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『急性被ばく』と『慢性被ばく』、また『局所(部分)被ばく』と『全身被ばく』について

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ひげおやじさんのブログ

※ひげおやじ氏のブログ「ひげおやじの秘密小屋」より寄稿いただきました。(ガジェ通編集部)

●『急性被ばく』と『慢性被ばく』、また『局所(部分)被ばく』と『全身被ばく』について

テレビでも『被ばく』に関して細かく情報が流れていますが、テレビにしても現時点で一番大事な情報を流すことしかできない模様。 ですので、現状で皆さんが疑問に持ちそうな部分、今後出てきそうな言葉を予想して出来る限り簡単に説明してみます。

●『急性被ばく』と『慢性被ばく』
報道でも放射線量の値にきちんと単位時間をアナウンスするようになってきましたが、ここで気になるのが1時間あたりの被ばく量(/h)と年間あたりの被ばく量(/y)に関して。 ここで『急性被ばく』と『慢性被ばく』の切り分けが必要となってきます。 勘違いされている方もいますが、ある程度の放射線量においては放射線により細胞が傷ついたとしても細胞は直ります。 だからこそ放射線業務従事者などにも年間に被ばくしても許される線量が設定されている訳です。 ちなみに「放射性物質は?」とか「内部被ばくと切り分けないと」と思う向きもあるかもしれませんが、こと本説明に関しては結局放射性物質から発せられる放射線量の問題なので関係ありません。 ただし違う話もあります、詳しくは次のキーワード『局所(部分)被ばく』と『全身被ばく』も参考にして下さい。

では本題に。 『急性被ばく』と『慢性被ばく』は文字通り“どのくらいの時間で被ばくをしたか?”で切り分けられます。 現状でテレビや政府公式で被ばくに対しての説明(一時的な白血球の減少など)は主に『急性被ばく』に関しての説明で、これにより発症する症状を『急性放射線症』と言います。 症例としては1999年に発生した『東海村JCO臨界事故』などが有名で、推定1~20Sv(100万μSv~2000万μSv)もの重度の被ばくをした3名のうち、2名が死亡するという惨事でした。 ただし上述しましたが細胞には修復機能がある為、同じ放射線量を被ばくしたとしても『急性被ばく』よりも『慢性被ばく』の方がとても症状が軽いのです。 これを『線量率効果』と言います。 これ自体を説明するのは、なかなか難しい話になってしまうのですが、1つ確実に言えることは現時点で時間単位で測定された数値を年間(24時間×365日)に変換し、かつ『急性放射線症』の症例をもって危険性を主張するのは少々乱暴であるということです。 現在でも時間経過により測定される値は分単位で変動し平均化すると減少傾向にありますし、もう暫く様子を見守る必要があるのではないでしょうか。

●『局所(部分)被ばく』と『全身被ばく』
続いて『局所(部分)被ばく』と『全身被ばく』に関して。 こちらも読んで字の通り放射線を全身に浴びるか、部分的に浴びるか、という話になります。 人間の体は放射線に強い部分・弱い部分があり、どこに浴びたかも気にしなければいけません。 例えば眼球や内臓などは弱い部類に入り、反対に歯や皮膚は強い部類になるかと。 こういった局所(部分)ごとへの放射線の影響を考える場合に『局所(部分)被ばく』という言葉を用います。 が、正直な話、よほど特殊な環境でない限り現状では外部からの被ばく、つまり『全身被ばく』だけを気にしていれば特に問題はありません。 ただ念のため、今後(といっても全国的な問題には成り難い話ですが)問題視されていくであろう『内部被ばく』に関しての話ありますので、これを『局所(部分)被ばく』と絡めて説明します。

ネット上のデマとして”某うがい薬の服用を促す”話が広まり注意されています。 これは甲状腺に留まり易いヨウ素に関して、今回の原発事故により飛散されるだろう放射性ヨウ素への対応策として呼びかけられたことが発端です。 つまり甲状腺に留まった放射性ヨウ素からの放射線により、甲状腺を中心にした被害が出るということです。 これを今回ザックリと当てはめると、放射性ヨウ素による『内部被ばく』であり、甲状腺への『局所(部分)被ばく』だとも言えます。(本当にザックリとした説明で申し訳ない) ただし体内に入った場合にのみ『局所(部分)被ばく』と言うわけではなく、指先や足の裏に付着した場合にも言うことがあります。

もう1点注意すべきこととして、『局所(部分)被ばく』と放射線の種類の問題です。 例えばα線や中性子線は非常に強い放射線で『内部被ばく』した場合に大きなダメージを得てしまいます。 またその為、上述した『線量率効果』も期待できません。 ただし、α線はプルトニウムなどから放出されるため、(今後、注意は必要ですが)拡散量が少なく、空気中でも数センチの飛程(ひてい:放射線が飛ぶ距離)であり『外部被ばく』時は特に考える必要がありません。 また中性子線に関しては核分裂反応が収まっているため、(可能性は非常に低いですが)再臨界でもしない限りは気にしないで結構です。 反対にベータ線、ガンマ線などは屋外では遮へい(放射線を遮ること)が簡単ではありません。 現在、原発から20~30km圏内では目張りをした屋内への退避が呼びかけられていますが、これは放射性物質を落とす(いわゆる『除染』)のが比較的困難な『内部被ばく』を防ぐと共に、ベータ線・ガンマ線からの外部被ばくを防ぐためにも必要となるのです。

さて、色々と書いてみましたがまとめて説明をするのが本当に難しいですね。 一つの説明をするには更に他の説明が必要となりますし、なるべく簡素に書きたかったのですが、相変わらずとっちらかってしまいました。 最後に念のため。 まだまだ不安な日々かもしれませんが、その不安が幾ばくかでも解消されればと書いてみました。 だからと決して楽観視はせず、しかし極度な恐れは抱かずに頂ければ幸いです。

なお、本記載に併せ、以下のまとめがとても勉強になるので参考にどうぞ。
@popeetheclown 氏による被ばくによる健康への影響のまとめ

「ひげおやじ」さんが過去に書いたもの
福島原発に怯える皆さんへ(非被災者向け)
福島原発問題
改めて、今回の地震と原発について

執筆: この記事はひげおやじさんのブログ『ひげおやじの秘密小屋』からご寄稿いただきました。

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