カロリーメイトのモデルとなった古き良き英国スイーツは?

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フランス語で菓子職人を意味する「パティシエ」が日本でも一般的になったように、お菓子の本場といえばフランス、というイメージが広く浸透しています。確かに、華があるフランス菓子は目も舌も楽しませてくれるもの。一方で、それとは対照的に、地味だけれども味わい深いのがイギリスの伝統菓子です。他国とはちょっとテイストが異なる、イギリス生まれの歴史あるスイーツをご紹介しましょう。

世界一シンプルな材料で作る「ショートブレッド」

12世紀スコットランドで誕生したショートブレッドは、クリスマスや大晦日、結婚式といった特別な機会でのみ食されていた高級菓子でした。材料は小麦粉、バター、砂糖のみ。これらを3:2:1の配合で混ぜあわせて作るショートブレッドは、世界一シンプルなお菓子といってもいいかもしれません。フォークで空けた表面の穴(写真参照)もこのお菓子ならではの特徴。ショートは「短い」ではなく、「サクサクした、もろい」という意味であり、ショートブレッドのほろほろした食感はまさにその言葉を体現しています。「ブレッド」は直訳すればパンですが、イギリスでは焼き菓子の意味でよく用いられます。ちなみに日本では栄養補助食品の代名詞として知られる「カロリーメイト」は、ショートブレッドをヒントに作られたといわれています。

かわいい人型ビスケット「ジンジャーブレッド・マン」

クリスマスの時期になるとツリーに人形のビスケットが飾られているのを見たことはありませんか? あれはイギリスで古くから伝わってきた「ジンジャーブレッド・マン」というショウガ風味の型抜きビスケット。ユーモラスな形は一種のキャラクターのように扱われ、絵本のモチーフとしてもよく登場する人気者です。かつてイギリスを統治したエリザベス1世は、大切なゲストにジンジャーブレッドのビスケットを贈呈したという記録が残っています。パキッとした小気味良い歯ごたえと、ショウガのきいた味わいで飽きがこないシンプルな味です。

イギリスの国民的ケーキ「キャロットケーキ」

イギリスのニンジンは日本のものと異なり、甘みが強く、柿を思わせるような味わいがあります。すりおろしたにんじんをたっぷり加えてオーブンで焼く「キャロットケーキ」は、イギリス人が大好きな伝統のケーキ。第二次大戦中に物資が不足していた最中に、ニンジンの甘みが砂糖の代替となることからよく作られるようになりました。ナツメグやシナモンなどスパイスの使い方で個性が出やすいケーキなので、各家庭や店ごとの味の違いも楽しめます。

質素を好み、伝統を大事にするイギリス人の国民性が反映されているのか、いずれのお菓子も甘さ控えめ、シンプルで気取りのないものばかり。けれどもそれこそが、長く広く愛され、後世に残っていくお菓子の条件といえるのかもしれませんね。

参考文献:『イギリス菓子図鑑』 羽根則子 誠文堂新光社 『おいしいスイーツの事典』成美堂出版

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