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義足モデル・GIMICOさんインタビュー 「自分は“素材”になりたいんです」 [オタ女]

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日本で初めての義足モデルとして、写真家のレスリー・キーさんや蜷川実花さんの被写体や、さまざまなミュージック・ビデオ、ショーなどに出演しているGIMICOさん。前衛的な表現からファッションまで先鋭的な作品やイベントに登場し、注目を集める存在です。
『オタ女』ではそんなGIMICOさんにインタビューを敢行。モデルになったきっかけからそのポリシー、経営をしているブラジリアンワックス、そして最近話題となっている“欠損女子”についての見解まで語って頂きました。

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ーー多感な時期に右足を切断されたということですが、今振り返ってみてどうでしょう?

GIMICOさん(以下G):中学二年生で骨肉腫、約七ヶ月の入院生活、生きるために右足切断を選び、抗がん剤で髪の毛も抜けて……って結構衝撃的なエピソードだと思うんですが、よく決断できたな、偉いな、今の自分だったらその選択できたかな、って違う人の事のように思います。人生で一番の出来事と見られがちなのですが、そんなこともなくて、14歳よりもその後の人生の方が濃いのは当たり前ですからね。忘れたいわけじゃなくて、日々の生活に追われ、普通に生きていたらだんだんと忘れてしまったというのは自然な事だと思うんです。理解されるのは難しいでしょうけれど、振り返ってみると、いい思い出といっても過言ではないくらい、遠い昔の記憶。楽しかったこともあったし、いい思い出。「時間薬」とはよく言ったものですね。

ーーその「いい思い出」とは、例えばどんなことですか?

G:大学病院の整形外科なので、大人も子どももいろいろな人間がいるという環境が面白かった。糖尿病で足が壊疽していくのを恐れたおじさんが自分で指を切断してしまったり、前科持ちの人と、その人を捕まえた元警察官がたまたま隣のベッドで入院していたり、自殺未遂を繰り返している看護師と仲良くなったり……。14歳にしてはなかなかハードな、普通に過ごしていたら経験できないことばかりでしたね。

ーーなんだかそういったご経験を掘り下げるだけでお腹いっぱいになりそうですね。

G:人生ネタ作りみたいなところが私にはあるので(笑)。いろいろな人を見るのも好きだし、いろいろな想像を巡らして「本を書けないかな」と打算的に思っていました。だから自分のことも俯瞰して見るクセがついたということはあるかもしれないですね。

ーーモデルをやってみよう、というきっかけについても教えて下さい。

G:オイプロというアンダーグラウンド専門のキャスティング会社があるんですけれど、Oi-chan(おいちゃん)がたまたま『Numero』編集長の田中杏子さんがやっていたブログで紹介されていて、それを見て「ここなら私ウケるかも」と思って、気軽な気持ちでメールしてみたんですね。連絡して、一週間後くらいにレスリー・キーの撮影でした。

ーーいきなり世界的なカメラマンとのお仕事というのも凄い話ですが、もともとショービジネスに関心があったのでしょうか?

G:もともと私はファッション系の専門学校に進学して上京してきたのですが、卒業してそういった仕事をするわけでもなく、正社員も一度して、アルバイトや派遣をたくさんして、どうしようか考えた時に、努力するのがイヤだったんですね(笑)。クリエイティブに関わりたいけれど、だれかの弟子になるとか、そういうのは違うな、と。それで、憧れてきた人の作品の素材になりたいなと思ったんです。私で、ビジュアル的なアピールポイントと言えば、義足くらいしかないかな、と(笑)。

ーーその後、蜷川実花さんとのお仕事でも素敵な姿を披露されています。

G:森美術館で『医学と芸術展』というのが決まっていて、ちょうど半年前にモデルとして活動をはじめていたので、それで声がかかったのだと思います。

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記者:

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

ウェブサイト: http://yaplog.jp/parsleymood/

TwitterID: parsleymood

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