どんな起業も失敗する3つの落とし穴
ビジネスに関わる人であれば一度は夢見る「起業」。
まちがいなく人生最大の挑戦であり、絶対に失敗できない大勝負ですから、入念な計画と準備は絶対に欠かせません。
しかし、どんなに下調べをしていても、起業経験がない人が得られる情報というのは限りがあり、そこはやはり“プロの目”が必要になってきます。
『集客・マーケティングから会社設立、資金調達まで 起業の疑問と不安がなくなる本』(中野裕哲/著、日本実業出版社/刊)は、実際に起業準備に入った時、起業した時に起こりやすい問題や悩みに、プロの目からアドバイスをくれます。
■「助成金」「補助金」は起業準備には使えない?
起業をする時の費用はあらかじめ貯めておくのが基本ですが、全額となるとやはり普通の勤め人にはハードルが高いですし、賃金が安くて預貯金がままならないというケースもあるでしょう。
「手持ちのお金がないけど、なんとか起業したい」
こう思う人が目をつけるのが「助成金」や「補助金」なのですが、ここにちょっとした落とし穴があります。
確かに起業を支援するための助成金や補助金はあるのですが、いずれも「はい、このお金で起業の準備をしてくださいね」と事前に受け取れるものではなく、起業して使った経費のうちの一定額がキャッシュバックされるというもの。つまり、いずれにしても最初に使うお金は自己資金を用意し、足りない分を創業融資でまかなう必要があるのです。これを知っておかないと、せっかくの起業のアイデアが計画倒れに終わってしまうかもしれません。
■ホームページ制作は知人に頼るべからず
どんなビジネスで起業するにしても、今の時代「自社ホームページ」は絶対に必要です。
初めて取引する相手のことはあらかじめホームページを見てチェックしますから、もはやホームページは会社にとっての名刺。自社のことを知ってもらうのはもちろん、できれば「集客」につなげたいところです。
ここでありがちな失敗は、ホームページ制作を自分でやってしまったり、ちょっとパソコンに詳しい知人にお願いしてしまったりすること。
15年前ならまだしも、ウェブマーケティングが発達した今は、ホームページのデザイン・ライティング・写真はどれもプロが手掛けますから、素人が一人で太刀打ちするのはかなり無理があります。
起業の資金計画を立てる時、ウェブを含めて広告費予算は後回しにされがちなのですが、ホームページ制作の費用はきちんと確保しておかないと、インターネットからの集客のチャンスをみすみす逃してしまうことになります。
■「引き抜き」「データ持ち出し」は絶対NG
「勤めている会社の経営方針に納得がいかないから独立」というパターンで起業する人もいるはずですが、このパターンの起業は予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性があり、注意が必要です。
特に絶対にやってはいけないのが「人の引き抜き」「技術や顧客リストの持ち出し」です。「人の引き抜き」は損害賠償請求の対象になることがありますし、「技術や顧客リストの持ち出し」は犯罪行為です。
勤めている会社から独立して同業のビジネスを立ち上げる時は、くれぐれも勤め先の恨みを買うようなことは避けてください。
本書には、背景も種類も様々な起業をサポートしてきた著者だからこそわかる、起業する際に陥る悩みや落とし穴が、まだまだ取り上げられています。
ほとんどの人にとって起業は初めての経験のはず。手探りで進むのは仕方のないことですが、少しでもわからないことを減らしていくために、本書は大いに役立ってくれるはずです。
(新刊JP編集部)
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