NHK × ニコニコ動画 『クローズアップ現代』とのコラボ番組をニコ生で放送

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NHKの看板報道番組『クローズアップ現代』と『ニコニコ動画』のコラボレーションが実現することになった。『クローズアップ現代』は2011年3月10日の夜、「急成長するインターネット放送」をテーマにした番組を放送するが、その前後に『ニコニコ動画』でも『クローズアップ現代』を素材にした生放送特番を配信するのだ。『クローズアップ現代』放映後にはNHKのプロデューサーやディレクターが参加し、『ニコニコ動画』関係者と「ネットとテレビの未来」について熱く議論する。

今回の『NHK×ニコニコ動画 クローズアップ現代~ネット拡大スペシャル~』は3部構成になっている。まず19時から30分間、『ニコニコ生放送』で『クローズアップ現代』の“直前番組”を放送する。東京・原宿のニコニコ動画本社スタジオに放送作家の大嶋智博氏を招き、今回の番組制作の狙いを語ってもらう。

19時半からはNHK総合で、『クローズアップ現代』が放送される。テーマは「急成長するインターネット放送」で、ニコニコ生放送や『ユーストリーム(Ustream)』の実態が紹介される予定だ。さらにNHKの番組と並行して、『ニコニコ生放送』では『クローズアップ現代』の実況番組を放送。視聴画面を真っ黒にして、NHKを見ているユーザーのコメントを流していく。

『クローズアップ現代』の放映が終了する19時56分からは、『ニコニコ生放送』で『激論!NHKクローズアップ現代に見る“ネットとテレビの未来”』と題した討論番組を放送する。『ニコニコ動画』からは杉本誠司・ニワンゴ社長や七尾功・政治部長、NHKからは細田美和子プロデューサーと篠田洋祐ディレクターらが出演。今回の『クローズアップ現代』のゲストでもある津田大介氏もまじえて、ネットとテレビの関係が今後どうなっていくのかを話し合う。

「NHKの番組制作者に“逆取材”できる、いい機会」

これまで『ニコニコ生放送』では、「『新・週刊フジテレビ批評』批評」などテレビの直前番組をテレビ局と連携して放送した実績はあるが、このようなテレビの「ふり返り番組」をそのスタッフとともに制作するのは極めて異例だ。しかも今回、『ニコニコ動画』はNHKの取材を受けた当事者でもある。取材した側と取材された側が番組の直後に討論し、しかもその内容がネットで公開されるという点でも画期的だ。

ニワンゴの杉本社長は「クローズアップ現代の30分という枠では伝えきれない、番組の作り手の思いをじっくり聞いてみたい。また、テレビの将来についてどういう危機感をもっているのか、ネットをどう使おうと思っているのか、たずねてみたい」と番組の狙いを語る。一方、『ニコニコ動画』の記者会見中継で有名な七尾政治部長は「自分に対するインタビューがどのように編集されて放送されるのか。それを見たうえで番組制作者に『逆取材』できるのはすごくいい機会なので、いろいろ質問してみたい」と意気込んでいる。

1年前の今ごろには、NHKスペシャルで「激震 マスメディア~テレビ・新聞の未来~」と題した討論番組が放送され、『ニコニコ動画』を運営するドワンゴの川上量生会長とNHKの今井義典副会長らが「テレビ・新聞とネットの関係」について意見を戦わせた。そのときには、上杉隆氏や堀江貴文氏らがNHKスペシャルをネタに議論する「裏番組」が『ユーストリーム』や『ニコニコ生放送』で放送されて大きな注目を集めたが、それはあくまでNHKとは無関係に独自に企画されたものだった。

しかし今回は、NHKと『ニコニコ動画』が何度も打ち合わせを重ねたうえで実施されるコラボレーション番組。『ニコニコ動画』の七尾政治部長は「テレビとネットの関係は、この1年で大きく変わった。その変化を象徴する番組になるのではないか」と話している。

NHK×ニコニコ動画 クローズアップ現代 ~ネット拡大スペシャル~

(亀松太郎)

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