「亀有公園前派出所」が実在する!? 噂の現場へ行ってみた

こち亀

少年ジャンプで長期連載中の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。アニメ、舞台、テレビドラマと多数のメディアに進出し、今や知らない人はいないであろう国民的漫画だ。主人公の両津勘吉巡査長をはじめとした登場人物、施設等はもちろん漫画の中だけの架空の存在だが、何と葛飾区内に実在する「亀有公園」に派出所が建っているという噂が編集部に入ってきた。その実体を確かめるべく、今回記者が現場へ急行した。

現場はJR亀有駅北口を出て5分ほど先にある「葛飾区立亀有公園」の一角。亀有駅北口前には、こち亀の主人公両津勘吉の銅像が建っていたり、漫画に出てくる「亀有公園前派出所」に外見がそっくりな「警視庁亀有警察署亀有駅北口交番」があることでも有名。毎年漫画のファンが多くこの場所を訪れるという。亀有公園が実在の公園であることはファンの間では有名な話だが、まさかその一角に本当に派出所が建っているなんてことは…。

あった!! 亀有公園の角に、ベージュの派出所らしき建物が!! しかしまだ建設中らしく、警察官の姿は見当たらない。建物にはブルーシートなど、所々に覆いがかぶさっているが、これは一体…?

派出所らしき建物

実はこれ、2011年夏に公開予定の『こち亀 THE MOVIE 勝鬨 (かちどき) 橋を封鎖せよ!』(仮)の撮影用セット。交番に必ずある旭日章(警察のマーク)や赤いランプ、掲示板などにカバーが被せてあるのは、本物の警察施設と間違われないようにするための措置だと思われる。しかし驚くべきなのはその完成度。壁が微妙に汚れていたり、エアコンの室外機に年季が入っているように塗装されていたりと、見た目は本物の交番そのもの。ここに制服警官が立っていれば、誰も映画のセットだと気付かないだろう。

このセットについて、先の北口交番の警察官に話を聞いてみた。

記者「すいません、あそこの亀有公園に交番が建ってますけど…」
警官「そうですね、映画のセットです」
記者「やっぱり偽物ですよね?」
警官「ええ、ここ(北口交番)より大きいですけどね」
記者「そうですね、確かにここより住み心地良さそうですねw」
警官「それを言わないで下さいよ…リアル警官に…w」

本物の派出所

やはり、管轄する警察官は知っているようだ。言われてみると確かに一般的な交番より「亀有公園前派出所」は大きいように感じる。そこが唯一の不自然な点か。さらに詳しく聞いてみると、どうやら「派出所」設置の許可を出したのは警察ではなく、公園の持ち主である葛飾区役所とのことだった。

葛飾区役所によると、土地の使用許可を出したのは区役所公園課で、映画会社と公園課との調整をしたのは区役所観光振興担当課とのことだった。観光振興担当課が映画会社からオファーを受け、「葛飾区が舞台の映画であり、区のPRにもなるため」、公園課と調整を行い、今回のセット設営が実現したという。

こち亀のファンとしては、是非とも一度は見ておきたいリアル亀有公園前派出所。少なくとも映画の撮影期間中は設置されていると思われるので、興味がある方は一度行ってみてはいかがだろうか。ただし、撮影中は俳優さんやスタッフさんの迷惑になるので、あまり近寄ったり写真を撮ったりしないように!

※撮影用のものとのことですので、いつまで設置されているかは不明です。ご訪問の際はご注意を。

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olo

架空紙幣作家。4歳の頃、聖徳太子の一万円札の美しさに心を奪われ、紙幣デザインフェチとなる。現在では架空紙幣創作のほか、架空新聞記事、架空広告、合成写真を用いた隣接世界訪問写真などを創作している。

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