ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

伝説のフォトグラファー、アントン・コービンが映画で描く〈カリスマスターと天才写真家〉の関係性とは!?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 「20世紀最大のスター」「傷ついた青春のアイコン」「反逆のヒーロー」などと呼ばれながらも、24歳という若さでこの世を去ったジェームズ・ディーン。そんな彼と、天才写真家との2週間の旅を描いた映画『ディーン、君がいた瞬間』が12月にいよいよ公開される。

 去る10月24日には、第28回東京国際映画祭特別招待作品でもある本作を監督したオランダ人フォトグラファー、アントン・コービン氏が来日! U2やペッシュ・モードのメインカメラマンを30年以上も務めるなど、”伝説のロック・フォトグラファー”としても知られるコービン監督。そんな彼が描き出す「カリスマスターと天才写真家」との関係性とは!?

●コービン監督が興味を持ったのは、もう一人の主人公だった。

 この映画には、ジェームズ・ディーン以外にもう一人の主人公がいる。それが、実在の天才写真家デニス・ストックだ。
「多分、タイトルを聞くと、ほとんどの人がジェームズを思い浮かべると思う。でも、40年近くカメラマンとして表舞台に立つ人たちを撮ってきた僕にとってより興味が湧いたのは、デニスの方なんだ。写真家のデニスと、被写体のジェームズの関係性にも共感できたよ」(コービン監督)

 実はコービン監督、この作品を撮るまでジェームズのことをあまり知らなかったのだとか。「僕は1955年、ジェームズが死んだ年に生まれたから、もちろん彼には会ったことがない。彼との出会いは、10代後半くらいのときに見たポスターだった。でも、彼をのことをよく知るようになったのは、本作を撮ってからだね。それまで、僕の中で彼は単なる”ポスターボーイ”だった。”人物”としてのジェームズを知ったとき、彼は1950年代半ばの時代の変化の中で、とても重要な人物だったと感じたよ。それがこの映画を通して、みなさんに知ってもらえると嬉しい。うまく描けていたらいいんだけど」と語った。

●写真家が被写体との信頼関係を築くには?

 ところで、自身も名だたる有名アーティストの写真を撮り続けているコービン監督。被写体との関係性はどのように築いているのだろうか。

「家族の一員のようになって接すると、ほかのカメラマンが入り込めない状態を作ることができるんだ。すると、とてもユニークな写真を撮ることができるんだよ」と、信頼関係を築くコツを伝授してくれたコービン監督。長年撮り続けてきたU2とも、家族のような関係性を築いているそうだ。彼の”信頼関係のコツ”は、”写真家と被写体”という関係性以外にも応用できるシンプルな方法だと思う。信頼関係を築きたい相手に実践してみる価値アリだ。

 また、そんな写真家と被写体の信頼関係は、本作でも同じように感じ取ることができるという。「ディーンとデニスとの間に特別な友情が生まれたからこそ、デニスはディーンの特別な場所である”生まれ故郷”で撮影できたんだと思う」(コービン監督)

●「最初は会ってもくれなかった」……コービン監督がめげずにオファーした俳優とは!?

 本作でジェームズ・ディーンを演じたのは、デイン・デハーン。日本でも人気急上昇中の若手実力派俳優だ。実は最初、デインは、オファーを持ちかけてきた監督と、会うことさえ拒否したそう。その理由は、「ジェームズが大好きすぎて、僕にはとてもできない」というものだったのだとか。それでも諦めきれない監督は、共通の友人であるメタリカのドラマー、ラーズ・ウルリッヒに、デインを説得するよう頼んだという。

 そこまでしてデインに演じてほしかった理由を聞かれたコービン監督。「デインは『アメイジング・スパイダーマン2』のハリー・オズボーンなど数々のキャラクターを演じてきた。彼は、どんなキャラクターを演じても、実在しているように観客を信じさせることができる俳優なんだ。キャラクターに外見を似せることはある程度できても、所詮、本物にはなれない。本物とのギャップを埋める才能を、デインは持っているんだよ」と語った。

映画『『ディーン、君がいた瞬間(とき)』より

 「この映画は、なにか大きなメッセージを伝えるためのものではなく、ニュアンスを楽しんでもらう作品なんだ。原題『LIFE』は、LIFE誌の意味でもあるが、誰かに出会って自分の人生が変わるという”人生”の意味も込めている。僕自身も絶妙なニュアンスを作り出すことができたし、主演の二人も、被写体とカメラマンの関係性を素晴らしく表現してくれたよ」(コービン監督)

 ハリウッドのカリスマスターと天才写真家が出会い、時代を変えた物語を、ハリウッドの未来を担うデイン・デハーンとロバート・パティンソンの競演で描き上げた本作。写真家である監督が描く”写真家と被写体の関係性”と、若き俳優の才能を一度に楽しめる本作を見れば、あなたの「LIFE(人生)」の価値観が変わるかもしれない。

(取材・文/アヤカ)

***

『ディーン、君がいた瞬間(とき)』
12月よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

監督:アントン・コービン
出演:デイン・デハーン、ロバート・パティンソン、ジョエル・エドガートン、ベン・キングズレー、アレッサンドラ・マストロナルディほか
配給:ギャガ 

原題:LIFE
2015年/カナダ・ドイツ・オーストラリア合作/112分

公式サイト:http://dean.gaga.ne.jp
Photo Credit:Caitlin Cronenberg, ©See-Saw Films  

■関連記事

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』DAYにゼメキス監督が来日! 新作は伝説の綱渡り男
『パパが遺した物語』アマンダ・セイフライドは日本ラブ! お母さんと一緒に日本を満喫。
キアヌ・リーブスが超接近戦ガンフー(カンフー+銃)で70人殺す! 映画『ジョン・ウィック』は「マトリックス」よりもカッコいい

BOOKSTANDの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP