ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

モーニング娘。新時代のエース“鞘師里保”の生き様――― 17歳で卒業を決断したアイドル人生「突き抜けたいです」

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 10月29日夜、モーニング娘。’15の鞘師里保が年内での卒業を発表。昨年秋の道重さゆみ卒業後、新生モーニング娘。の顔とも言うべきメンバーだった彼女は、この“17才の決断”に至るまでどんな想いを胸に活動していたのだろうか。

モーニング娘。鞘師里保 キュートなライブ写真一覧

<広島が生んだスーパーアイドル、鞘師里保(人見知り)>

 鞘師里保は、1998年に広島県東広島市で誕生。アクターズスクール広島で6歳(2005年)よりダンスや歌を習いながら「早くモーニング娘。になりたい」と、そのスキルを磨いていた。そして2010年、モーニング娘。主演舞台『ファッショナブル』のオーディションに合格し、憧れのメンバーと念願の初対面を果たすも……

 「嫌ってるのかと思いました(笑)」(道重さゆみ)
 「その舞台には無邪気な子たちが多くて「道重さーん! 一緒に写真撮ってください!」「すごーい!」みたいな感じだったんですけど、そこにひとりだけ「ふーん」みたいな大人びた子がいて。ひとりだけ違う感じで、逆に「あの子は何を考えてるんだろう?」って興味が湧きましたね。」(高橋愛)

 と、後に語られるほどの人見知りを遺憾なく発揮し、2011年のモーニング娘。加入後もしばらくは「真面目です。「そんなに気を遣わなくていいんだよ」って思っちゃうぐらい」と当時のリーダー高橋愛が若干心配するほどだった(道重さゆみに限っては「抱きしめたくなる可愛さ。超可愛い。ヤバイですね。新エースとして期待してます。もう可愛い。本当、可愛いしかないです」とひたすら寵愛していた)。

<いつしかメディアやファンから「絶対的エース」と呼ばれていた>

 が、その一方でパフォーマンススキルは新メンバーの中で群を抜いており、高橋愛や新垣里沙といった一時代を築いた先輩たちが卒業していく中で、気付けばアイドル特有の“キラキラ”を凌ぐ“ギラギラ”した存在感を爆発させ、田中れいなと共にメインボーカルやセンターを張る存在となる。

 「私は入ってきたときに「ダンスが得意です」って言っちゃったんですけど、鞘師さんの存在はやっぱり大きくて。もちろん“負けたくない”と思うところはあるんですけど、私のダンスでは敵わない。」(石田亜佑美)

 「れいな、鞘師には言ってないけど、鞘師のことめっちゃ見てますから。今、可愛がってあげたいナンバーワン。パッと見たら目が合ったりするけん、「今、絶対見よったよね? れいなのこと」みたいな。だから可愛がってあげたいなって思うけど、鞘師は甘え下手だから来ないんですよ。れいなにも、さゆにも。かと言って「おいでー」とか言うタイプじゃないけん、距離感はあるんですけど、れいなの心は向いてます」(田中れいな)

 一切驕ることなく、現状の自分に満足することなく、ストイックにスキルアップに務め、先輩にも後輩にも一目置かれ、いつしかメディアやファンに「絶対的エース」と呼ばれていた鞘師里保。この頃、モーニング娘。の新時代を牽引する存在になると、多くの人が信じて疑わなかっただろう。

<自分はモーニング娘。に必要じゃないのかも>

 しかし、彼女はまだ幼く、本来であれば歴史ある「モーニング娘。」の看板を背負えるような年齢ではない。しかも鞘師里保はモーニング娘。が本当に大好きだった。モーニング娘。を世間に広めたい想い、モーニング娘。をナンバーワンにしたい想いは強烈なほど凄まじく、こちらが「モーニング娘。が今一番格好良いアイドル」と褒めれば、あのギラギラした目つきで強くガッツポーズを決め、マスコミによる囲み取材では「次も1位!」「紅白を狙います!」などの挑戦的な発言をガンガンしていく。その姿には「誰よりもモーニング娘。が好き!」と言って卒業していった先輩たちにも劣らぬ、モーニング娘。への愛が溢れていた。故にそのグループのエースで在り続ける者としての重圧が凄かったことは、容易に想像できる。

