カレーライスにソースをかけるという許されざる行為

カレーライスにとんかつソースをかける行為、皆さんは許せるだろうか。

子どものころ、親がカレーライスにとんかつソースをかけて食べていた。

味変ならば、まだ、百歩譲って理解できる。

しかし、親は、カレーライスがテーブルに出されたら、即行で、とんかつソースをかけていた。

父親も、母親もである。

とんかつソースがないときは、ウスターソースをかけていた。

親としては、とにかくソースをかけたいらしい。

いや、人がどんな食べ方をしようと、自由だと思う。

でも、子どもながらに「カレーライスにとんかつソースをかける行為は許されざる行為」と思っていた。

当時、実際に食べたことがあるが、とんかつソースをかけないほうが食べたほうがおいしかった。

カレーライスが、一気にとんかつソース味になってしまうからだ。

おいしくないというより、カレーライスじゃなくなると感じた。

……だがしかし!

大人になってから、ふと親の食べ方を思い出し、気まぐれでとんかつソースをカレーライスにかけた。

それを食べたところ、激しく美味しかったのである。

えっ、えぇー!?

あんなに否定していた「カレーライスにとんかつソースをかけるという許されざる行為」。

それが激しく美味しいと感じたのである。

そう感じてしまったのだ!

いや、カレーライスはそのまま食べてもおいしい。

むしろカレーライスはそのまま食べるべきだとも思っている。

それが完成形だから。

だがしかし、とんかつソースをかけたカレーライスは、それはそれで、うまいのである。

いや、うまいというより、激しくうまい、かなりうまい。

カレーライスにとんかつソースをかけたら、かき混ぜず食べる。

ソフトなカレーの部分と、酸味が強いとんかつソース部分。

その双方が交互に味覚を訪れて、飽きないおいしさを楽しませてくれるのである。

カレーライスにとんかつソース、もしくはウスターソース、うまい、うますぎる。

そしてわかった。

カレーライスと「とんかつソースがけカレーライス」は別物だと。

「カレーライスを食べたい」という欲求と「とんかつソースがけカレーライス」という欲求は別物。

カレーライスを食べたいときは、カレーライスを食べる。

とんかつソースがけカレーライスが食べたいときはとんかつソースがけカレーライスを食べる。

双方は、思考内において別料理なのだ。

それにしても、どうして大人になったら、その味を好きになったのだろうか……。

皆さんは、とんかつソースがけカレーライス、お好きだろうか。

(執筆者: クドウ秘境メシ)

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