日本を代表する脚本家が痛快“時代小説”を執筆!
「付添い屋・六平太」シリーズの4作目となる最新刊『付添い屋・六平太 鷺の巻 箱入り娘』が発売された。
著者の金子成人氏は昨年、『付添い屋・六平太龍の巻 留め女』で小説家デビュー。小説家としては新人だが、実はドラマ『鬼平犯科帳』『剣客商売』など、デビュー以来の執筆作品本数が400本を超えるベテラン脚本家。1979年には『死にたがる子』(NHK)が第5回放送文化基金本賞を受賞、97年には『魚心あれば嫁心』が第一六回向田邦子賞を受賞している日本を代表する作家の一人なのだ。
では、そんな金子氏の小説はどのようなストーリーなのか?
昨年6月に二冊同時に出版されたが、そのうちのシリーズ第1弾『付添い屋・六平太 龍の巻 留め女』(金子成人/著、小学館/刊)のあらすじをなぞっていこう。
時は江戸・文政年間。主人公の秋月六平太は、かつて藩主の駕籠の前後を警護する信州十河藩の供番を務めていたが、10年前、藩の権力抗争に巻き込まれ、お役御免となり浪人となっていた。今は、裕福な商家の子女が花見や芝居に出掛ける際、案内と警護を担う付添い屋を生業としている。
血のつながらない妹の佐和は、六平太の再士官を夢見て、浅草元鳥越の自宅を守りながら、裁縫で家計を支えている。しかし、六平太にはその気はなく、相惚れの髪結い・おりき、音羽界隈を取り仕切る毘沙門一家の菊次と、浮き草な日々を過ごしながら、付添い稼業を続ける日々を送っている。
付添い先で出会う・幸せになりきれないが一生懸命生きている人たちの悩み事や武家の横暴や揉め事を六平太は解決していくのだった。
本書には、「雨祝い」「初浴衣」「留め女」「祝言」の4話が収録されており、妹・佐和の祝言までを描いている。
表紙のカラーイラストは『JIN−仁』『龍−RON』の村上もとか氏が描いた。時代小説、人情話の王道ともいえるストーリーの本作。痛快な時代劇を楽しみたい人にとってはうってつけのシリーズだ。大物脚本家の初の小説を読んでみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)
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