窮地を前向きに捉えるための心の転換術
ダルビッシュ選手のように前向きになれる心の転換術を考察
先日、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手が、右ひじの靭帯修復手術を受けるという報道がありました。復帰までに1年以上を要することになりますが、ブログでは「前を向いてしかいない」など、前向きな気持ちを記していました。
震災や竜巻被害といった自然災害、あるいは病気やケガ、トラブルに巻き込まれるなど、人は人生の中で何度か窮地に直面する場面がありますが、ひとたび窮地に陥ってしまうとなかなか立ち直れず、いつまでも気持ちを切り替えられない人も多いと思います。
ダルビッシュ選手のように、どうすれば前向きな気持ちで乗り越えていけるようになるのか。心の転換術について、心理学の観点から考察していきましょう。
窮地に直面しているときは、パニック状態に陥っているのと同じ
人が窮地に直面すると、どのような心理が働くのか。実は、自然災害に見舞われたときと同じ心理が働きます。例えば、自然災害が発生し、直ちに避難しなければならない場面を想定してみます。何もせずボサッとしていたら命の危機(つまり窮地)に直面してしまうので、できるだけ早く避難しなければなりません。
しかし、闇雲に逃げ回ることで、かえって最悪の事態を引き起こしてしまうかもしれません。同じ避難するにしても、状況を冷静に分析し、情報を整理して避難を開始した方が、ただ逃げ回るよりも窮地を脱する可能性も高まるでしょう。もちろん緊急事態ですからそんな悠長なことはしていられませんし、なかなか落ち着いて行動するなんてできないでしょう。
つまり、このときの心理状態を見てみると、パニック状態に陥っていることがわかります。冷静に判断できない状態にあるため、なかなか窮地から脱することができず、いつまでもその状況から抜け出せないでいる。そうしている間に手遅れになってしまうこの状況こそ、まさに人が人生の中で窮地に直面したときと同じで、このときの心理状態はパニックを起こしているときと同じと言えるでしょう。
日頃から緊急事態などを想定し、心に備えを
ですから、人生の中で窮地に直面したときの対処方法も自然災害と同じで、まずは災難に直面する前、すなわち日頃からの備えが大切です。そして窮地に陥った場合は、立ち止まっていないで行動することが重要です。
先述のように、行動すると言ってもパニック状態なのは違いないでしょう。しかし、なるべく落ち着いて、できれば冷静に状況を分析して行動したいものです。
窮地に陥ってから慌てるのではなく、窮地に陥る前からそうなったときを想定して落ち着いて行動できるように心がけておけば、いざというときもスムーズに気持ちの切り替えを行うことができるでしょう。
普段から後悔のないように目の前の事柄に全力で取り組むことが、スムーズな心の転換につながります。「備えあれば憂いなし」。何か問題が起きても、「ほら来た」と前向きに捉えて上手に気持ちを切り替えてください。
(宮本 章太郎/心理カウンセラー)
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