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公教育として認知では意味がない!公教育そのものをフリースクール化せよ!

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不登校の児童生徒は全国に12万人も存在

昨年来の教育再生実行会議による提言や文科省の有識者会議の議論を受け、自民、民主、維新、公明、共産各党からなる超党派の議員連盟が、不登校児童・生徒を支援するためにフリースクールや自宅学習など、学校以外の教育機会を義務教育制度に位置付ける「多様な教育機会確保法案」の国会提出を準備しています。国や自治体による経済的支援を努力義務として盛り込んで2年後の制度開始を目指していますが、政党間の意見調整や安保法案など他の重要法案の審議の遅れから、残念ながら今国会での成立は難しそうな状況です。

今や不登校の児童生徒は全国に12万人も存在します。中学においては、1クラスに平均1人以上の不登校生がいる計算です。中には学習意欲があっても病気や障害、いじめなどさまざまな理由で登校できない子どももいます。そうした子どもたちに学校以外で教育を受ける選択肢を拡げることは、学びの形が多様化している21世紀としては当然のことで、むしろ遅きに失したくらいです。

フリースクールの存在意義とは

実は20年以上前から、在籍学校長の裁量でフリースクールなどの民間施設に通った期間を出席扱いとし、進級・卒業させることは許容されていました。今回の法案は、いわばそれを追加公認するものです。このところ、有識者会議が離島や過疎地で遠隔授業を認める改革案を提示したり、性同一性障害の子どもに配慮を促す文科省通達が出されたりするなど、多様化が進んでいる学習者や学習環境の実態を、国が後追いする施策が続けて打ち出されています。

フリースクールを義務教育制度に組み込むにあたり、生徒ごとの学習計画の妥当性や進級・卒業の認定基準、学習施設の質の担保方法など、いくつか課題も指摘されています。しかし、教科書も時間割も授業内容も「全員一律」という現在の学校教育が間尺に合わずにフリースクールへ通っている子どもも多いという事実に目をつぶり、カリキュラムや成績評定など既存の学校制度に準じる枠をはめたのでは、フリースクールの存在意義が消えてしまいます。

口出しすることを控えることがフリースクールの精神を生かす鍵

「6歳で小学校に入学して毎朝8時半に登校し、決められた教科書で規定通りの時間割に従って皆と同じ授業を受け、4月になれば自動的に進級する」。それだけが教育ではないはずです。フリースクールに限らず、家庭学習、通信教育、遠隔授業、オンライン学習、夜間中学、生涯学習など、百人いれば学び方も百通りあって良いはずです。

生徒一人ひとりの学力や性格、体力、興味関心、将来の目標などに即して柔軟に対処し、国や自治体は経済的支援に専念して、教育現場に口出しすることは極力控えることがフリースクールの精神を生かす鍵です。

発想の大転換をすることを国会議員や文科省には期待したい

今回のフリースクール法案は主に不登校の児童生徒を対象として想定していますが、本来、学びに年齢や性別、人種などは関係ありません。例えば、定年退職後のシニア、自分の子どもに教えたい主婦、初等教育からやり直したいニートの若者、外国出身者など、老若男女関係なく意欲ある人は誰でも学習機会を得られる社会が実現することを願います。

学びたい人が学びたいことを、学びたいときに学びたい場所で学ぶ、これこそが本来あるべき学びの姿です。そう考えれば、公教育制度にフリースクールを取り込むという考えに留まるのではなく、日本の公教育全体をフリースクール化するくらい発想の大転換をすることを国会議員や文科省には期待したいと思います。

(小松 健司/個別指導塾塾長)

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