【ソルのゲー評】坂口博信の超大作RPG『ラストストーリー』ここに完成する!
坂口博信氏が18年ぶりにディレクターを務めた超大作RPG『ラストストーリー』のレビューをガジェット通信はいち早くお届けしたい。今作は任天堂とミストウォーカーにより共同開発され産まれたロールプレイングゲーム。冒頭をプレイした感想をクイックレビューとして掲載する。
――シームレスな戦闘
冒頭から緊迫した戦闘シーンで始まり、詳細にゲームの解説をしてくれる。このゲームの基本となる操作は最初の数十分で教わることができるようになっている。もちろん教わりながらも話はちゃんと進行するのだ。肝となるギャザリングのチュートリアルまで、そんなに時間を取らずに基本操作を覚えることができるだろう。
障害物に隠れる動作、乗り越え、注目、ガード、ダイブなども最初の数十分で覚えることができるほか、オプションにていつでも確認が可能だ。
――ギャザリングシステム
『ラストストーリー』では、“ギャザリング”というシステムがある。これは主人公エルザが使うことができる特殊能力。基本的に仲間は自動的に動くため、自分が身代わりとなり敵を引きつけておき、その間に魔法を発動させたり、アタックで打撃を与えるという戦略が有効だ。最初に出てくるボスはこの“ギャザリング”を使わないと倒せないようになっている。橋の上まで引きつけ橋から落とすというチュートリアル的な要素も含まれている。
以上の様にさまざまな動作があり複雑に思えるが、攻撃は基本オートなので特に難しく考える必要は無かった。序盤なので敵も弱いということもあったのだろう。また戦闘不能になっても規定回数は復活できるというルールが存在するため、難易度も易しめになっている。この復活に関しては仲間も同様だ。
今までの坂口博信氏のゲームはターン制ロールプレイングゲームと言う印象が強かったが、ここにきて移動と戦闘シーンの垣根がないゲーム。まさに常に緊迫した状態なのだ。従来であれば戦闘が終われば先頭のパーティー1名しか表示されなかったロールプレイングゲームだが、『ラストストーリー』ではパーティー全員が常に行動を共にしている。オンラインゲームをやっているかのような錯覚に陥るだろう。
ここまでは戦闘の紹介だがここからはルリの街に到着するまでを簡単に紹介しよう。初めて街に到着するとチュートリアルの終わりを告げるのか『ラストストーリー』のロゴが登場する。どうやらここからが本当の始まりということらしい。ここまでの所要時間は早い人で30分、遅くても40分から50分だろう。
――多くに人が集まる巨大な『ルリ』の街
最初に訪れる街『ルリ』は休暇に自由に歩くことが可能となっている。しかし通常のRPGの様なレベルの広さではなく、常にマップで現在地を確認しなくてはいけないくらいだ。そんな『ルリ』では数多くの商人やイベントが待っている。マルシェ(市場)、ナフル運河、職人通り、アリエルの酒場など様々な名所があり最初はその辺を訪れると良いだろう。もちろんそのほかの場所でもイベントは起きる。最初に全部回るとそれだけで1時間以上経ってしまうかもしれない。とにかく街の作り込みが凄い。冒頭『ルリ』から離れるとしばらく戻ってくることができないので、やり残しのないないようにご注意。
基本的にこのゲームは『ルリ』を中心として物語が展開される。
――防具のパーツを透明にするおまけ要素も
『ラストストーリー』には防具のパーツを透明にすると行ったおまけ要素もある。こちらは坂口博信氏の登壇解説により判明したのだが、街の中をパンツだけで走り回ることもできるというもの。もちろん防御力には一切影響のないものでビジュアルのみ。男性だけでなく女性キャラも防具のパーツを透明にすることが可能となっている。しかし序盤は透明にすることができず“あるアイテム”を入手しないとこのコマンドは有効にならないようだ。このアイテムは中盤“ある物を捕まえるクエスト”を達成するとゲット可能となっている。
――多くのクエストが存在するがジャーナルがない
本作には本編のストーリーとは別に多くのクエストが存在する。クエストは依頼を受けて発生する物から、その場で即開始されるものまである。しかしそんなクエスト一覧のジャーナルが存在せず中断しているクエスト、終了しているクエストの把握ができない。これは次回作で要改善となるだろう。
もちろんクエストのほかにも闘技場や一度クリアしたダンジョンを再攻略、またオンラインでの討伐なども楽しめる。
――HDグラフィックで遊びたかった?
ここまで書くと一つ残念だったことがある。それはWiiがSD画質だということだ。HD画質になれてしまっているゲーマーはWiiのSD画質を見てどう思うだろう。確かに丁寧に作り込まれているが、それでもSDの荒さは目立ってしまう。いつの日か続編がリリースされるならWiiの後継機で遊びたいものだ。
そして最後に、このゲームを飾っているのはグラフィックやシステム、ストーリーだけではない。今回コンポーザーを務めた植松伸夫氏の音楽も注目すべきところだ。坂口博信氏と植松伸夫氏のタッグと聞けばもう分かるはず。『ファイナルファンタジー』しか無いだろう。そう、この『ラストストーリー』は『ファイナルファンタジー』とは別のベクトルを歩もうとしているが、それでも坂口博信の作品であることには間違い無い。どこかに『ファイナルファンタジー』の“なごり”があるはずだ。それをプレイヤーのみんなで探して欲しい。
画像:『Amazon』より引用
THE LAST STORY(ラストストーリー)
2011年1月27日発売
価格:6800円(税込)
発売元:任天堂
ジャンル:RPG
オンライン時:最大6人
CERO:B
記者プレイ時間:約30時間
到達:エンディングまでクリアー
ラストストーリー(ガジェット通信ゲームズ)
ラストストーリー公式サイト
http://www.nintendo.co.jp/wii/slsj/
ラストストーリー 特典 エレメント オブ ザ ラストストーリー (サントラCD+ビジュアルブック) 付き
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