結婚や出産などのお祝い返し、失礼のないマナーとは?
お祝いをいただいたらすぐにお礼の手紙か電話を
結婚や出産、初節句、七五三などのお祝いをもらったとき「何をお返しすればいいの?」「金額はいくらぐらいでいつまでに?」と悩むことはありませんか。今日は、相手に対して失礼のないマナーについてお伝えします。
まずは、お祝いをいただいたらすぐにお礼の手紙を出すか電話をかけましょう。現代ではメールになりがちですが、略儀すぎて失礼になります。金額はいただいた金額と同額であったり高額過ぎたりすると、お祝いをした人の気持ちが「無」になってしまうので、半額から3分の1ぐらいを目安にしましょう。また、お返しをするまでに時間が経過しすぎるのは好ましくありません。ただ、いただいてすぐは「お祝いを待っていてお返しを用意していた」と思われることもありますので気をつけてください。
どのような品物にするのかも悩むところですが、最近は「カタログギフト」が人気です。お祝いをした側はお返しを期待しているわけではありませんが、せっかくなら喜んでいただける物が良いですね。
お祝い返しの時期、品物、水引の選び方について
さて、ここではお返しの時期、品物、のし紙などのポイントをお話ししましょう。結婚の場合、結婚式の1カ月後くらいまでにお返しを。ただし、式に招待した人には不要です。祝電のお返しもいりませんが、結婚の報告と挨拶を兼ねてお礼状を出しましょう。
品物としては、実用品が喜ばれると思います。職場などで、みんながお金を出し合ってお祝いをしてくれたときには新婚旅行のお土産などを渡してください。水引は金銀・紅白の結び切りで、上書きに「内祝」「寿」「結婚内祝い」と書いて、その下に新郎新婦の姓名を書いてください。
出産祝いであれば、生後1カ月頃までに、赤飯やカツオ節といった縁起ものや、海苔、石けんなどを贈りましょう。水引は紅白の蝶結びで、上書きは「内祝」「出産内祝い」とし、赤ちゃんの名前を記します。
初節句や七五三、入園・入学といった子どもの成長のお祝いは、基本的にお返しをする必要はありませんが、節句や七五三(11月15日)の当日からなるべく早いうちにお返しするのが良いでしょう。お赤飯や実用品のほか、七五三は千歳飴を配るのもいいですね。水引は、紅白の蝶結びまたは結び切りで、上書きは「内祝」「初節句内祝」のほか、3歳は「髪置内祝い」、5歳は「袴着内祝い」、7歳は「帯解内祝い」です。ちなみに、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳でお祝いします。
内祝は「内(自分の家)のお祝い」という意味、心を添えて届けることが大切
入学、就職祝いもお返しをしなくてもかまいませんが、4月1日から1カ月後くらいまでの間に、入学祝いは本人からお礼の言葉を、就職祝いはお礼の言葉と一緒に近況報告をするとスマートです。また、入学の場合は気持ち程度の品物を、就職であれば初めての給料で無理のない金額のお返しを届けるのもいいと思います。水引は紅白の蝶結び(結び切りでも良い)で、上書きは「内祝」「入学内祝い」「就職内祝い」で。
長寿祝いも返す必要はありませんが、受け取った当日もしくはその後なるべく早く気持ちを表すのが良いでしょう。祝いの席を設ける場合は、招待することで感謝の意を示すことができます。お返しの品としては、花瓶、風呂敷などの記念の品を。水引は紅白の蝶結び(結び切りでも良い)を選び、「内祝」「寿」のほか、60歳「還暦内祝い」、70歳「古稀内祝い」、77歳「喜寿内祝い」、80歳「傘寿内祝い」、88歳「米寿内祝い」、90歳「卒寿内祝い」、99歳「白寿内祝い」、100歳「百賀内祝い」とつづります。
内祝は「内(自分の家)のお祝い」という意味で、おめでたいことを親しい人たちに喜んでもらうといった趣旨があります。ぜひ心を添えて、届けたいですね。
(田野 直美/マナー講師)
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