 「「こんな私がモーニング娘。をやっていけるのか?」とか「もしかしたら自分はモーニング娘。に必要じゃないのかも」って思ったこともあります」(2013年秋インタビュー http://bit.ly/1PYDHW3)

 「どうしても調子悪い日とかは「歌えない」って思うぐらい、自分が嫌になっちゃうこともあって……でもそんなときにステージに立つと本当に励まされるというか、ファンの方ひとりひとりの顔を見ると、そういう気持ちになっていたのが申し訳なくて涙が出てきたりとか……………………」(2013年冬インタビュー http://bit.ly/20frgcT)

<「道重さんに勝ちたい!」って思える自分がいるのが嬉しかった>

 が、鞘師里保は何度も自分を鼓舞させながら、敬愛するリーダー 道重さゆみの背中を必死に追い掛けながら、モーニング娘。史上最高記録となるオリコンシングルランキング5作連続1位の快挙達成という、モーニング娘。再ブレイクの証とも言える結果にエースとして貢献。道重さゆみ卒業発表を受け、モーニング娘。の未来について不安を抱いていた時期も、このグループが更なる高みへ辿り着けることを信じ、闘志を燃やしていた。

 「「モーニング娘。格好良いなぁ」って言われたい。私が「モーニング娘。に入りたい!」となったのも「格好良い!」って思ったからですし、それが今の私のパフォーマンスとかに繋がってると思うんですよ。安室奈美恵さんとかは憧れ!なので、手の届く場所じゃないですけど(笑)、でもそういう人たちが観ても「格好良いな」って少しでも思ってもらえるようになりたいです」(2014年秋インタビュー http://bit.ly/ZPyR7u)

 そして伝説の日。2014年11月26日 横浜アリーナ。【モーニング娘。’14 コンサートツアー秋 ~GIVE ME MORE LOVE~ 道重さゆみ卒業記念スペシャル】(http://bit.ly/1tvFXVs)では、道重からの愛=まさかの唇へのキッスをもらい、足が動かなくなってもステージでパフォーマンスを続ける道重のイズムを受け止め、以下の言葉を残した。

 「道重さんのひとつひとつの発言とか行動を大切にするところとか、人を大切にするところとか、常に自分の気持ちに正直でいる女性だなと見ていました。存在感があって、たくさんの方に影響を与える道重さんは「本当に格好良いなぁ!」って思いました。そんな格好良い道重さんを見て、私、何度も何度も嫉妬しちゃうことがあって。そのときに「自分が成長しなきゃ」とか「変わらなきゃ」とか思えるのがすごく嬉しくて、「道重さんに勝ちたい!」って思える自分がいるのが嬉しかったです。道重さんがこうやって創ってきてくれたモーニング娘。をこれからは私たちがしっかり引き継いでいきます! そして私、道重さんに対して感情表現が上手じゃなかったと思うんですけど……今日は言わせてください。道重さん、本当に本当に大好きです!」

 あれからもうすぐ1年。モーニング娘。’14はモーニング娘。’15となり、メンバーは道重さゆみと駆け抜けた日々を各々それぞれの形で力に換え、プロデューサーであるつんく♂の声帯全摘出/ハロー!プロジェクト総合プロデューサー退任といったショッキングな出来事も歌やダンスに昇華し、誰もがセンターを狙える逞しいグループへ成長していた。

 そうして力を蓄えた13人がモーニング娘。’16でどんなドラマを見せてくれるのか。いよいよ新時代のモーニング娘。がシーンの中心で大暴れしてくれるのではないか。と想像を膨らませていたのは私だけじゃないだろう。そのイメージの中には、小さな目をギラギラさせながらガッツポーズを決めている鞘師里保の姿ももちろんあった。

