がん発症の増強・発がん物質にピロリ菌成分が作用強化 岡山大大学院などが研究

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胃の内部に寄生するヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)が、胃がんを引き起こすことはよく知られています。
実際、保険診療でもピロリ菌を殺菌する抗生物質を処方する治療が行われています。しかしながら、どのような理由でピロリ菌が胃がんを引き起こすのかは詳しく分かっていませんでした。

英国の医学雑誌『Mutagenesis』オンライン版で公開された岡山大大学院医歯薬学総合研究科(薬)の有元佐賀恵准教授、岡山理科大学、京都府立医科大学、松下記念病院の共同研究グループの報告によると、ピロリ菌の成分が胃の上皮の突然変異を引き起こしてがんを誘発することわかりました。
またこの研究では、ピロリ菌の成分が、発がん物質の影響を受けやすくすることも分かったと報告しています。

今回の研究では、培養したヒトの細胞にピロリ菌の成分を投与すると胃の上皮細胞が突然変異を起こすことを確認。また通常では、がんを発症しない程度の低容量の発がん物質であるアルキル化剤とピロリ菌の成分を投与すると、アルキル化剤単体を投与した場合より、あきらかに突然変異を起こす胃の上皮細胞が増えたことが確認されたとしています。

今回の研究をさらに追及すると、胃の上皮細胞が突然変異を起こして胃がんになるのを防ぐ薬が開発できるのではないかと期待されています。
日本人の中で、がんにかかる方の上位を占める胃がんの予防法が確立されるとしたら、もっと健康に過ごせる方法の一つが見つかるのは間違いありません。ぜひ、研究が進展してほしいですね。

※写真は足成 http://www.ashinari.com/2009/04/26-017743.php

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(執筆者: 松沢直樹) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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