『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』ソウル界のゴット・ファーザーJBと親友ボビー・バードとの愛
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5月30日から公開される映画『ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男~』。あのミック・ジャガーがプロデュースしたマイケル・ジャクソン、プリンス、ファレル・ウィリアムスなど未だミュージシャンに影響を与え続けるソウルのゴッドファーザー、ジェームス・ブラウンの初の伝記映画です。
破天荒過ぎるJBの言動と激動人生、そしてLIVEパフォーマンスなど注目すべき要素が多い映画ですが、中でも注目して頂きたいのはJBとあるひとりの男との絆。その男の名はボビー・バード。ジャームス・ブラウンの誰もが知っている代表曲「セックス・マシーン」でJBが「ゲロッパ」と歌った後に「ゲロンナ」という合いの手が入る。このボーカルを務めているのがボビー・バードです。
JBとボビーの出会いはお互いがまだ10代の頃。JBが窃盗の罪で服役中だった刑務所にゴスペルグループのリーダーだったボビーは慰問に訪れ、JBの才能に魅了。そして身寄りのないJBのために自分の家族を説得し保証人となって釈放させた。ボビーがいてこそジェームス・ブラウンというスーパースターが誕生したのです。
ジェームス・ブラウンを演じているのは『42』のチャドウィック・ボーズマン。今最も注目されている黒人俳優である彼がJBの超絶ダンス、しゃべり方やしぐさまで遺族も納得のなりきりぶりを魅せている。そしてボビー・バードを演じるのはネルサン・エリス。TVドラマ『トゥルーブラッド』でゲイ役・ラファイエットを演じ一躍注目された。アメドラには欠かせないゲイキャラを確立しましたがネルサン自身はストレートと公表しています。
モデルとなったボビー・バード本人もゲイでは全く無いが、映画を見ているとJBとの関係は絆を越えてもはや愛(!?)を感じずにはいられないシーンが多いのです。その一例をご紹介しましょう。
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JBは才能を開花させ、スターダムを伸し上がる。彼は誰よりも働き者で完ぺき主義者として知られていたが多くの問題があり、メンバーは離れていってしまう。しかしボビーは「なにがあっても君についていくよ、ミスターブラウン」といつも静かに側にいるシーン。もはや仲間を越えた夫婦のような関係です。ちなみにボビー・バードと共に「セックス・マシーン」他数々のヒット曲を飛ばした70年代前半はJBの全盛期と言われてます。
しかしそんな2人の関係にも亀裂が生じます。ある日、影の存在だったボビーが光に少しだけ憧れたとき、JBは容赦ない言葉を浴びせ、ボビーの心を打ち砕き……。そして今まというカリスマを誰よりも愛し、守り、支えてきたボビーは去ってゆきます。ラスト、年老いたJBはある曲をボビーに捧げます。一度別れた嫁に捧げるような甘いバラードを歌う2人の関係は男達の絆を越えた愛とも言うべき間柄を感じることができます。
この2人の並々ならぬ友情関係について「俺がJBだ!―ジェームズ・ブラウン自叙伝 」(文春文庫)」を読んでみると一つ面白いエピソードが。JBがボビー・バードと結婚するため性転換手術を行ったという噂が本当に流れていたそう! この噂はJBのマネージャー、ベン・バート(映画ではダン・エイクロイドが熱演)がJBとボビー・バードの知名度を上げるためゴシップ雑誌にまいた仕掛けとのことですが、この噂は拡大し、JBはファンに股間を触られそうにもなったのだとか。噂が拡大するほど、2人の仲は当時のファンにとって注目すべき事柄であったと思えるエピソードですね。JBを知らない人でも楽しめる男と男の愛憎劇。ぜひご注目を。
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『ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男~』
http://jamesbrown-movie.jp/
(C)Universal Pictures (C)D Stevens
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