【映画レビュー】バカバカしい設定を大真面目にやるのってさ最高じゃん?『テラフォーマーズ』

テラフォーマーズ

累計発行部数1,600万部を突破し、熱狂的人気を誇る漫画「テラフォーマーズ」が完全映画化。三池崇監督がメガホンをとり、伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之、小栗旬ら豪華俳優陣がキャスティングされた話題作がいよいよ4月29日より公開となります。

話題作、そう。良くも悪くも話題作。人気コミックの実写化は叩かれやすいと分かっていながらも、本作は特に色々言われている様に思います。公開前なのにアレコレと。でも、映画ってあくまで娯楽なんですから筆者は個人的にはそれでも良いと思ってます。あと「無関心」が一番悲しいんで、叩かれるだけマシ? とか……。うーん、でも作り手はやっぱ悲しいんだろうな、とか作り手でも無いのにゴチャゴチャ考えているわけです。

が、もしかして『テラフォーマーズ』の作り手・関係者の方ってそんな事まーったく気にしてないかも? 筆者は一足お先に鑑賞させていただきましたが、色んな細かい事全部吹っ飛ばすものすごいパワーを感じました。正直に言ってめっちゃくっちゃ面白かった!!

ちなみに、筆者は原作「テラフォーマーズ」は全部読んでいますし「ヤングジャンプ」もリアルタイムで毎週読んでおります(アシリパちゃん天使!)。これまでに登場した虫の名前が全部言えるほどでは無いけど、原作ファンだと自負しています。まず、「テラフォーマーズ」を初めて読んだ時、もしくは設定を聞いた時の気持ちを思い出して欲しいんですけど、

人口過密で貧困に悩まされる人間は、地球の次に住む惑星として火星に目をつける。でもそのままだと寒くて人間が住めないので、ゴキブリを放ち、地表を黒くしてあっためようとする。しかし、そのゴキブリ達は謎の超進化を遂げ、二足歩行で人間を殺すムキムキ怪人“テラフォーマー”になっていたのだ。

筆者も最初にこの設定を見た時、ああすごい、よくこんなこと思いつくなあ、と感心したものです。しかも、そのテラフォーマーを駆逐する為に昆虫の能力を人間の体に憑依させちゃうって「昆虫バトル」とか「昆虫王決定戦」みたいでアガるし、そんなハジけた設定を大真面目にシリアスに描いているのが「テラフォーマーズ」の面白さじゃないんですかね。「バカバカしい設定を大真面目にやる」。筆者の様に「ツッコミどころ満載だけど、でもおもしろおおい!」って言うのを魅力に感じている方がいれば、きっと映画も満足出来るんじゃないかな、と。

そして、実写で良いなと思った箇所・好きな箇所を挙げると「役者さんが濃くてアツい」「虫の説明が分かり易い」「ちゃんとグロい」という3点なのですが、まずは役者さんが皆さんすごく楽しそう&個性的で、筆者も役者だったらああやって散りたいと思っちゃいましたね(謎目線)。全員素晴らしいですが、特に小池栄子さんが素敵です。

後は実写ならではの良さだと思うのですが、登場する虫の説明が分かり易い。コミックだと文字や説明が多いけれど、映画だと能力も視覚的にスッと入ってくる。変化した後も、それぞれの個性が際立っていてカッコイイ。山下智久さんがバッタになっちゃうんですから、そんな映画確実に今後もう出ないでしょう。

最後に、三池監督ですからやっぱりちゃんとグロいです。これに関しては「人間じゃなくてもう虫に変化しているから」という理由で自由に出来たと聞いていますが、そのへんのお話はこの後公開する三池監督のインタビューにてじっくりと。

ともかく、筆者は映画『テラフォーマーズ』が好きだ! ちょっとでも映画が気になって、でも前評判が悪いからやめちゃうのはもったいない。映画評を書いている方は自分の意見を書いているわけで、それに踊らされすぎちゃうと「意外と面白かった」に出会えない。映画なんて娯楽なんだから好きなもの観ましょう。

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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