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2011年 いわゆる「青少年インターネット規制法」が改正される

趣味のWebデザイン

今回は徳保隆夫さんのブログ『趣味のWebデザイン』からご寄稿いただきました。

2011年 いわゆる「青少年インターネット規制法」が改正される
「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」『法令データ提供システム』より
http://law.e-gov.go.jp/announce/H20HO079.html

「青少年の安心なインターネット利用環境整備」『内閣府 製作統括官(共生社会政策担当)』
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/index.html

2008年4月、『GIGAZINE』は「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年インターネット規制法)案」が成立すると、日本のネットは完全に死ぬ*1 と主張した。実際に法律が国会を通った同年6月には、今後の動向についてはかなり注視する必要があります*2 と書いた。はてブでは、この論調に賛同する人が多かった。

*1:「「青少年インターネット規制法案」が成立すると、日本のネットは完全に死ぬ」2008年04月23日『GIGAZINE』
http://gigazine.net/news/20080423_jp_internet_death/

*2:「いわゆる「青少年ネット規制法」が成立、どのような影響が今後考えられるのか?」2008年06月11日『GIGAZINE』
http://gigazine.net/news/20080611_internet_restriction/

法律は2009年4月1日に施行された。附則の第三条によれば、「政府は、この法律の施行後三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」そうだ。2011年には、改正案が国会に提出され、議論が行われるだろう。

改正案の作成に向け、青少年インターネット環境の整備等に関する検討会*3 の議論は、いよいよ佳境に差し掛かっている。例によって内容は“真剣な雑談”で、議事録を読んでも面白くない。が、こうした検討会の出す報告書が、けっこうそのまま法律になってしまうのだ。委員たちがどのような関心を持って議論に臨み、何を実現しようとしているのか、きちんと読んでおくべきだ。

*3:「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」『内閣府 製作統括官(共生社会政策担当)』
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/kentokai/index.html

きっとまた、法案提出が迫るあたりから、3年間の議論の過程も、実際に行われてきた施策も無視して、不安と恐怖からギャーギャー騒ぐ人がたくさん出てくるのだろう。言葉尻を捉えて、この部分が曖昧だからこんな最悪のケースが考えられるとか何とか。そのような議論が有効だと考える人は、まず名誉毀損や侮辱を禁ずる刑法の条文を読んでみてほしい。刑法をパラパラ眺めれば、曖昧な記述がたくさんあることに気付くだろう。

かつてオウム真理教の信者は、微罪でガンガン逮捕された。一般市民はそれで“安心”していたが、奇妙なことだ。左翼の活動家がビラの配布で有罪になった事例も、特定の状況を狙い撃ちして法律を適用したケースだった。少なからぬ人々がこれを歓迎したが、恣意的な法律の適用に恐怖を感じないのは不思議なことだ。

が、こうした事例から見えてくるのは、“日本の司法は概ね民意に沿って動く”という事実だ。ネット上の声量の大小ではなく、きちんとした標本調査で賛否が拮抗(きっこう)するような問題なら、基本的には司法も慎重な立場を取る。そこから外れる事例はゼロにならないし、当事者にとっては、それが全てだ。しかし、オウム信者に対する特別扱いを歓迎した市民たちは、司法権力が強力な武器を持っていることに、恐怖するよりむしろ安心したのだった。

冤罪(えんざい)が判明するたび、警察や検察は厳しく批判される。しかし、司法の武器を減らすことには、むしろ反対の声の方が強いのが実情ではないか。自由を希求する声が強い(ように私には見える)ネット上ですら、何か問題が起きるたび、政府の規制や罰則の強化を支持する声がガンガン出てくる。

ようするに、「アパートや官舎でのビラ配りが不法侵入なら、宅配便の配達だって不法侵入になりかねないよね」という意見に、大多数の人は「そうだね」と思わないわけだ。

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