3DSソフト『ザ・シムズ3』の変な中毒性 「なぜかプレイしてしまう」

3DS&ザ・シムズwebサイト

『ザ・シムズ3 / THE SIMS3』は、パソコン用をはじめXBOX360用やPlayStation3用と、多くのプラットフォームに向けて移植、発売されている。人間観察シミュレーションゲームとして有名なタイトルなのでご存知の方も多いと思う。

そして『ザ・シムズ3』は今回、Nintendo 3DS(以下3DS)専用ソフトとしても比較的早い時期に発売された。そもそものソフトの種類が少なかった3DSのラインナップという事もあり、『ザ・シムズ3』は発売日でも「手に入らない」との声があった。

『ザ・シムズ』シリーズは初めての記者が、実際に今回3DS版に触れた感想をもとにレビューしてみたいと思う。

――品薄?
3DSをもっていたけれども、内蔵ソフトだけで遊ぶこと1か月の記者。「そろそろ新しいソフトが欲しいな」と思って目を付けたのは『ザ・シムズ3』。しかし、発売日以降に各店舗を回るも、なかなか手に入れることができず、最終的にはamazon.comで注文しようやくゲットした。ネットでは「初回出荷数が少なかったのでは?」という意見があった。

――プレイしてみる
早速、プレイしてみると、和製ゲームとはまた違った、いわゆる「洋ゲー(海外ゲーム)」の雰囲気がそこかしこから感じられる(実際、海外ゲームの移植だから当たり前ではあるのだが)。

まずは主人公となるキャラクターの作成からスタート。「なんだかバタ臭いキャラクターばかりだなー」と思いつつも、「この世界はビッグなアメリカなんだぜ!」と自分に言い聞かせてキャラ作成。

3DSの機能を使い、カメラから自分の顔を取り込んで、「比較的似た顔を自動作成する機能」は好印象。もっとパーツや服の種類、体系の調整など『Mii スタジオ』ばりのバリエーションがあればうれしかったところ。

キャラクターの特性(頭がいい、魅力がある、料理が得意、など)を決めて、「人生の目標」を決める。なんだかよくわからないまま、記者の『ザ・シムズ』ライフがスタートした。

――散々なスタート
スタートしてからしばらくは、「出勤」し、ストレスを溜めて帰ってきては、すぐ就寝したりしていた。そのせいか、突然起きて料理をしたり、夜中にステレオの前で踊り狂う、というような狂ったアメリカンライフを満喫していた。

当初は手持ちの資金が結構あるのでパソコンや新しいシャワールーム、ソファなどいろいろな家財などを買って「ストレスのない快適生活」を目指していた。

そんな矢先に、泥棒に入られる。何をしたらいいのかわからないまま、見る見るうちに高級家財がなくなっていく。気を取り直し、バイトの薄給となけなしのお金で家財を集める。が、しかし、また泥棒に入られてしまった。

2回目からはケータイで警察を呼びつつ、格闘して対抗しようとするが、あえなく負ける。さらには、「何もないのにイタズラの通報をしないでください」と警察に罰金をとられる。意気消沈しているのは、ゲーム画面の中だけではなかった。

さらに、3回目、4回目と泥棒にどんどんと必需品を盗まれ、とうとう便器まで持ち去られてしまった

便器の無い部屋でこらえきれず、身もだえしながら尿を漏らすキャラクター。ゲームの中の自分の周りには、ハエが集まり始めた。「おいおい、お前、今年40歳だろ…。良い大人だろうが……」と、哀しさを通り越して笑ってしまった。自分に似せず、美人女子キャラクターにすればよかったのだろうか。

あまりのストレスに見舞われたキャラクターは掃除をすることもできず、台所は汚れ、異臭を放つ食材がそこかしこ。読んでいない新聞は散らかったまま。体からもおかしな臭いが漂い、3回買ったステレオは修理できず煙を上げている。この部屋はまさに阿鼻叫喚(あびきょうかん)そのものだった。

