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『スポットライト』レイチェル・マクアダムス来日会見 「被害者たちに勇気を与えることができた」

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カトリック教会が隠蔽してきた“神父たちによる児童への性的虐待”を暴き、ピューリッツァー賞に輝いたボストン・グローブ紙の実話を描いた映画『スポットライト 世紀のスクープ』。今年度アカデミー賞で作品賞&脚本賞の2冠に輝いた本作がいよいよ4月15日(金)から日本公開を迎えるにあたり、女性記者サーシャ・ファイファー役を演じたレイチェル・マクアダムスが初来日を果たした。

今年度アカデミー賞で助演女優賞にノミネートされたマクアダムスは、14日(木)に日本外国特派員協会(東京・有楽町)で開催された記者会見に登壇し、日本や海外の記者からの質問に応じた。

Q:サーシャ・ファイファーご本人と密にコミュニケーションをとりながら役作りを行ったと聞きました。ジャーナリストに対してどのような印象をお持ちですか?

マクアダムス:ジャーナリストは一筋縄ではいかない仕事だと学びました。また、調査報道というジャーナリズムの存在が少しずつ失われつつあることも知りました。サーシャを始めとする記者たちの陰の仕事ぶりを目にして、普段は光が当たらない彼女たちに文字通り“スポットライト”が当たったことを嬉しく思います。ジャーナリズムは、言葉では語り尽くせないほど重要な仕事だと考えています。

長期的な調査報道をしている時には、記事の執筆・掲載にたどり着くまでに長い時間を要します。ゴールがあるという確かな保証がなくても、それを続けていかなくてはならない。「それでもきっと真実を見つけるんだ」という信じる心は素晴らしいと思いました。

Q:映画の製作の段階で、製作陣は他の宗教でも同じような虐待事件があったかを調査しましたか?

マクアダムス:カトリック教会で起こった性的虐待の被害は甚大で、他の宗教に目を向ける余裕はありませんでした。ボストン・グローブ紙が事件を暴いた当時、同様の被害者からたくさんの連絡があって、そのすべてを報道することはできないほどの数だったそうです。今回の映画をきっかけにして、また同じことが起きていると聞きました。声なき者に声を与えられた、被害者たちに勇気を与えることができたのは、意義深いことだと感じています。

Q:この映画を通して、ご自身の信仰については何か変化がありましたか?

マクアダムス:私自身はプロテスタントの家庭で育ちましたが、ゴッドマザーが敬虔なカトリック信者でした。製作中に彼女が存命だったとしたら、この事件に向き合うことは辛かったと思います。とはいえ、この作品はカトリック教会や信仰そのものを否定するのではなく、対話を通して事件に向き合うきっかけを与えるものです。私自身は信仰に対して敬虔な方ではありませんが、この事件と向き合う葛藤については非常に理解できます。映画で描かれている通り、サーシャ自身はカトリックの家庭ですが、実際に事件を調査している間は自分の考えや家族の思いはまず横に置き、第一に事件の真相を追うことを選んだそうです。それもまたジャーナリズムの在り方なのだと思います。

Q:素晴らしいキャストたちとの演技を通じて新しい発見はありましたか。

マクアダムス:今作には本当に素晴らしいキャストが集いました。実在のチームと同様に、我々も仕事を通じてひとつの家族になれた気がします。サーシャと同じく、私はチーム唯一の女性、そして一番の若手でしたが、何か不自由を感じることは一切ありませんでした。マーク・ラファロがムードメーカーになってくれ、シリアスな題材でも楽しく仕事をしても良いのだと学びました。監督も同様で、題材に対するリスペクトを持ちつつ、現場のトーンが重くならないように私たちの気持ちを高めようと努めてくれました。

Q:これまでも数々の作品に出演されてきましたが、女優としてのモチベーションを得るのはどんな時ですか?

マクアダムス:最初に今作の脚本を読んだ時には、「誰がこの映画に興味を持ってくれるだろう」と思ってしまいました。いわゆる映画館に駆け付けるタイプの作品ではなかったからです。しかし、よく知られた事件のよく知られていない細かい部分を丁寧に描くことで、本当に大勢の観客が劇場に足を運んでくれました。決して派手な作品ではありませんが、忍耐強く最後まで鑑賞してくれました。そのことで、私は大きな勇気を得ることができました。観客のみなさんも、真実に迫る物語を観たいのだと感じることができたのです。映画を通して語られるべき物語は、まだまだ世の中にたくさんあると思います。これからも、そういった作品に出演できたら嬉しいです。ただ、今作のような作品は、一生に一度の巡り合わせかもしれません。それでも、一生に二度を目指して頑張っていきたいと思います。

映画『スポットライト 世紀のスクープ』予告編(YouTube)
https://youtu.be/oquYB13OQEI

映画『スポットライト 世紀のスクープ』公式サイト:
http://spotlight-scoop.com/

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記者:

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

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