世界を震撼させた大富豪誘拐犯は心優しい青年だった? 衝撃の実話を映画化『ハイネケン誘拐の代償』
誘拐されたビール会社の経営者と、誘拐した幼なじみの5人事件の“裏”で、いったい何が起きたのか? 本格サスペンス・ミステリー映画『ハイネケン誘拐の代償』が6月13日より公開となります。
本作は、1983年に実際に起きた大ビール企業「ハイネケン」の経営者誘拐事件の真相を追ったエミー賞受賞の犯罪ジャーナリスト、ピーター・R・デ・ヴリーズのベストセラー本を基に映画化。
世界屈指の大富豪フレディ・ハイネケンが、犯罪経験のない幼なじみの5人組に誘拐され、巨額の身代金が要求された事件。奪われた身代金の大半の行方が解明されていないなど、多くの謎を残しているこの事件の裏で、いったい何が起きていたのか?大胆不敵な計画を実行した犯人たちだが、次第に人質であるハイネケンに翻弄され、歯車が狂っていく様が描かれます。
大富豪ハイネケンを演じるのは、『羊たちの沈黙』で殺人鬼ハンニバル・レクターを演じ、米アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞したベテラン俳優のアンソニー・ホプキンス。そして、誘拐犯グループを演じるのは、『アクロス・ザ・ユニバース』『鑑定士と顔のない依頼人』など話題作に出演が続くジム・スタージェスと、『アバター』『ターミネーター4』など数々の大作に出演するサム・ワーシントン。さらにライアン・クワンテン、マーク・ファン・イーウェン、トーマス・コックレルなど若手実力派俳優が揃いました。
当時、オランダ中の注目を浴び、トップニュースとなったこの事件。しかし犯人グループのメンバーは、仲間と共同経営している建設業の会社が不況のあおりを受け倒産、さらに銀行から融資を断られてしまい、完全に人生に行き詰ってしまった社会的弱者的な存在。追い詰められた彼らは、「犯罪に手を染めるしかない」と決心します。
「犯人グループは、マフィアのギャングでも、真っ正直な市民でもなく、その中間の灰色部分にいたんだ。彼らは誰も傷つけたくなかったし、ハイネケンを監禁している間一度も肉体的に傷つけなかったんだよ、そこが興味深かった。もし彼らが非情だったら、うまく成功させ金も手に入れ、捕まることもなかったと思う。彼らは悪ガキのみたいで、装っていたものとは全然違う人間だったんだ。だから警察はそのにおいを嗅ぎ取ったんだよ」と語るのは、脚本を担当したウィリアム・ブルックフィールド。さらに彼は、誘拐犯たちに良心があったからこそ、彼らの経験を脚本にしていくことが楽しかったと語っています。
犯人グループのリーダーコルを演じたジム・スタージェスは、「僕がこの役を演じる上で面白いと思ったのは、彼らはどこにでもいる労働者階級の若者という点なんだ。彼らの若さをいつも念頭においていたんだけど、ごく普通の若者が考えられないことをしたんだ。しかもうまくいくと本気で信じて。一体どれだけの度胸が必要だったのかを考えてみたら、それを実行した彼らにある意味で敬意を抱いたよ。」と自身の役について振り返ります。
またコルの幼なじみで親友ヴィレムを演じたサム・ワーシントンは、「彼らを非難するつもりはないよ。誘拐は犯罪だし悪い影響を与えてしまうけど、否定していては演じられないんだ。ヴィレムは私生活で多くの問題を抱えていたんだ、頂点に達した不満が誘拐という行動に表れてしまっただけだと思う。だからハイネケンに個人的な恨みはなくて、彼らの置かれた状況への不満なんだ。だから俳優陣は善意ある人間として彼らを演じたんだよ。そうは見えないかもしれないけど……」と犯人グループの心情を察しながら、自身の役を演じたことを明かしています。
人生を再スタートするために犯罪に手を染めてしまったごく普通の若者たちが、支払う“誘拐の代償”、そして彼らに待ち受ける運命とは? 気になる結末は劇場でお確かめください!
http://kidnapping.asmik-ace.co.jp
(c) Sofie Silberman 2014 (c) Ben Rothstein 2014
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。