ちなみに記者が、泥棒を撃退し警察を呼べる「防犯装置」に気づいたのは、このしばらく後だ。

ここまで書いて思ったのだが、ひょっとしたらこの時点でゲームそのものをやめてしまう人もいるのかもしれない。しかし記者の場合、何とも言えないこの「観察」を止めることはできなかった。

――目的は人それぞれ?
単調なストレスライフから思わぬ幅の広さを見た記者は「トイレに行きたそうにしている女性キャラクターにひたすら話しかける」という変態チックなプレイや、「仲良くなった女性を同時に部屋に呼んでそれぞれに“イチャイチャ”する」という鬼畜プレイ、「ひたすらキャラクターを罵倒する」という暴力的なプレイなど、曲がった楽しみを見出すようになっていた。

そんな非人間的な主人公も、今では市長から知事にグレードアップ。「世の中狂ってるぜ」と思いつつも、「今度は何ができるのだろう」と思うようになっていた。今考えるとあの「失禁」時、すでに記者は『ザ・シムズ3』のとりこになっていたのだと思う。

ちなみにこの知事、一度、ラジカセを修理しようとしてアフロ頭のまま感電死している(新規で作り直すか、ためらいつつもセーブ前からやりなおしてしまった)。

プレイ序盤だけでこのような状態であった。極悪人プレイもあれば、科学者を目指すプレイもあるようなので、設定された「人生の目的」の数以上に、このゲームの楽しみ方がありそうだ。

――インターフェースはややクセがある
いかがだっただろう。洋ゲーゆえの幅の広さがこのゲームには秘められているようだ。反面、洋ゲーだからとは言わないが、操作方法は少々“独特”になっている。誤解を恐れずハッキリ言うと、「ところどころやりづらい個所」がある

どうやら、3DS版『ザ・シムズ3』については、タッチペン主体の操作方法を想定しているらしく、3DSのコントローラーやボタンだけですべての操作を完結することができない。使わないボタン(割り振られていないボタン)なども多いだけに、ここは頑張ってほしかった。

また、指をタッチペン代わりにしようとすると、アイコンが小さいので少々苦労する場面もある(慣れれば、指だけで十分遊べる)。無精をせずに素直にタッチペンを取り出せば良いのではあるが、いろいろなスタイルで遊べるように配慮してもらえたら、もっと多くの人に楽しんでもらえたのではないだろうか。

――バグの存在
後で知ったのだが、この『ザ・シムズ』シリーズ、やりこみ要素が高く多くのファンがプレイを重ねているが、実はバグもちらほら見られる模様だ。

発売元はエレクトロニック・アーツ(EA)なのだが、ファンたちは「EAだからなあ」「毎度のこととはいえ、なんとかしてくれれば…」「デバッグに人手を割けないのかよ」と、要望ともあきらめともつかない声が上がっているのも、また事実だ。良ゲームだけに欠点は気になるところといったところだろうか。

3DS版で現在確認されているのは「セーブが出来なくなる」バグ。自宅でのみセーブ可能なのだが、町に行って自宅へ帰ってきたときなどに、なぜかセーブが出来なくなっていることがあった。正直、これはヘコむ。これから遊ぼうと思っている人には、こまめなセーブをおすすめする。

ちょっとロード時間が長いのも若干気になるところではある(記者は慣れてしまったが)。

――なんだかんだで、楽しい
いろいろあるが、『ザ・シムズ3』は楽しい。

発売当初は見つからなかったパッケージをたまたま中古コーナーで見つけたときは「面白いのになあ」ともったいない気持ちになった。手に入れた方は、ぜひとも、おおらかな気持ちでプレイすることをおすすめしたい。そしてEAさんは、ぜひとも、“改良”された新しい『ザ・シムズ』を出してほしいところである。

ザ・シムズ3

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オサダコウジ

慢性的に予備校生の出で立ち。 写真撮影、被写体(スチル・動画)、取材などできる限りなんでも体張る系。 アビリティ「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」 「寒い場所で耐える」「怖い場所で驚かされる」 好きなもの: 料理、昔ゲームの音、手作りアニメ、昭和、木の実、卵

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