年30組が移住する高知県の町。人気の理由は先輩移住者にあった!

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年30組が移住してくる町。理由は先輩移住者にあった!

イケダハヤトさんが先日、引越した高知県嶺北地方。実は年間30組の家族が移住してくるという、移住界隈(?)ではちょっとした人気のエリアだ。便利とは言い難いこの地域になぜ人々は惹かれ、引越してくるのだろうか。仕事は、そして住まいはどうしているのだろうか。2組の移住経験者に体験談を聞いてみた。移住の2大問題・住まいと仕事を解決するノウハウがある

高知県嶺北地域とは、土佐町と本山町、大豊町、大川村の4つの町村のことをいい、地図で見るとちょうど四国の中央に位置する。高知の市街地から高速道路を使って30〜40分、美しい川と緑が残された地域だが、ひと言でいえば「自然以外、なんの変哲もない田舎」(失礼!)だ。しかし、日本各地から年間30組以上が引越してくるといい、最近では希望者が多すぎて、空き家が足りなくなるほどだという。移住者の定着率も高く、多くの人がこの嶺北地域での暮らしに満足しているとか。

今回、話を聞いたのは、そんな移住者のYさん(40代、独身)と、広瀬さん(30代、妻とお子さん2人の4人暮らし)。まず2人が口をそろえたのは、人との出会い、そして居住者の受け入れ体制だ。

「西日本を中心に、岡山や広島、香川、鹿児島、徳島などを見学しましたが、最終的に落ち着いたのがココ・嶺北です。移住の最大の悩みである‘“住まい”と“仕事”のめどがたつことが大きかったですね」と広瀬さん。Yさんも、「見学したときに、若い人が多くて印象に残っていました。当初は空き家がなかったのですが、移住者ネットワークが大家さんに掛けあってくれて、今の住まいが見つかりました」と振り返る。

仕事がなければ家が貸してもらえず、家が定まらなければ仕事が見つからない。ニワトリタマゴのようだが、移住するときに一番問題となるのが、この住まいと仕事の問題だ。この嶺北地方には、れいほく田舎暮らしネットワークというNPOがあり、移住者を積極的に受け入れてきたため、住まいや仕事のバックアップ体制が整っているという。

「移住の先輩方が多数いるので、移住で直面する壁は、だいたいみなさん経験済みなんです(笑)。解決のためのノウハウが蓄積されているので、先輩方に聞けばなんとかなります」と広瀬さんはいう。

また、移住者だけでなく、もとから嶺北地域で暮らす人の気質も大いに影響しているらしく、「僕の生活も周囲に筒抜けではありますが、気にかけてもらてっているなという感じで、疎外感や閉鎖的な感じはしません」とYさん。

【画像1】広瀬さんや移住者たちが中心となり、生み出された焼酎(写真撮影:嘉屋恭子)

【画像1】広瀬さんや移住者たちが中心となり、生み出された焼酎(写真撮影:嘉屋恭子)

【画像2】移住者の才能や特技を活かし、木材などを使った新たな名産品をつくり、売りだす試みもはじまっている。ここだとお金は与えられるものではなく、稼ぐものだ(写真撮影:嘉屋恭子)

【画像2】移住者の才能や特技を活かし、木材などを使った新たな名産品をつくり、売りだす試みもはじまっている。ここだとお金は与えられるものではなく、稼ぐものだ(写真撮影:嘉屋恭子)家賃3万円の広々一戸建て。年収ダウンでも生活満足度は向上

2人とも住まいは一戸建てで、家賃は3万円程度。築年は30年程度、大規模なリフォームや修繕をしなくとも住むことができたという。

「移住前は、家賃7万円超、京都の公営住宅で生活していました。今は家賃が3万円で、広さはだいたい3〜4倍。子どもは夜、トイレにいくときに付いてきてというくらいの広さです」と広瀬さん。前職は飲食業でソムリエだった経験を活かして、現在は地元の米を使った焼酎造りに携わっている。

Yさんはというと、「自分は大阪出身で、以前は公務員をしていたんです。家族の事情もあって転職をして、2012年に嶺北へ来ました。今は社会福祉協議会の一員として働いていますが、将来的にはカフェとか寺子屋とか、そうしたつながりの場所を運営したいなと思っています。今は経験を積んでいる感じですね」と目標を話してくれた。

一方で気になる収入について聞いてみたところ、「ダウンした」というのが現実で、広瀬さんは「夫婦共働きでないと苦しいかも」と台所事情を打ち明けてくれた。ただ、生活の質を含めた満足度は向上していて、「移住したことに後悔はないですね。正月に大阪に帰省して、梅田を歩いたんですけど、人混みに圧倒されてしまって。嶺北に帰ってきたらホッとして、少しずつですけどここが自分の“ホーム”なんだなって実感しました」(Yさん)

最近では、若い世代の移住者が増えたことで、子どもの人口が増え、消滅していた子ども会が復活。もとより小中高といった教育環境は整っているほか、スーパーや病院など生活に必要なものはひと通りそろっている。「お店がしまるのが早いくらいで、生活のうえでの不便さは感じない」と広瀬さん。

ただ、田舎暮らしとなれば、消防団活動やご近所付き合いも必要となり、時には休日がつぶれることもあるという。それでも嶺北地域にひかれてくる人が後をたたないのは、むりをせず、自然体の田舎暮らしが、実現できるからなのかもしれない。●取材協力
れいほく田舎暮らしネットワーク
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/08/03/94948/

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