<尊い、不器用に生きてきた17才の決断>

 10月30日夜現在、鞘師里保の卒業発表は各メディアの誌面を賑わし、世界中のファンや同業者に衝撃を与え続けている。当然だ。彼女は2011年の加入以降、早々に偉大なる先輩メンバーと共にグループの中心人物となり、エースとして近年のモーニング娘。再ブレイクの要因となったメンバーであり、ゆえに道重さゆみ卒業後のモーニング娘。を牽引していく存在になると誰もが疑わなかったからだ。しかもその年齢はまだ17才。ここからアイドルとしてデビューしてもおかしくない若さである。あまりに早い。

 とは言え、これまでモーニング娘。の歴史上、卒業発表を撤回したメンバーは存在しないし、幼い頃からモーニング娘。が好きで好きで仕方がなかった鞘師である。卒業という決断に到るまでには、我々の想像を絶する葛藤や苦悩があったことだろう。「まだモーニング娘。でありたい」「モーニング娘。の鞘師里保でいたい」という想いがキレイさっぱり消え去って、「英語やダンスを学ぶために留学します。卒業します」と言えるほど器用な女の子でないことは、彼女を見続けてきた人間であれば誰でも分かる。

 ゆえにこの決断は尊い。

 鞘師里保が愛し、戦い、常に高みを目指し続けてきた場所、モーニング娘。からの卒業は尊重しなくちゃならない。それが鞘師里保と鞘師里保のいるモーニング娘。に魅了され、鼓舞され、共に夢を見させてもらった者たちにとって、残り2か月の彼女のモーニング娘。人生を“応援”するということ。17才の決断を「これでよかった」と彼女自身がこの先、心底思える瞬間に辿り着く為に我々が出来る事なのではないだろうか。

 「今は他のハロプロメンバーやアイドルと比べられることが多いんですけど、鞘師里保というひとつのジャンルというか、ひとつの形を確立して、違う土俵に立てるようになりたい。突き抜けたいです。」(2014年秋インタビュー http://bit.ly/ZPyR7u)

 鞘師里保、卒業まであと62日。
 
取材&テキスト:平賀哲雄

◎モーニング娘。’15鞘師里保コメント

いつもモーニング娘。’15を応援していただきありがとうございます。

皆様にお伝えしなければいけないことがあります。

私、鞘師里保は、
今年の12月31日をもってモーニング娘。を卒業します。

幼稚園の時から憧れだったモーニング娘。に小学6年生で加入して約5年間、つんく♂さんをはじめ、多くのスタッフの皆さん、モーニング娘。とハロー!プロジェクトのメンバーの皆さん、そして何よりファンの皆さんに支えられて今日まで走り続けてきました。

ですが、その走り続けている中で今後の人生を考えることが今年に入り多くありました。
一人の人間として強く生きていくために経験しなければいけないことがあるのでは?と思うようになりました。

事務所の方々と何度も相談し、今年から本格的に始動した12期メンバーの後輩達の成長が確認できたこのタイミングでモーニング娘。を卒業する事を決めました。
卒業日に関しても、モーニング娘。に加入して丸5年、「モーニング娘。’15」として最後の日、12月31日のカウントダウンライブで卒業することを決めさせて頂きました。
モーニング娘。のツアーは、12月7日、8日の日本武道館公演が最後となります。

突然の発表になってしまってごめんなさい。
驚かせてしまったと思います。
でもこれまで私の中でずっと思い悩み続けていました。
その中で導き出したのが、今回の決断です。

今後は、英語やダンスを学ぶために留学をしたいと考えています。
そのなかで、たくさんの経験を積んで大きく成長し、早く戻ってこられるように頑張っていきたいです。

卒業まで2か月と限られた時間となってしまいますが、それまで、メンバー達と共に「モーニング娘。’15」を全うしたいと思います。

12月31日まで全力で駆け抜けていきたいとおもいますので、皆さんよろしくお願いします!

関連記事リンク(外部サイト)

モーニング娘。’14“エース”鞘師里保 初単独インタビュー「ひとつの形を確立して、違う土俵に立てるようになりたい。突き抜けたいです」
モーニング娘。’15 生田「絶対センター狙いたい!」宣言 鞘師による「ポゥ!」祭りや武道館2days公演発表も
モーニング娘。’15 約18年にもわたる娘。の歴史を継承、そして大きく踏み出した日本武道館公演“超えていく物語”

Billboard JAPANの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP