉」も一種のエンターテインメントです。だから、値切ることに抵抗を持つべきじゃないし、値切られることに抵抗を持っちゃいけない。そうやってお金の感覚は磨かれていくわけだから。

大城:確かにそうかもしれません。しかし、先生はそうやって先輩に仕事以外のところで何か頼まれることに抵抗はなかったですか。今だったらほとんどの人が理不尽だと感じて断りそうな頼まれごとでしたが。

中谷:理不尽とは思っていなかったですね。そういう無理なお願いをこなすことで絆ができたし、工夫して解決する力をつけさせてもらえたんじゃないかな。

大城:今の時代は先輩が後輩にそういう頼みごとをしにくくなっていますよね。部下からすると「自分は会社から給料をもらっているのであって、先輩や上司からではない」ということなんでしょうけど。

中谷:僕は32歳で会社を辞めたんですけど、それまで毎年会社の忘年会の幹事をやっていた。自分なりに楽しんでやっていましたね。もちろん無償労働だけど、それが良かった。「タダ働きの楽しみ」って僕はあると思う。

忘年会は会社から予算が出るわけだけど、幹事やらスタッフは事前準備が大変だから、忘年会が終わったらスタッフだけで打ち上げをやりたい。でも、さすがにその予算は会社からは出ないから、「じゃあ忘年会で売上を出そう」となるわけ。

その場が盛り上がってなおかつ売上を作るとなると、「これはもうオークションしかない」と。ならば、みんなが盛り上がるような目玉商品がないといけない、ということでダッチワイフを買ってきて、職場のマドンナ的な女性社員から借りてきたブラウスとスカートを着せて出品したら、盛り上がった。

こういうことは、まったくのタダ働きなんだけど、こういう「仕事じゃない仕事」があるっていうのは、会社員の楽しみでもあるんじゃないかな。

大城:「先輩との絆」のお話がありましたが、やはり人間関係や人脈は「お金」という視点で見ても大切です。先生は今まで誰かに騙されたりしたことはありますか?

中谷:もちろんあります。でもね、騙される人というのは、人間関係のベースを「信頼」においているんです。こういう人は9敗しても後で大きな1勝がある。

ある老舗ホテルの話でね、お客の中には豪遊するだけして料金を払わずに帰ってしまう「スキッパー」もいると。彼らは一見してそういうことをする人間には見えないから、ベテランのフロントマンでも騙されてしまう。優秀なフロントマンほど騙される。面白いのは、そんなに優秀じゃないフロントマンはあまり騙されないんです。なぜかというと、常に「あの人怪しいんじゃないかな」と疑ってかかるから。

もちろん、あからさまに胡散臭い人に騙されるフロントマンはいないわけだけど、一見きちんとしている人に対して、信頼をベースにするという基本姿勢はフロントマンとして必要なことだから、それで騙されても総支配人は咎めない。

大城さんは経営者だけども、経営者というのは誰しも一度は騙されますよ。そこでくじけてしまう人は経営者に向いてない。

大城:なるほど。最後に「お金を増やすために必要な考え方」についてお話したいです。不景気な時ほど貯金に走る人が増えるといいますが、華僑には「お金は生きている間に使うもの」という意識があります。

中谷:お金が増えない人というのは、自分のところに来たボールを逃がすまいと抱きかかえてしまう。つまりお金が目的になってしまっている。

でも、お金というのはサッカーボールと同じで、ゴールを狙うための道具なんです。だから使って回していかないといけないんだけど、そのことを感覚的にわかっている人は少ない。だから、僕は「マイナス金利」というのはすばらしいと思いますよ。これからは、口座にお金を預けておくと毎月手数料を取られるようになるかもしれない。「お金は目的でなく道具」という観点からはこれが当たり前なんです。

(新刊JP編集部)

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