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『新聞の裏側』というサービスがほしい

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レジデント初期研修用資料

今回はmedtoolzさんのブログ『レジデント初期研修用資料』からご寄稿いただきました。

『新聞の裏側』というサービスがほしい

メディアとしての新聞が、報道を通じて、裏側でどんなことを考えていて、世の中をどういう方向に持って行きたいのか、報道された記事だけを追っかけていても、なかなか見えてこない。

裏側の思惑みたいなものは、むしろ“報道されなかったこと”を通じると見えてくる。あらゆる事実がどこかで報道されている現在ならば、たとえば朝日新聞なら、“その日朝日新聞が報じた事件”と、“その日朝日新聞が報じなかった事件”とを併記して、それを通じた“朝日新聞的なものの考えかた”の理解を提供する、そんなサービスがあったらうれしいなと思う。

扇動の昔

昔の扇動者は政府の不作為をたたいた。「私のつかんだ事実によれば」と論をおこして、政府のだらしない部分を暴いて見せて、政府の転覆を約束することで、聴衆から寄付を募った。

事実を得るにはお金がかかるし、危険が伴う。他のメディアが報じていない、その人しか知らない事実を知るためには危ない場所に入り込む必要もあるし、そんなことを毎日続けられるわけがないから、事実を切り売りする仕事を個人で続けるのはとても難しい。事実を取材して販売する、それを続けているマスメディアは、たしかにもうけているのだろうけれど、その反面、情報の収集に、莫大な資金を投じている。個人の取材者がマスメディアに互していくのはまだまだ難しい。

今の扇動者は、政府は、あるいはマスメディアは「真実を隠蔽している」とたたいてみせて、「真実が知りたいのならばこのメルマガを」と論をつなげる。これはけっこう手堅い商売になっているのだと思う。

ゆがみのない事実の探しかた

ゆがみの少ない情報というものは、公開されている記事から導くことができるのだという。

佐藤優さんの本に、情報収集の大半は、新聞をはじめとする公開されている情報からの抽出なんだと書かれていた。ソビエト連邦のプラウダにしても、ゆがめられたことしか書かれていないのだけれど、ゆがみが常に一定だから、元情報を復元できる。外務省職員がまずやるべき仕事は、その日その国で発行されている全ての新聞に目を通して、ある新聞に“何が書かれていないのか”を見つけ出すことなのだと。

個人ジャーナリストの人たちは、自らの経験や知識を利用して、既存メディアの報道から正しい情報を導いてみせる。これをやるには経験がいるし、その経験が本当にあてになるのかどうか、導かれた事実に本当にゆがみが残っていないのか、検証できない。このあたりの逆算を機械的に行えると、記事を読むときの参考になるのではないかと思う。

こんなサービスがほしい

たとえば“その日朝日新聞が報道しなかった記事”の一覧が読めたなら、朝日新聞それ自体を、ずいぶん違った目線で読めるようになる。その日の紙面を作った記者の人たちが何を考え、どんなゆがみを抱えて、あるいは押しつけられているのかを考察できる。

今のマスメディアは“全てゆがんでいる”ことになっているけれど、記事の数は十分に莫大で、ネットを通じて容易に収拾できる。その日にネットで公開された全ての新聞記事をクロールして、タグ付けを行ったうえで、そこから朝日なら朝日新聞に載った記事を引き算すると、“その日朝日新聞が報道しなかった記事”を閲覧することができる。タグ付けさえ終了すれば、裏朝日、裏日経、裏毎日、裏赤旗みたいな記事リストが、クリック一つで選択できる。

タグの精度を増すような仕組みが作れれば、たとえば読売新聞の記事の最後に、「この記事を朝日が報道しない確率は○%」「この記事を赤旗かスルーする確率は○%」みたいに、予報を重ねることもできる。“記事を批判的に読む”という作業に数字の裏付けが得られるから、役に立つと思う。

記事の収拾と解析というものを、新聞社の人たちがどこまで許してくれるのかが問題になるだろうけれど、公開情報を収集することで、けっこう面白い結果が得られる気がする。

執筆: この記事はmedtoolzさんのブログ『レジデント初期研修用資料』からご寄稿いただきました。

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記者:

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