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“ジャズ”を中心に巻き起こっている、新たなムーブメントとは?

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 音楽に触れるとき、過去の名盤の数々を掘っていくのは、もちろん楽しいことですが、せっかく今この時代に生きているのならば、現在進行形で変化を続けるグルーヴにも身を委ねてみたいところ。そうした思いに、十二分に耐え得る強度を持った新たなムーブメントが、今、ジャズを中心に巻き起こっているといいます。

 たしかな技術を基盤とし、さまざまな従来のジャンルを横断、ミュージシャンたちが互いに呼応し合うことで生み出される、もはや既存のジャンル名では捉えきることのできない、新しい音楽。

 本書『Jazz The New Chapter 3』では、そうした21世紀以降の新しいジャズシーンで活躍する、注目すべきミュージシャンたちへの豊富なインタビューを掲載。同時に、200枚に渡るディスク評も収録された、充実の内容となっています。

 2015年を代表するアルバムのひとつ、ケンドリック・ラマーの『To Pimp A Butterfly』を紐解いていくところからはじまる本書ですが、同アルバムは、ヒップホップのアルバムでありながら、ジャズ・ミュージシャンによる即興が大きな魅力となって作品を比類なきものに。

 本書の監修者である柳樂光隆さんは、その意義について「このヒップホップの新しい名盤に果たしたジャズの貢献を知ることは、2015年現在におけるジャズの立ち位置を確かめるためにも大切だし、ブラック・ミュージックの最前線を突き止め、同時に深い歴史を掘り下げることにも繋がるだろう」(本書より)といいます。

 ヒップホップの新しい名盤に果たしたジャズの貢献。これを可能とした背景について、現代ジャズシーンの注目すべき人物であり、かつ同アルバムのキーパーソンでもあるピアニストのロバート・グラスパーは、インタビューのなかで次のように述べています。

「俺はジャズを弾くより前にR&Bをプレイしていたし、その前にはゴスペルをやっていたからね。だからジャズ以外の音楽でプレイするのは、自分にとっては凄くイージーなことなんだ。ほかの音楽にもきちんと触れて演奏してきたからこそ、俺は様々な音楽をわかった上で演奏して、自由にアプローチすることが出来ているんじゃないかと思う。それによって、リスナーは自然にオーガニックな形で俺の演奏を聴けると思うんだ。むりやり他のジャンルに合わせて演奏するんじゃないからさ。だからこそ、心に響く音楽を弾けるんじゃないかな」(本書より)

 また、興味深い特集のひとつとして、冨田ラボさん、原雅明さん、柳樂光隆さんによる鼎談も収録。専門的でありながらも、わかりやすい解析が繰り広げられていきます。 

 本書で紹介されているミュージシャンたちは、この秋にも続々と来日予定。実際に自身の耳で、目で、腰で、そして身体全体で、新たなる潮流を体感してみてはいかがでしょうか。

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