THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのラスト・ツアーに密着 全400ページの写真集刊行
2003年に解散したTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのラスト・ツアーの模様を収めた写真集「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT -LAST HEAVEN-」が5月28日(木)に発売される。
同書の写真は、写真家・澁谷征司がTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのラスト・ツアー全行程に密着し、撮影したもの。そのなかで撮影された写真をまとめた写真集「LAST HEAVEN」が2003年に刊行されたが、今回発売の写真集は改めてプリントを焼き、まったく新たに写真をセレクト。多数の未発表作も含めて構成された全400ページの決定版となっている。
写真集では、各地で繰り広げられたステージ上での圧倒的なパフォーマンスや、楽屋内や移動中などさまざまな場面でのメンバーの表情に迫っている。また発売に伴い、本書を手がけた澁谷征司が「写真集『THEE MICHELLE GUN ELEPHANT -LAST HEAVEN-』のまえがきにかえて」と題したコメントを発表しているので、そちらもチェックしてみてほしい。
写真集はケースの絵柄が違うType-A、Type-Bの2種類が用意されており、発売元の赤々舎ウェブ・サイトから予約購入が可能。現時点で店頭販売の予定はないという。また、先着1000名限定でオリジナル・トートバッグが付属する。(鶯巣大介)
・写真集「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT -LAST HEAVEN-」詳細
http://www.akaaka.com/publishing/books/bk-tmge.html
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT -LAST HEAVEN-
発売日 : 2015年5月28日(木)
著者 : 澁谷征司
アートディレクション : 山本知香子(山本デザイン)
仕様 : 168×242mm|400 ページ|上製本・ケース入
※価格、その他詳細はオフィシャル・サイトにて
購入方法 : 赤々舎ウェブ・サイトにて予約受付中(http://www.akaaka.com)
※先着 1000 個限定でオリジナルトートバッグ付き(絵柄 2種)
※本書に関して、現時点では店頭販売の予定はございません。
■写真集『THEE MICHELLE GUN ELEPHANT -LAST HEAVEN-』のまえがきにかえて
どんな旅にでも、その時には気がつかなくても、ずっと後になってそれと知るようなことがある。 この冬ひさしぶりに暗室に長く籠りながら改めてそんなことを強く感じた。6つ切をカラーとモノクロ 合わせて400枚ほど、現像機は使わずに文字通り ” 手 ” で焼き付けた。作業は驚くほど集中して進める ことが出来た。撮影から時間も経っているし、冷静に写真を仕上げようとする目が確かにあった。 それでも時折、液から浮かび上がる像に素朴に驚く自分がいた。
2003年、ミッシェルの解散が発表されて2.3日たった時、「ラストツアーの撮影をしてほしい」 という電話があった。ライブを撮ったことなどなければ、そんな装備も持ち合わせていなかったけれど、 憧れのミッシェルと長い時間を過ごせるならと、あまり考えずに引き受けてしまった。それから1ヶ月の 旅の末、ラストツアーの写真集は完成した。この『LAST HEAVEN』の出来栄えには今でも本当に満足している。 それでも当時装丁に対するお叱りのようなものは僕に対してもずいぶん向けられた。格好いいのだから いいじゃないかとは言い切れない重みのようなものも少なからず感じるようになった。数年経って
『LAST HEAVEN』が売り切れた事を聞いた頃から今回の本に関する事を考え始めた。何人かの人に相談 しても誰もが難しいと口を揃えた。それからしばらく忘れていた時期もあったのだけれど、幾つかの問題を クリアし、版元を変え、実現に漕ぎ着けることができた。気が付けば2015年になっていた。
本を作り直すにあたって装丁は大きく変えた。これだけのボリュームの写真集を、決して多くはない部数 でも、最高のクオリティを求めて作りたかった。当然価格も高くなる。ただ、経験的に言って、少々値が張っ ても力一杯作った方が長い目で見れば喜ばれるんじゃないかと僕は考えている。本を収納するケースの絵柄 は2種類になった。どちらも捨てがたく、コストはかかるが両方作りたいとスタッフ全員が言った。 どちらにするか、悩む事もまた楽しんでもらえると我々としても嬉しい。
「一万年たっても、この世界にロックがあってほしい」 これは何年か前に、確か京都の居酒屋で能野哲彦さんの言った言葉だったと記憶している。” 確か ” という のはその時は皆相当酔っていたし、その場にあった気分が誰かの口を衝いたようにも聞こえたからだ。 あの時、ロックという言葉は何を指していたのか? 自由な感じだったり、闘いのようなものだったり、 あるいは純粋に音楽の一つの様式だったり、きっと様々な想いが含まれていたのだろう。 いずれにせよロックという言葉はその場を少しだけ、そして漠然と熱くしてくれる。何かに賭けてみよう じゃないかとほんの一瞬でも思わせてくれる。
一万年たっても、この世界にロックはあるだろうか ?もちろんそんなことは誰にもわからない。 でもあったらいいよな、と僕は想像する。そして写真集という形で僕も賭けてみたいと思う。
なんだか途方もないことだけれど。
2015年 4月 澁谷征司
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